2020/03/20
【実銃】SIG SAUER「M17」実射インプレッション
昨年12月、SIG SAUERからUSアーミーに納入した制式ハンドガンM17のサープラス(軍の放出品)が限定数リリースされるという発表があった。コレクターやガン好きの間では、あらゆる思惑や憶測が飛び交い、なぜこんなに早くサープラスが発生したのかの懸念さえも話し合われている。運良く友人のひとりがこのサープラスM17を手に入れたので、さっそく借り出してレポートさせてもらった。
注目の軍放出品実銃 SIG SAUER「M17」の概要はコチラ
絶好調のM17。今回2人で撃った400発でジャムはゼロだった
今回はオーナーの好意で、「ユーズドなのだから、好きなだけ撃っていいよ」との言葉をいただいた。そこで手元にあるM17のシビリアンバージョンである“P320/M17”と、わざわざ手に入れたマニュアルセーフティ付のP320コンパクト仕様を比較として精度テストも行ない、その撃ち心地をレポートさせてもらうことにした。
今回比較用に撃ち比べたP320シビリアンモデル。上から、P320/M17、P320コンパクト、M17サープラス、P320 X-5
バレルが短いP320コンパクトは昼間なのに銃口からマズルフラッシュが見える
今回のテストはカスタム銃ではないのだから、15ヤード(13.5m)の距離から、ダストカバー部分をバッグにレストした状態でそれぞれのターゲットに10発を撃ち込んだ。一番よかったグルーピングはFederalの147グレインHSTでの結果だった。このポリスのデューティアモとして開発されたロードは+Pといってもよいくらいなので、このM17には最適だったのかもしれない。
P320/M17。かなり気に入っていたのだが、M17を撃ってしまうとやや色褪せて感じてしまう
私も実用銃としてのグロックには敬意を持っており、実際に持ち出す機会も多いのだが、P320のマニュアルセーフティ付プラットフォームを撃てば撃つほど、そのよさを実感するようになってきた。これで信頼できるトリガープルを持つキットともう少し工夫されたセーフティレバーが開発されれば、これは本格的にグロックからの乗り換えを考えてもいい、と思ってしまう今日この頃であった。
【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】
同じモデルとはいえ、細部に違いのある3挺。同時にレポートするとそれぞれの違いが浮き彫りになる。そして、本レポートで評価の高かったM17が放出されたのは、更なるブラッシュアップの為に他ならない。まだまだ進化を続けるP320やM17は、しばらくトレンドセッターとなりそうな存在だ。
TEXT&PHOTO:HIRO SOGA
編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2020年4月号 P.108-115より抜粋・再編集したものです。