2021/01/10
SILVERBACK AIRSOFT「デザートテックSRS-A2 22インチエアコッキングガン」【毛野ブースカの今月の1挺!】
「月刊アームズマガジン」編集部の毛野ブースカがおくる『毛野ブースカの今月の1挺!』 。今月はSILVERBACK AIRSOFTのエアコッキングガン『デザートテックSRS-A2 22インチ』をご紹介!
1970年代から80年代にかけてミリタリーライフルの主流になるかと思われたのがブルパップタイプのアサルトライフル(以下ブルパップライフル)だ。一般的なアサルトライフルはグリップより前方にボルトキャリアなどの機関部とマガジンが設けられているが、ブルパップライフルはグリップよりも後方(ストック側)に機関部とマガジンが設けれているのが特徴だ。オーストリアのステアーAUG、フランスのFA-MAS、イギリスのL85A1、イスラエルのIWIタボールTAR21、PDWとしてベルギーのFN P90などが代表的なブルパップライフルだ。
ブルパップライフルのメリットは全長を抑えつつバレル長を確保できる、バレル交換がしやすい、光学機器が搭載しやすいなどが挙げられる。一方、即座にマガジンチェンジできない、頬部分にエジェクションポートがあるためショルダースイッチしにくいなど、CQBテクニックを主体とした現在のタクティカルシーンにはそぐわない一面を持ち合わせている。そのため、特に2000年代以降、タボールTAR21以外に新たなブルパップライフルは登場しておらず、ミリタリーライフルとして広く浸透することなく現代に至っている。一方、ブルパップタイプのスナイパーライフルも開発されており、今回シルバーバックエアソフトによってエアガン化されたデザートテックのSRS-A2ボルトアクションライフルシリーズは、ワルサーのWA2000、DSRプレシジョンのDSR-1、バレットのM95と並ぶ、ブルパップライフルのメリットを生かしたスナイパーライフルだ。
シルバーバックエアソフトのSRS-A2は前作(SRS-A1)から各部がバージョンアップされ、2019年に発表された最新型をモデル化している。バレルやハンドガードの長さ違いで3タイプあり、ここで紹介するのはバレル長22インチ(=550mm)ながら全長が865㎜に抑えられているモデル。色はブラックをチョイス。ブルパップライフルの定石どおりグリップ後方にストックに覆われたアッパーレシーバー/ボルトと着脱式マガジンがあり、バレル全体を覆うようにM-LOKハンドガードが設けされている。アルミ削り出しのアッパーレシーバーにはデザートテックとの正式契約により実銃同様の刻印が施されている。スナイパーライフルらしくチークピースは高さ、バットプレートは前後の厚みと高さが調整できる。
発射方式はオーソドックスなエアコッキング式。コッキングストロークは短く大型のボルトハンドルとあいまってスピーディーにコッキングできる。バットプレートを外すとボルトアッセンブルが取り出せるのでメンテナンスも容易だ。インナーバレルは電動ガン用ホップパッキンに対応しており、2点式の可変ホップアップシステムに細かなホップアップ調整が可能。着脱式マガジンの装弾数は30発、マガジンキャッチ、セーフティともにアンビタイプとなっている。
実射してみると、一般的なボルトアクションライフルとのデザインや操作性が異なるものの、ステアーAUGやタボールTAR21などのエアガンを扱ったことがある方ならすぐに慣れるはずだ。重量は約2,500gとそれほど重くないが、ブルパップライフルらしくややリアヘビーなのが気になる。しかし、エルゴノミクスデザインのグリップは握りやすく、スコープとバイポッドと装着してプローンで撃つなら気にならない。弾道は素直で、チューニング次第で集弾性をさらに高めることができるだろう。
スナイパーライフルとしては風変りなスタイルだが、実用性という面ではブルパップライフルのメリットを存分に享受できる。スナイパーライフルが欲しい方にぜひ候補に入れてほしい1挺だ。
[プロフィール]
アームズマガジンの編集ライター。エアガンシューティング歴35年。数多くの国内シューティングマッチ入賞経験に加えて、1999年、2000年に開催されたIDPAナショナルズ参戦、シグアームズアカデミーや元デルタフォース隊員のラリー・ヴィッカーズのタクティカルトレーニングを受講するなど実弾射撃経験も豊富。今まで24年、280冊以上のアームズマガジンと関連MOOKの制作に携わる。
Twitter:@keno_booska