装備

2019/09/13

CONCEALED CARRY TECHNIQUE~コンシールドキャリー・テクニック~

 

コンパクトハンドガンを使いこなすためのホルスター&ドロウテクニックとは?

 

コンパクトハンドガンは携帯しやすくするためにサイズをコンパクトにしたのであり、銃を所持しているのがわからないように携帯する(=コンシールドキャリー)ことは、コンパクトハンドガンの本来の使い方であると言える。ここではコンシールドキャリーに適したホルスターやマガジンポーチの種類と装着ポジション(=キャリーオプション)、さらに各ポジションから衣服を着用した状態からのドロウテクニックを解説する。

 

 

IWB(インサイド・ウエスト・バンド)ホルスター&フォーオクロックスポジション

 

IWB(インサイド・ウエスト・バンド)ホルスター&フォーオクロックスポジション

右利き射手の場合、上から見て身体の右斜め後方(4時方向)にホルスターをキャリーするのが「フォーオクロックス(4 o'clocks)」ポジションだ。コンシールドキャリーポジションとしてはもっとも一般的で秘匿性も高い。

 

G-CODE「G26 Phenom Speedホルスター」

使用したホルスターはG-CODE「G26 Phenom Speedホルスター」(¥13,000 問:TAC ELEMENT

 

 

OWB(アウトサイド・ウエスト・バンド)ホルスター&フォーオクロックスポジション

 

OWB(アウトサイド・ウエスト・バンド)ホルスター&フォーオクロックスポジション

OWBホルスターの場合も4時もしくは3時方向にキャリーする。4時にキャリーする場合、前方に向けて10度の角度がついた「FBIカント」のほうがドロウしやすい(3時の場合は角度が垂直なストレートカント)。

 

RCS「G26ファントムホルスターGovernment Contracts Black」

ホルスターはRCS「G26ファントムホルスターGovernment Contracts Black」(¥15,700 問:TAC ELEMENT

 

 

フォーオクロックスポジションからのドロウ [オープンガーメント]

 

フォーオクロックスポジションからのドロウ [オープンガーメント]

衣服の前を開けた「オープンガーメント」状態でフォーオクロックスポジションからのドロウ。まずは銃を握る手で裾を後ろに引きつつ跳ね上げる

 

フォーオクロックスポジションからのドロウ [オープンガーメント]

裾を巻き込まないために銃のグリップが露出するまで跳ね上げ、グリップをしっかり握る。左手(サポートハンド)は胸の前辺りに持ってくる

 

フォーオクロックスポジションからのドロウ [オープンガーメント]

頭や上体を動かさず視線はターゲットを向いたままホルスターから銃を抜く。中途半端な高さで抜くと失敗するので、クリアになるまで銃をしっかり持ち上げる

 

フォーオクロックスポジションからのドロウ [オープンガーメント]

右肩を軸にして右腕を「前へならえ」の要領でまっすぐ伸ばし、左手を銃に添える。この際、銃口が左手をきらないように注意する

 

フォーオクロックスポジションからのドロウ [オープンガーメント]

そのまま両腕を伸ばしてシュート( もしくはトリガーから指を離してレディポジションで待機)。

 

 

IWBホルスター&アペンデックスポジション

 

IWBホルスター&アペンデックスポジション

最近流行しているキャリーポジションが、お腹の前(1時もしくは2時方向)にIWBホルスターを装着する「アペンデックス」ポジションだ。フォーオクロックポジションに比べて素早くドロウできる反面、股間に近いことと体格と銃種によってはコンシールドに適さない場合もある

 

「ブレードテックG26 IWB UltimateKliptホルスター」

使用したホルスターは「ブレードテックG26 IWB Ultimate Kliptホルスター」(¥6,000 問:TAC ELEMENT

 

IWBホルスター&アペンデックスポジション

裾を少し跳ね上げればグリップを握れるのがアペンデックスポジションの特徴。グリップが身体に密着しているので、指を滑り込ませるようにしてグリップを握る

 

IWBホルスター&アペンデックスポジション

ホルスターから銃を抜く。この際、トリガーに絶対に指がかからないようにする。暴発して大事な部分を撃ってしまうことになりかねないからだ

 

IWBホルスター&アペンデックスポジション

アペンデックスポジションは素早くドロウできる一方で、秘匿性・安全性という点ではフォーオクロックスポジションに及ばない

 

 

IWBミニマリストホルスター&メキシカンスタイル

 

IWBミニマリストホルスター&メキシカンスタイル

RCS(レイブン・コンシールメント・システムズ)のVANGURDシリーズ(参考品)はトリガーガードだけをカバーするミニマリストIWBホルスターだ。ベルトループタイプとランヤードタイプがあり、一般的なホルスターに比べて厚みがない分だけ秘匿性は高い。ただしドロウスピードや安全性に関してはやや劣る

 

IWBミニマリストホルスター&メキシカンスタイル

今回はランヤードタイプのVANGURDを装着した銃をパンツの内側に直接突っ込んで保持するメキシカンスタイルからドロウしてみよう

 

IWBミニマリストホルスター&メキシカンスタイル

メキシカンスタイルはホルスターを使わないので銃がより深いポジションでキャリーできる(=ディープコンシールメント)。反面、銃が深いポジションに保持されているので、ホルスターを使うよりもグリップが握りにくくなってしまうのがデメリットだ

 

IWBミニマリストホルスター&メキシカンスタイル

銃を目線の高さに持っていく途中でランヤードに引っ張られてVANGURDが銃から外れ、射撃可能な状態になる

 

 

マガジンポーチの種類とキャリーポジション

 

マガジンポーチの種類とキャリーポジション

ホルスター同様、マガジンポーチもキャリーするポジションによって3タイプある。写真下のOWBタイプ(RCS COPIAシングルマガジンポーチ+パンケーキウイング 参考品)、写真右上がIWBタイプ(G-CODE グロックIWBマグキャリア¥9,500 問TAC ELEMENT)、写真左上がポケットタイプ(Snagmag G26用マガジンキャリア¥7,000 問TAC ELEMENT

 

マガジンポーチの種類とキャリーポジション

OWBタイプを装着したところ。ホルスター同様、3時もしくは4時方向に装着するのが望ましい

 

マガジンポーチの種類とキャリーポジション

IWBタイプを装着したところ。アペンデックスポジションと同じお腹の前あたりに装着すると秘匿性と抜きやすさが両立できる

 

マガジンポーチの種類とキャリーポジション

ポケットタイプはクリップがポケットの外側になるようにしてポケットに差し込む。わかりやすいように前方に差し込んだが、実際には後方に差し込むのが望ましい

 

 

TEXT:毛野ブースカ
撮影協力:VILLAGE2

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2019年10月号 P.80~83より抜粋・再編集したものです。

 

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