世界中のエアガントップシューターが参加したIPSC競技会

 

 世界的なエアガンIPSC競技「Airsoft Surgeon Championship 2020」を密着レポート。今回はその白熱した競技に参加したシューターは、なんと160名以上。世界各地から集まった選手たちのその様子を詳しく紹介していこう。
 

イギリスで行なわれたエアガンシューティングマッチに密着!!はこちら


 

 IPSC競技においては射撃技術だけでなく俊敏さも必要となる。今回の参加者はトップクラスのシューターばかりで、各ステージの攻め方に無駄がない。ほとんどのステージでマグチェンジが必須となり、エアガンのマガジンは重量があり落とすと破損の可能性もあるが、それを気にするシューターはおらず、実銃IPSC同様マガジンを放り捨てて先に進んでいく。

 参加者は皆、作戦をしっかりと組んでおり、全ての動作に淀みがない。男女はもちろん、大人や子供関わらずに適用された厳格なルールの中、彼らは課題に挑戦していた。

 

クラシックディビジョンのチャンピオン・レイの射撃。左右のレーンを移動する際にはアヒルのぬいぐるみを持っていき射撃前に台に置かなければならず、取り忘れて戻りタイムロスするシューターも多かった。こうしたストレス下での射撃はセルフコントロールが難しくなる。プレッシャーに勝ってこそチャンピオンになれるのだ

 

ステージごとに服装を変えて楽しんでいたポルトガルのシューター。同国ではエアガンのピストルの場合、グリップとマズル5cmをグリーンに着色する決まりがあったりするが、金属素材等は規制されてない
 

ロシアから父親と共に参加した13歳のサーシャ君。動きに無駄がなく、かなりの練習を積んだようだ。走りながらのマグチェンジも見事
 

表彰式で各クラスの上位入賞者にはカップが授与される。戦い終わってライバルが友となり家族となる。終始この調子で笑いが絶えない

 

 緊張の中で始まったこの大会だが、3日間のうちに参加者たちは打ち解けていき、閉会式では「ひとつのファミリーになった」とみな口をそろえていた。順位がどうであれ国、世代、性別を超えて「エアガン」を通してひとつになれるのは、すばらしいことだと感じた。来年はバーミンガム、再来年はロシアで開催される予定だ。今後、ぜひともエアガン発祥の地である日本から、こうした大会に参加するシューターが生まれ活躍してほしい、と願わずにはいられなかった。

 

Text & Photos: 櫻井朋成

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年5月号 P.132-139より抜粋・再編集したものです。

 

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