2021/06/04
VOLK TACTICAL GEAR×3 MADE ISSUE「SERPENT SLING-2POINT」【毛野ブースカのガンロッカー】
アームズマガジンの自称「物欲番長」こと毛野ブースカが購入したエアガンやギアを紹介するコーナー。第8回目はVOLK TACTICAL GEAR×3 MADE ISSUEのツーポイントスリング「SERPENT SLING-2POINT」だ。
第7回「グロック17用7377 7TS ALS ホルスター」はこちら
ハンドガンナーである私はホルスターやマガジンポーチ、ガンベルトに異常なまでにこだわっているのだが、ライフル用スリングについてもこだわり続けてきている。SWATブームに端を発したスリーポイントスリングから始まり、2000年代後半にはマグプルダイナミクスの『THE ART OF TACTICAL CARBINE』に触発されてワンポイントスリングを使い、2010年以降はツーポイントスリングを使い続けている。
ホルスターと同じくスリングもこだわり始めるとキリがないのだが、面白そうなスリングが発売されると買っては試しを繰り返してきた中でいちばん気にっているツーポイントスリングはブルーフォースギアのヴィッカーズスリング(別名VCAS=ヴィッカーズ・コンバット・アプリケーション・スリング)だ。元デルタフォース隊員であるラリー・ヴィッカーズがデザインしたVCASはスライダーを前後させることで長さが調整できるのが特徴。デザインはシンプルだが不意に伸びたり縮んだりすることがなく、カービンからSMGまで幅広く対応できる。現在私はパッドなしのVCASを2本、パッド付きVCASを1本所有している。
このVCASは優れたスリングだが欠点を挙げるならば、これは高い耐久性の裏返しなのだが、スリング本体に使われているコーデュラウェビングがゴワゴワしていて馴染むのに時間を要することだ。軽くて短い銃の場合だと肩のフィット感が得られにくい。特にARCTURUSのソードVG ULR 8インチ電動ガンを使い始めてからもう少しソフトなフィット感でもいいのではないかと思っていた。そんな矢先、私のお気に入りのタクティカルギアブランドであるVOLK TACTICAL GEARと3 MADE ISSUE(スリーメイドイシュー)とのコラボによる「SERPENT SLING-2POINT」が発売されたので、物は試しで購入してみた。色はウッドランドをチョイスした。
このスリングはVCAS同様、スライダーを前後させることで長さが調整できるだけではなく肩への負担を減らすパッドが付属しているのだ。特にパッド(ストック)側のストラップの長さ絶妙で肩にしっかりフィットする。素材はしなやかながらコシのあるナイロン製でゴワゴワした感じはなく、長さもスムーズに調整できる。さらに軽量なので銃全体の重量増も抑えられる。ソードVG ULR 8インチ電動ガンのようなSBR/マイクロカービンだけではなくフルサイズライフルにも適している。
日本人はプレートキャリアを着用しても外国人よりスリムなので、調整幅に余裕があるスリングだと持て余してしまう。そのためVCASなどのツーポイントスリングはセットアップが意外と難しいのだが、このスリングなら前後のストラップの長さがほどよいのでセットアップはしやすい。実物系装備ではないが、それに匹敵するほどの完成度を有している。もしスリング選びに迷っている方がいたら、このスリングを候補のひとつに入れてみてはいかがだろうか。
[プロフィール]
アームズマガジンの編集ライター。エアガンシューティング歴36年。数多くの国内シューティングマッチ入賞経験に加えて、1999年、2000年に開催されたIDPAナショナルズ参戦、シグアームズアカデミーや元デルタフォース隊員のラリー・ヴィッカーズのタクティカルトレーニングを受講するなど実弾射撃経験も豊富。今まで25年、300冊以上のアームズマガジンと関連MOOKの制作に携わる。
Twitter:@keno_booska