2025年12月号

2025/10/27

タナカ S&W M27 ザ 357マグナム 3.5インチ ニッケルフィニッシュ

 

2024年に登場し、バリエーションを拡大してきたタナカのM27だが、遂にニッケルフィニッシュが加わる。美しくて力強い鏡面ボディが特徴だ。個性的なテーパードバレルがさらに協調され、より鮮烈な印象を与えてくれる。これぞ“ザ .357マグナム”なのだ。

 

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 S&Wが1935年に発表した“The 357 Magnum”は当時、世界最強のリボルバーだった。しかし、この銃は “Registered Magnum”(レジスタードマグナム)とも呼ばれた受注生産モデルであり、第二次大戦の勃発を受けて1941年に製造が中止されるまでの生産数は、6,642挺に留まっている。
 戦後に生産を再開した時、S&WはCarl.L.Hellstrom(C・L・ヘルストロム)新社長の下、大改革がおこなわれていた。これにより、357マグナムも通常のカタログモデルに刷新され、さらに数回にわたるブラッシュアップにより、その完成度を高めていく。
  1955年に44 Magnumが登場するまで、357 MagnumはS&Wのトップ ザ ラインに相当するモデルであった。バレル長は3.5、5、6、6.5、8-3/8インチが用意され、当然、その仕様もフルスペックだ。

 

▲ニッケルフィニッシュの鏡面仕上げにより、スイングアウトしたシリンダーのカートリッジが本体にキレイに映り込む。


 フロントサイトはS&Wのターゲットフロントサイトからどれでも選択が可能で、リアサイトはマイクロメータークリック タイプが組み合わされている。グリップフレームのフロント及びリアストラップはグルーブ加工が加えられ、本体の仕上げはブライトブルーとニッケルフィニッシュから選択できた。スペック上、圧巻だったのは、バレルリブ周りとフレームトップ部のファインチェッカード加工だ。光の乱反射を抑えてサイトを見やすくするためのチェッカリングがこの部分に施されている。当時の単機能加工機でこれをおこなうのは、大変な手間であったはずだ。後にも先にも、こんな手間の掛かる加工を施した量産モデルは他にはない。

 

▲バレルリブ周りとフレームトップは細かいチェッカリングが加工されている。これはモデル27だけの特徴だ。


 1957年にS&Wが全モデルにナンバーを割り振ったとき、この357マグナムには“27”が与えられ、“Model 27”と呼ばれるようになった。
 その3年後、1960年にエキストラクターロッドの固定ネジ方向が変更され、これが“27-1”となる。翌1961年にはシリンダーストップスクリューが廃止されて3スクリューモデルになった。このモデルが“27-2”で、1982年まで製造供給が続く。その間、何度か改良が加わったが、ナンバーは27-2から変わっていない。
 2024年6月にタナカがモデルガン化したM27はこの27-2だ。そしてこの時代の27-2がもっとも魅力ある“27”だといえる。なぜなら1982年の“27-3”からはカウンターボアード加工が無くなり、省力化、合理化が始まるからだ。

 

▲この3.5インチのテーパードバレルが絶妙な力強さを生み出している。


 タナカのM27は、3.5インチがまず発売され、その後、4インチ、5インチ、6インチモデルと次々とバリエーションを拡大してきた。これまでのモデルはすべてHW樹脂のつや消しブラック仕上げだったが、今回初めてニッケル仕上げが登場する。
 実銃の27-2 3.5インチモデルは1979年に製造が終了したが、それまでの間、ニッケル仕上げは常にブライトブルー仕上げと共に供給されていた。

 樹脂製のモデルガンに金属感たっぷりのニッケルメッキを美しく加工する事は、大変な技術を必要とするはずだが、タナカは見事にそれを実行し、量産化した。
 これまでのブラック艶消しM27とは大きく雰囲気の違うニッケルフィニッシュM27を、ぜひコレクションに加えて頂きたいと思う。その輝きはブラック艶消しのモデルガンとはまったく別の、リアル感がたっぷりと漂う抜群の完成度を持っているからだ。

 

タナカ
S&W M27 “ザ・357マグナム” 3-1/2インチ ニッケルフィニッシュ

全長:223mm
重量:約610g(カートリッジ込)
装弾数:6発
主要材質:ABS樹脂+亜鉛ダイキャスト
仕様:7mmキャップ使用発火式モデルガン
Nフレームスクエアバット
価格:\42,680(税込)
11月中旬発売予定
お問い合わせ先:タナカ

 

Gun Pro Web 2025年12月号

 

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