2020/03/17
マルシン「ラプターゼロ」製品レビュー
アメリカの伝統的なレバーアクションをタクティカル仕様に近代化
●まさかの新発売ラプター・ゼロ!
ピカティニーレールとMAGPUL M-LOKハンドガードを搭載した近代化カスタムのウインチェスター・モデル1892のガスガンがマルシンから衝撃の登場だ。その名はRAPTOR ZERO!!
ウインチェスター・モデル1892は、今から125年以上前のアメリカで登場したウエスタンのアイコンともいえるライフルだ。ウインチェスターのレバーアクションライフルは、まだ単発ライフルが多かった時代、レバーを往復させることで素早い排莢・装填を可能とし当時最新・最高性能を誇った連発銃だ。とは言え21世紀の今となっては大昔の旧式ライフル。これを最新のタクティカル仕様にカスタムするとは、あまりに斬新すぎる。
オリジナルのウインチェスター・モデル1892カービン(マルシン製ガスガン、写真下)と比較したところ。鉄と木の伝統的なレバーアクション銃が、ラプターゼロでまったく新しい外観に生まれ変わっているのがスゴイ
見本の銃はシルバー仕様でステンレス風メッキ仕上げ。元のM1892のニッケルメッキとは質感が異なる。他に艶消し黒もある
●レバーアクションの近代化カスタム
ラプターゼロは、その実銃が存在しない、いわゆる架空銃だが、モデルになったと思われる実銃が存在する。それはマーリンのレバーアクションの近代化カスタムだ。
レバーアクション銃は、レバーを開いて閉じることで排莢・装填を行なう。ガスガンなので軽快なレバー操作が可能だ
ケースレス仕様なのでカートは排莢しないが、排莢口はレシーバーの真上にある。BB弾の装填は実銃どおりレシーバーの右側から行なう
マーリンはウインチェスターより性能がいいと評判だ。その理由のひとつがカートの排莢方向で、ウインチェスターが真上に飛ばすのに対し(トップエジェクト。現在はモデル1894で横に飛ばすアングルエジェクトの銃もある)、マーリンは右方向へ飛ばすのだ。そのためレシーバーの真上にスコープをマウントしやすい大きなメリットがある。
そのためだろう、この近代化カスタムのベースはマーリンがほとんどだ。調べると、ちょっとした流行なのか、いくつかのメーカーから似たようなマーリンの近代化カスタムが出ている。
20mmレールは好みで前後を逆にすることが可能。排莢口を塞ぐので実銃ではありえないが、これによりレシーバー真上にスコープが搭載可となる
MAGPULのM-LOK規格のアルミ製ハンドガード。内側には放熱板も再現。下側にはスイベルスタッドも追加され、スリングの装着も可
フロントサイトはグリーンの集光アクリル仕様。リアサイトがないので飾りに近いが、レールへの光学サイト搭載が前提なのだろう
ストックの材質は木だが、シンセティックストック風に黒く塗装されている。バットプレートはラバー製
ストックのグリップ部分はセミピストル風に形状を変更している。元のM1892のグリップ形状はストレートだ
ウエスタン専門の筆者には、正直「何じゃコリャ!?」(笑)というのが初見の感想だが、本気の遊び心で作られているに違いない。実際にラプターゼロを手にしていくつかのアクセサリーを装着してみると、なかなか、というか、かなりカッコイイ。これはネタとして最高にオイシイ逸品ではないか。
しかし、この手の拡張アクセサリーについては詳しくない筆者。そこで「月刊アームズマガジン」編集ライターの毛野ブースカに協力を仰いで、装着例を作ってもらった。
アクセサリーの装着例。“ラプターゼロ・スカウトモデファイド”。ノーベルアームズSURE HIT MRS(¥23,800)、マグプルM-LOK AFG(参考品)、マグプルM-LOKレールカバータイプ2(参考品)、シュアファイアM600D(F 参考品)、マグプルM- LOKオフセットライトマウント(参考品)、AN/PEQ-15レプリカ(参考品)を装着した
これは楽しい!! ラプターゼロからは、メーカーの本気の遊び心を感じる。
DATA
- 全長:953mm
- 全高:180mm
- 全幅:47mm
- 重量:3,720g
- 装弾数:24発
- 価格:ブラック¥75,800、シルバー¥84,800
- お問い合わせ先:マルシン
TEXT:トルネード吉田
この記事は月刊アームズマガジン2020年4月号 P.88~89より抜粋・再編集したものです。