2020/08/05
固定ガスガンとは? 特徴と性能を解説!
ガスブローバックガンや電動ガンが発売される前、トリガーを引くだけでBB弾を連射できる唯一の発射方法だった「固定スライド」のガスガン。では、そのノンブローバックガスガンの仕組みとはどのようになっているのだろうか?
ノンガスブローバックガンの発射プロセス
仕組みとしては至って単純だ。マガジン(もしくはフレーム内やシリンダー内に設けられたガスタンク)に低圧ガス(フロン134a)を液体の状態で注入し、マガジン(ガスタンク)内で気化させたガスを放出することでBB弾を発射する。BB弾の発射までのプロセスはガスブローバックと同じだが、スライドがブローバックしないので、トリガーを引くとハンマーが倒れて、戻すとハンマーが起きるダブルアクション方式を取り入れ、トリガーの前後動に合わせてノズル(もしくはインナーバレル)が可動してBB弾をチャンバーに装填する。
現在のようなマガジン内にフロンガスをチャージする方式を初めて採用したガスガンがM G C のM93R だ(発売は1985年)。初期のモデルはリキッドチャージ式ではなかったが、後にリキッドチャージ式になった
ノンガスブローバックガンの特徴
ノンブローバックガスガンはエアコッキングガンに比べて連射できるメリットがある。またガスブローバックガンに比べてガスの消費量が少なく経済的。またリボルバーがラインアップされており、ガスボルトアクションはエアコッキング式に比べてリアルだ。デメリットは基本的にガスブローバックガンと同じ。銃を逆さにすると気化していないガス(生ガス)が噴き出してしまったり、寒くなるとガスが気化しにくくなってしまう。また、特にオートマチック系はガスブローバックガンに比べて内部構造はリアルではない。さらにブローバックアクションやリコイルショックが体感できない。
マルシンのXカートリッジタイプのガスリボルバーは実銃同様にカートリッジの装填・排莢が楽しめる
固定ガスガンは発射音と作動音が低い。そのためサイレンサーの効果が発揮しやすい
固定ガスガンはデメリットがあるものの、サイレンサーと相性がいいなど注目すべき点がある。ガスブローバックガンやエアコッキングガンでは再現が難しいコンパクトガンも固定ガスガンによって再現されている。月刊アームズマガジン9月号では図解つきでその魅力を説明しているので、そちらも確認していただきたい。ぜひ、固定ガスガンをサイドアームの一つの選択肢として考えてみてはいかがだろうか?
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジン編集部
この記事は月刊アームズマガジン2020年9月号 P.62~63より抜粋・再編集したものです。