2025/12/08
【New】 第6世代グロック GLOCK Gen6
GLOCK Gen6が遂に発表された。本来であれば米国東部標準時12月8日 午前9時をもって情報開示される予定であったが、機密保持契約の違反があって情報がネットに公開されたため、公式発表は6日に早められた。これを受けてGun Pro WebでもGen6の概要をお届けする。
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グロック米国法人は2025年12月4日に一部の業界関係者らを招いた新製品発表イベントである“What’s Next”を開催し、そこで第六世代(Gen6)のグロックピストル3種を発表した。私も含めたイベント参加者は全員、そこで見聞きした情報を12月8日までは漏らさないという秘密保持契約書に署名させられており、米国東部標準時間の12月8日午前9時に予定されていたグロックによる公式発表後に情報解禁となるはずであった。しかし、その前にGen6に関する情報が漏洩してしまったようだ。
テネシー州の私には、米国中部標準時(東部標準時より1時間遅い)12月06日(土曜)の11:38にグロックのコミュニケーションマネージャーからEメールが届き、Gen6に関する情報が早まってオンラインで共有されたことが確認されたため、私たちの秘密保持契約もこの時点をもって解除されるという知らせがあり、その27分後の12:05にはグロックからGen6の公式発表Eメールが届いた。
それには、件のイベントに招かれた私たちが12月8日に速報を出すための素材として12/5(金曜)の午後にEメールで届いたメディアキットのリンクも含まれていたが、Gen6のプレスリリースの日付は2025年12月8日から12月6日に変更されている。先々月のグロックVシリーズに関する情報を先走って公開してしまった小売業者の件は記憶に新しいが、どこかから情報が洩れてしまえば拡散を防ぐのは難しい。今回、グロックが予定を早めて公式発表せねばならなくなった事情は十分に理解できる。一方で、もう数日余裕があると考えていた私たち報道関係者は、急いで速報をまとめることになった。
この写真ではやや見えづらいが、Gen6ではGen1~3と同じシングルステージのリコイルスプリングアッセンブリーが採用されていることにも留意されたし。
閑話休題、今回発表されたのは、G17 Gen6とG19 Gen6、そしてGen45 Gen6の3種だ。いずれも9mmであることは、昨今の情勢を考慮すれば当然といえる。Gen5とGen6の相違点は少なくないが、ホルスターは共用できるとのこと。外観上の特徴は写真とキャプションを参照していただくとして、ここでは外から見えない変更箇所にも少し触れておこう。
従来型Gen5には、Gen3から採用されたデュアルステージのリコイルスプリングアッセンブリーが備わっていたが、新型Gen6ではGen1とGen2に備わっていたシングルステージのリコイルスプリングアッセンブリーに戻されている。40S&Wがポピュラーとなった時期に採用されたデュアルステージのリコイルスプリングアッセンブリーだが、9mmではオーバーエンジニアリングであったとのこと。Gen6ではシンプルであることが優先されてシングルステージのリコイルスプリングアッセンブリーが採用されたわけだが、これは40S&Wのバリエーションが追加される可能性は低いと判断できる根拠となりそうだ。

▲これはGen6のフラッグシップモデルであるG17 Gen6だ。ダストカバーはG19/G45と同じ長さとなっており、Gen5におけるG47 MOSに近いシルエットとなっている。
グリップ部は保持しやすいよう丸みがつけられた上にパームスウェルが設けられ、滑り止めパターンも改良された。フレーム上部中央付近にはサポートハンドのサムレストが、フレーム後部にはビーバーテイルが設けられている。トリガーガード下部の付根はアンダーカット形状となって更にハイグリップしやすくなり、従来型より若干高くされたスライドストップ周りのリッジによって手がスライドストップに干渉して不本意に作動する可能性も減少した。トリガーは新型のフラットフェイスで、トリガーリーチも短くなっている。
スペックの公称値は全長が8.03インチ(204mm)で全高は5.47インチ(139mm)、銃身長は4.49インチ(114mm)でマガジン装弾数は17発、未装填重量は680gだ。
もうひとつ、外観からは判別できないGen6での変更点として、刷新されたエキストラクター機構が挙げられる。Gen1~5の従来型では、エキストラクターディプレッサープランジャー(EDP)という長いロッド状のパーツがスライド後面から差し込まれ、EDPスプリングによってエキストラクターにテンションをかけていた。非オプティックレディでは何の問題もなかったが、小型ダットサイトを装着する際に用いるスクリューが長過ぎるとEDPに干渉したり、スクリューに過剰な緩み止め剤が塗布された場合にはタップ穴から漏れ落ちてEDPの動きを阻害する可能性があり、実際そういった不具合で信頼性が低下したグロックピストルが持ち込まれた事例は少なくないという。Gen6ではそういった可能性を排除すべくEDPを廃止し、スプリング部を短縮したエキストラクターパッケージに変更された。これにより、Gen6のGen5のスライド分解方法は以前のモデルとは異なっている。

グリップ部にパームスウェルが設けられていることや、改良された滑り止めパターンがモールドされていることなどはG17 Gen6と同様だ。Gen6シリーズのスライド両側面前後に加工されたコッキングセレイションは、下部が浅くて上に行くほど深くなっており、従来型よりも効果的な滑り止めとなっている。
Gen6の出荷予定
今回発表されたGen6の3種が出荷されるのは、来年のSHOT SHOWあたりになる予定とのこと。そのタイミングでは、残念ながらGun Pro Webで紹介することはかなわない。しかし、多くの銃器関連メディアや動画配信サイトなどでリビューされることであろうから、それらをチェックしていただけたらと思う。
お披露目イベントには実射パートがあり、私はストック状態の3種に加え、それぞれのダットサイト付きも10発ずつ試射する機会に恵まれた。いずれも従来型と比較してグリップがとても保持しやすく、サポートハンドのサムレストのおかげで次弾発射までの時間が短縮されたように感じたのは気のせいではないと確信している。Gun Pro Webではリポートできないとしても、評価試験用サンプルを入手してテストしてみたいと感じさせてくれる製品だ。今回は速報ということで駆け足のリポートとなったが、12月4日のイベントの内容やGen6の特徴などをもう少し詳しく解説する記事を作成しようと考えている。
ではまた。May the Lord bless you!!

Text by Terrry Yano
All Images courtesy of GLOCK, Inc.
Gun Pro Web 2026年1月号
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