2026/01/15
速報!2026年1月13日 FNアメリカ FN 309 MRD 発表

FNアメリカの2026年ニューモデルとして、FN 309 MRDが発表された。9mmのポリマーフレームハンドガンで、同社のFN 509にも近い製品だが、大きな違いがひとつある。このFN 309は思い切った低価格なのだ。だからと言ってスペック的にはほとんど妥協が無いように見える。FNブランドの製品である以上、安物の出来損ないのはずはない。
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Vortex Defender XLはLeupold Delta Point Pro(DPP)とフットプリントの互換性があるので、ダイレクトマウントが可能だ。
Images courtesy of FN America, LLC.
FNアメリカは2026年1月13日、今年の新製品としてFN 309 MRDを発表した。これは全長183mmの9×19mmポリマーフレームハンドガンで、一般的な分類上では“コンパクト”のカテゴリーに属する製品だ。
同社はポリマーフレームハンドガンとして、2017年春に発表したFN 509シリーズを展開してきた。そのバリエーションである509 Midsize MRDは、今回のFN 309とほぼ同じ大きさとなっている。
2023年春には509とは別に、スリムラインとしてFN Reflexシリーズも追加しており、FNアメリカ(ブランドとしてはFN Firearms)のポリマーフレームハンドガンのラインナップはかなり充実している。そんな中、今回FN 309を追加する意味は、どこにあるのだろうか。
FNはこの309を“easy to shoot, easy to use and easy to own.”(撃ちやすく、使いやすく、所有しやすい)製品と位置付けている。
easy to shoot
FN 309はシングルアクションの内蔵ハンマー方式を採用した製品だ。既存の509はプレコック ストライカーなのでここが大きな違いとなっている(FNは509のシステムをダブルアクションと言っているが、実際にはグロックに準ずるシステムであり、純然たるダブルアクションとは違う)。トリガーのキレの良さでいえば、シングルアクションハンマーの方が快適な場合が多い。
FN 309のトリガープルは約5ポンド(2,268g)と公表されている。マニュアルセイフティなしを設定できる309なので(マニュアルセイフティ付きも選択可)、トリガーセイフティを装備しているとはいっても、過度に軽くするわけにはいかない。
FN 309のトリガーがどのくらい快適で“撃ちやすい”かは、実際に撃ってみないとわからないことだ。ちなみにFN Reflexもシングルアクションの内蔵ハンマーとなっている。そちらのトリガープルはスペック上、4.5~5.5ポンドだが、これと比べても309は“撃ちやすい”のだろうか?このあたりは数値上では判らない感覚的な部分であり、さらに個人差もある。
easy to use
“使いやすい”という事に対して、FNは“easy to rack”であることを強調している。すなわち“スライドが引きやすい”ということだ。509と比較して309は25%減の力でスライドが引けるそうだ。9mmオートのスライドラッキングは、それなりの重さがある。困りはしないが(10mmオートクラスになると、本当に重い)これが大幅に軽くなるのは、結構ありがたい話だ。
309のマガジンはポリマーボディで、弾薬の装填は一般的なマガジンと比べて40%減の力で装填できると言っている。40%減は驚くべきことだ。ハイキャパシティマガジンの多くは装填していくと途中からスプリングの圧力がかなり重くなり、専用のツールを使わないとフル装填がかなり難しいものが少なくない。
しかし、どうすればスライドラッキングやマガジンローディングがそんなに軽くなるのだろうか?
FNアメリカのハンドガンでカリフォルニアコンプライアントモデルはFive-seveNとFN 502 MRD(22LR)のみだ。
easy to own
“所有しやすい”は実にシンプルで、ずばり309は“安価”なのだ。509は$754、オプティックレディの509 MRDは$834、ややカテゴリー違いだがスリムラインのReflexは$599、そのMRDになると$659だ。これに対し、309はMRDのみで$549。これはかなりのバーゲン価格だといえる。
この価格で16連マガジンと20連マガジンが付属(装弾数規制のある州では10連が2本付属)する。FNアメリカは、従来FN製ハンドガンを購入の検討対象に入れていなかった多くの消費者を、この低価格で振り向かせる戦略なのだ。
しかし、だからといってFN 309はFN 509の廉価版というわけではない。
3.8インチバレル、重量は約540g、ダストカバーには3スロットのM1913ピカティニーレイルがあり、トリガーセイフティとハンマーブロックセイフティを装備、マニュアルセイフティ付きと無しの選択も可能となっている。分解時に空撃ちは不要だ。オプティックレディ(MRD)のフットプリントはLeupold DeltaPoint Pro、またはShield RMS互換となっている。
FN 309は低価格にも関わらず至れり尽くせりなのだ。唯一、欠けているのは、バックストラップ交換機能だ。しかし、それを必要とする人はごく一部ではないだろうか。
これはまさにFNアメリカが市場に送り込む“Glock 19キラー”だといえる。少なくとも、スペックのみで比較する限り、Glock 19 Gen6に肉薄する完成度だ。ちなみにGlock 19 Gen6のメーカー希望小売価格は$745と設定されている。
過去40年間、Glockに挑んだメーカーは多い。というより、主要なガンメーカーすべてはグロックに挑んだのだ。低価格で勝負に出たメーカーもあった。しかし、同じカテゴリーでGlockを王座から引きずり下ろすことができたメーカーはこれまで1社もない。FNアメリカの新たな挑戦は、どういう結果になるのだろうか。
FN 309 MRDはSHOT SHOW 2026で一般公開され、第一四半期中(1月から3月)には発売される予定だ。
2026年1月20日追記:SHOT SHOW インダストリーディでこのFN 309を実際に撃った秋田さんから「トリガープルが重く、リセットも長い」という報告を貰った。トリガープルの感触は、数値だけでは判定できず、実際に撃ってみて初めて判るものだ。明らかに重く、リセットも長い、ということであれば、“Glock 19 Gen6に肉薄する完成度”と書いたことはちょっと褒め過ぎだったかもしれない。最初にこの製品の情報に接した時、直観的に“今回FNアメリカはけっこう本気だ”と感じたのだが、トリガープルの感触が劣るのであれば、“やっぱりGlock 19 Gen6の方を選ぶのが正解だ”となる。

FN 309 MRD
口径: 9×19mm
全長:188mm (7.4インチ)
全高:137mm(5.4インチ)
全幅:32mm(1.26インチ)
銃身長:3.8インチ(96.5mm) 1:10 R
重量:638g (22.5オンス)
マガジン装弾数: 16/20発
撃発方式:インターナルハンマーファイアード シングルアクションオンリー
トリガープル:~2,268g(5ポンド)
照準線長:160mm (6.3インチ)
サイトシステム:グリーンファイバーオプティックフロントサイト、ホワイトアクセント付きUノッチリアサイト(509互換)
マガジンリリース:リバーシブル(左右入れ替え可能)
セイフティ:トリガーセイフティ、内蔵ハンマーブロックセイフティ、外部マニュアルセイフティ選択可
オプティックスフットプリント:Leupold DeltaPoint Pro、またはShield RMS互換
*バックストラップの交換機能無し。グリップアングルはニュートラルで、グリップ自体も“one size fits all”(誰の手にも合うデザイン)となっている。
*スライドを外す際にトリガーを引く操作は不要
*現時点ではブラックカラーのみ
Text by Satoshi Matsuo
Images courtesy of FN America, LLC.
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