アウトドア

2021/01/25

HELIKON-TEX ハイブリッドタクティカルパンツ【毛野ブースカのガンロッカー】

 

 アームズマガジンの自称「物欲番長」こと毛野ブースカが購入したエアガンやギアを紹介するコーナー。第5回目はヘリコンテックスの「ハイブリッドタクティカルパンツ」だ。

 

第4回「ハイパー道楽 杯マウント」はこちら

 


 

 

 タクティカルギアの中でもサバゲーからアウトドア、デイリーユースまで幅広く使いこなせるのがタクティカルパンツ(略してタクパン)だ。タクティカルパンツが誕生したのは今から約20年前。ロイヤルロビンズ(現5.11タクティカル)の登山用のパンツを、コバートスタイルで要人警護に就くネイビーシールズやデルタフォースなどのアメリカ軍特殊部隊が着用したことから始まった。

 私が初めてタクパンを見たのは、2001年にアメリカで開催された実銃を使ったシューティングマッチ「IPDAナショナルズ」に参加した時まで遡る。当時、そのシューティングマッチには現役を退いて間もない元デルタフォースのラリー・ヴィッカーズ氏をはじめ軍・法執行機関に属する参加者が多く、タクパンだけではなくカイデックスホルスターなど最新の装備を見ることができた。そんな参加者が見たことないパンツを履いており「右のお尻のところにストラップみたいなものが付いているパンツはなんだ?」と、当時タクパンを知らなかった私は不思議に思った。それから2年後に初めてロイヤルロビンズのパンツを買ってストラップの謎が解けた(ちなみにこのストラップはカラビナを使って各種ギアを携行するためのものだった)。それ以降、5.11タクティカルを中心にウールリッチ、イオタック、ブラックホーク、TAD GEAR、ヴァーテックス、カイタニカなどのタクパンを着用してきた。そしてここ近年はHELIKON-TEXヘリコンテックスのタクパンを着用している。

 ヘリコンテックスはポーランドに拠点を置くタクティカルギアメーカー。日本に初めて導入され、現在もラインアップされているUアーバンTタクティカルPパンツは各社のタクパンを研究し、機能性を維持しつつストレッチ素材を用いることでスマートなシルエットを生み出し、「タクパン=ダボダボして野暮ったい」というイメージを払拭することに成功した。まさにいいとこ取りした完成度の高いタクパンだ。その後も、改良が加えられ、デニムスタイルのタクパンをいち早く導入するなどトレンドを取り入れることでユーザーの期待に応えてきた。

 今回手に入れたのが同社の最新モデル「ハイブリッドタクティカルパンツ」(色:カーキ)だ。その名のとおりリップストップ素材をメインに、伸縮性のあるソフトシェル素材(VersaStretch)を各所に配置することで、履き心地・動きやすさ、さらに耐久性を両立させている。ロープロファイルのカーゴポケット、腰の左右に追加されたサイドポケットなど、スマートなシルエットを維持しつつE D Cエブリ・デイ・キャリー(日常的に使う)ギアを効率よく収納できる。

 実際に履いてみると、ダボつき感を抑えたシルエットながら適度に伸びることからストレスなく履けて動きやすくなっている。個人的にはベルトループの数が多くなり、かつベルト幅が1.5~1.75インチ対応になり、ホルスターやマガジンポーチを安定して装着できるなったのが嬉しい。ポケットの位置やサイズも適切で、物足りなさは感じない。微妙に各素材の色合いが異なるのもいい。

 ここ最近はデニムスタイルのタクパンを履く機会が多かったが、正統派と言っても過言ではないヘリコンテックスのハイブリッドタクティカルパンツを履いていると、シューティング/タクティカル向けなのだと改めて実感している。このパンツもヘビーローテーション間違いなしだ。

 

ヘリコンテックスのハイブリッドタクティカルパンツ。フロントストラップはUTPと同じようにベルクロ止めとなっており、フィット感が微調整できる。価格は7,800円(税抜)と同社のUTPと同価格。タクパンとしては比較的入手しやすい価格だ。

 

リップストップ素材をメインに各所に伸縮性のソフトシェル素材が使われている。耐久性を持たせつつ動きやすさを追求している。私が入手したサイズはM-R(32×32)

 

曲げ伸ばしすることが多い膝にはストレッチ素材が配置されている。そのためニーリングやシッティングといったシューティングポジションへスムーズに対応できる。

 

側面のカーゴポケットはウチポケットのあるロープロファイルタイプ。スマートなシルエットを崩すことなく収納量を確保している。

 

意外と破けやすい股間部はしっかり補強されており、ベルトループの本数が増やされている。ちなみに写真のベルト幅は1.5インチ。

 


 

[プロフィール]

 

アームズマガジンの編集ライター。エアガンシューティング歴35年。数多くの国内シューティングマッチ入賞経験に加えて、1999年、2000年に開催されたIDPAナショナルズ参戦、シグアームズアカデミーや元デルタフォース隊員のラリー・ヴィッカーズのタクティカルトレーニングを受講するなど実弾射撃経験も豊富。今まで24年、280冊以上のアームズマガジンと関連MOOKの制作に携わる。

 

Twitter@keno_booska

 

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