2019/10/03
令和元年度 富士総合火力演習
近年の周辺情勢を見据えた、令和最初の総火演
陸上自衛隊が誇る各種装備の実弾射撃を、自衛隊員だけでなく一般人も見ることができる「富士総合火力演習」が、今年も静岡県の東富士演習場で開催された。
今回は8月25日(日)の一般公開を取材。新装備の19式装輪155mm自走榴弾砲がお披露目されたほか、後段演習は昨今の周辺情勢を反映した「島嶼部における統合作戦」のシナリオに沿って展開された。
10式戦車の44口径120mm滑腔砲による行進間射撃。最先端の射撃統制装置を備え、このような激しい機動中でも敵移動目標を撃破できる実力を持つ
本演習で注目されたのが、FH70の後継として制式化された19式装輪自走榴弾砲(試作車)だ。この車輌はドイツのMAN HX 8×8戦術トラックをベースに、99式と同様の52口径155mm砲を搭載
今回射撃することはなかったが、より遠距離の目標に対し迅速かつ精確に射撃できるのが特徴だ
90式戦車の44口径120mm滑腔砲が咆哮する。世代が古い分性能面では10式戦車に一歩譲るものの、迫力は負けていない
島嶼への上陸を想定し、水陸両用車(AAV7)から水陸機動団の隊員が展開する
96式装輪装甲車の上部ハッチから、普通科隊員が01式軽対戦車誘導弾を射撃
中距離多目的誘導弾が連続射撃していたのが印象的だった。機動性が高く硬軟さまざまな敵目標に対処できるので、島嶼作戦では重宝されそうだ
降着したUH-60JAから隊員が素早く展開する
目には見えにくいが近年重要度を増している電子戦の要素も演習に盛り込まれた。写真は73式中型トラックをベースとしたNEWS(ネットワーク電子戦システム)の車輌
155mm榴弾砲の曳火射撃で同時弾着させ、空中に富士山のシルエットを描き出す。陸自特科隊員のスキルの高さが垣間見える、恒例のワンシーンだ
会場には戦車や特科、空挺降下のVR体験コーナーが開設され、一般来場者に人気だった
アームズマガジン/ポストホビーも初めて総火演に出店した
TEXT:アームズマガジン編集部
取材協力:防衛省陸上幕僚監部広報室
この記事は月刊アームズマガジン2019年11月号 P.130~131より抜粋・再編集したものです。