2021/04/22
サファリランド「グロック17用7377 7TS ALS ホルスター」【毛野ブースカのガンロッカー】
アームズマガジンの自称「物欲番長」こと毛野ブースカが購入したエアガンやギアを紹介するコーナー。第7回目はサファリランドのグロック17用「7377 7TS ALSホルスター」シリーズだ。
第6回「VOLK TACTICAL GEAR VBS」はこちら
私は普段スタイルごとに種類だけではなくメーカー別にホルスターを使い分けている。例えばシューティングマッチ(コンシールドキャリースタイル)ではRCS(レイブン・コンシールメント・システムズ)やブレードテックのホルスター、サバゲやタクトレ(ベルトキットをメインにしたインストラクタースタイル)ではサファリランドのホルスターを選んでいる。これら3社のホルスターを使い分けているのだが、中でもサファリランドはエアガンシューティングを始めた約30年前から愛用しており、「いちばん好きなホルスターメーカーは?」と聞かれればサファリランドと即答するほど気に入っている。
その理由は、使い手側の視点でデザインされているからだ。世界最大のホルスターメーカーであるサファリランドのホルスターは、多くのミリタリー&ローエンフォースメントで採用されている。多くの技術的ノウハウや現場からのフィードバックが製品開発に大きな影響を与えていること以外にも、プロシューターで構成された「チームサファリランド」の存在が大きい。チームサファリランドはカイデックスホルスターの生みの親であり元FBIエージェントのビル・ロジャース、世界初のプロシューターでありM645などを開発した元スミス&ウェッソンのエンジニアのトム・キャンベルを中心に、ワールドクラスのプロシューターたちで構成されている。彼らがコンマ何秒単位で競い合うシューティングマッチなどで使用してブラッシュアップを重ねることで、射手の動きと直結するインターフェース部分の完成度を高めているのだ。こうした使い手側の視点(=射手目線)からデザインされたサファリランドのホルスターを使っていると「わかっているな!」と感じる部分が非常に多い。
こうした使い手側の視点から作られたサファリランドのホルスターは、銃を保持するロッキングシステム、ホルスター本体の素材とデザイン、そして豊富なアタッチメント類において他社の追随を許さない。特にロッキングシステムについてはサファリランドがもっとも優れていると断言できる。サファリランドのロッキングシステムは「SLS(セルフ・ロッキング・システム)」「ALS(オートマチック・ロッキング・システム)」「GLS(グリップ・ロッキング・システム)」の3つに大別できる。これらの中でもALS、は銃をホルスターに収納するだけで自動的にロックがかかり、親指でリリースレバーを押せばロックが解除できる。シンプルで合理的な構造と、素早く迷うことなくできるロック解除と確実な保持性を実現し、ライト付きタイプの場合、ライト非装着でも収納できる。今までのホルスターの常識を覆したエポックメーキングなロッキングシステムである。
サファリランドのホルスターを少なくとも20個は持っている私が今回入手したのは、東京マルイグロック17 Gen.4に対応した2つの7377 7TS ALSホルスターだ。ひとつはウェポンライト+マイクロドット付きに対応したもの、もうひとつがコンパクトウェポンライト付きに対応したものだ。購入先はサファリランドのホルスターの正規販売店であるウィリーピートだ。
どちらも共通しているのはALSを搭載し、デュポンと共同開発した強化ナイロン樹脂「SafariSeven(サファリセブン)」を採用している。サファリセブンは従来の6378/6379ホルスターに使われているサファリラミネートに比べて軽量、全天候型で耐久性に優れている。初期型は側面にリブがモールドされていたが、最新型は側面のリブが廃止されてプレーンなデザインとなっている。射出成型(インジェクションモールド)によって製造されており、製品のバラつきは皆無だ。標準では567BLベルトループ、RDSにはクリップオンホルスターベルトループが付属しているが、QLSなど各種アタッチメントに対応している。
ALSホルスターは銃をしっかり保持しつつも素早くかつスムーズにドロウできるのが特徴。今回入手した7377はサファリセブンが採用されたことでさらにドロウしやすくなっている。アタッチメントを複数用意すればスタイルに応じたセットアップが柔軟に行なえる。7377 7TS ALSホルスターは「やっぱりサファリランドだな!射手の気持ちをわかっているぜ!」と思わせる出来映えだ。
[プロフィール]
アームズマガジンの編集ライター。エアガンシューティング歴36年。数多くの国内シューティングマッチ入賞経験に加えて、1999年、2000年に開催されたIDPAナショナルズ参戦、シグアームズアカデミーや元デルタフォース隊員のラリー・ヴィッカーズのタクティカルトレーニングを受講するなど実弾射撃経験も豊富。今まで25年、300冊以上のアームズマガジンと関連MOOKの制作に携わる。
Twitter:@keno_booska