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2020/11/25

PTS EPM1【毛野ブースカのガンロッカー】

 

 アームズマガジンの自称「物欲番長」こと毛野ブースカが購入したエアガンやギアを紹介するコーナー。第3回目はPTSのスタンダード電動ガンM4系用マガジン「EPM1」だ。

 

第2回「ノーベルアームズ SURE HIT T2 SOLER」はこちら

 


 

 

 スタンダード電動ガンM4系用マガジンの給弾方式は「スプリング給弾方式」「ゼンマイ巻き上げ方式」「電動給弾方式」の3つに大別できる。スプリング給弾方式はいわゆるノーマルマガジンと呼ばれているもので、フォロアースプリングによってBB弾をチャンバーへと送り込む。装弾数は100発前後が多い。ゼンマイ給弾方式は連射(多弾数)マガジンと呼ばれており、ゼンマイで回転する水車ようなギアでマガジン内にあるBB弾を持ち上げてチャンバーへと送り込む。装弾数は300発前後が主流だ。電動給弾方式はゼンマイがモーターに代わっただけで構造的には同じ。1,000~2,000発くらいの装弾数を誇る。
 これらのうちサバゲー用として主流なのがゼンマイ給弾方式なのだが、ノーマルマガジンと同じスプリング給弾方式ながら装弾数を100~150発前後に増やした通称「ミッドキャップマガジン」を使うサバゲーマーが増えている。そんなミッドキャップマガジンの中でも人気があるのが、カスタムパーツメーカーであるPTSがリリースしているEPM(エンハンスド・ポリマー・マガジン)だ。今回、このEPMのバリエーションとして、装弾数250発ながら初めてスプリング給弾方式を採用した「EPM1」が加わった。昨年末に発売が噂され、今秋になってようやくリリースされた。EPMの愛用者である私は早速購入した。
 EPM1の最大の特徴は、先ほども述べたように装弾数250発のハイキャップ仕様ながらスプリング給弾方式を採用していることだ。一般的に200発以上ではゼンマイ給弾方式が主流なのだが、ゼンマイ給弾方式はスプリング給弾方式に比べて給弾(弾上げ)スピードが遅く、途中でゼンマイが切れてしまうことがある。そのためハイサイクルチューンが施されている電動ガンにゼンマイ給弾方式を使うと給弾が追い付かなくなることがあり、あまり適していないのだ。そこで登場したのがEPM1である。スプリング給弾方式で装弾数を増やすとフォロアースプリングだけではなく給弾ルートも長くなるので給弾不良が起きやすくなる。しかしPTSはトライアンドエラーを重ねた結果、250発を一気に撃ち切れるハイキャップマガジンを作り出したのだ。
 EPMと同様、PTSのオリジナルデザインだが、アメリカ在住のシューティングインストラクターのアドバイスを受けて作られており、非常に使いやすい。素材にはデュポンザイテルと呼ばれる耐久性に優れるポリマー樹脂を採用。コンクリートの上に落としても割れたり変形することはない。さらに側面に残弾確認窓が設けられているのがユニークだ。唯一のデメリットは250発を装填するのに時間と手間がかかることだ。BBローダーで装填すると、200発近く装填されたところでフォロアースプリングのテンションが強くなり指が痛くなってくる。しかし、このことを差し引いても余りある魅力と実力をEPM1は有している。

 気になる価格は1本5,000円前後。少々お高いがその価値は充分ある。スタンダード電動ガンM4系用マガジンが欲しい方にぜひ使ってみてほしい。

 

PTSオリジナルのEPM1。マガジン前面上方に設けられたガイドによりスムーズなマガジンチェンジが得られ、さらにマガジンハウジングとのギャップを減らすことでガタツキを抑え、確実な給弾と不意に脱落したりすることを防いでいる

 

基本的はデザインは同社のEPMを継承しつつ、より使いやすくなっている。装弾数はスプリング給弾方式として異例の250発を実現している

 

左右には残弾確認窓が設けられている。フル装填するとオレンジ色のパーツ(インジケーター)が上に持ち上がり、少なくなると下がってくる。写真は残弾ゼロの状態だが、実際には150発くらい装填しないとインジケーターは持ち上がらない。あくまでも目安と考えよう

 

EPMと同様モノポッドとしての機能が追加されているベースプレート。落とした時に外れたり破損しないように、EPMでは外側から固定する方式から内側で固定する方法に変更されている

 

オレンジ色のマガジンフォロアーにより残弾が確認しやすくなっている

 

EPMより洗練されたマガジン前面に施された滑り止めのテクスチャー。これがあることでマガジンチェンジしやすくなっている

 

マガジンを持つ時はこのようにベースプレートに小指をかけるのが正しいやり方。EPM1は小指がしっかりかけられるようにデザインされている

 

ミッドキャップタイプのEPM(写真左)と比較したところ。EPMではダミーカートが配されていたが、EPM1ではオミットされた。滑り止めのテクスチャーやベースプレートの固定方法の違いがわかるだろうか。

 

TEXT:毛野ブースカ

 

▼今回紹介した商品はこちら

 


[プロフィール]

 

アームズマガジンの編集ライター。エアガンシューティング歴35年。数多くの国内シューティングマッチ入賞経験に加えて、1999年、2000年に開催されたIDPAナショナルズ参戦、シグアームズアカデミーや元デルタフォース隊員のラリー・ヴィッカーズのタクティカルトレーニングを受講するなど実弾射撃経験も豊富。今まで24年、280冊以上のアームズマガジンと関連MOOKの制作に携わる。

 

Twitter@keno_booska

 

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