2019/09/03
東京マルイ「V10ウルトラコンパクト」【COMPACT HANDGUN PICKUP】
【特集:コンパクトハンドガン・ピックアップ】
手のひらサイズのハンドガンを侮るなかれ! 数あるコンパクトハンドガンの中から、今回ピックアップするのはこの1挺だ!!
TOKYO MARUI
V10 ULTRA COMPACT
10個のガスポートが特徴のコンパクトガバメントのマスターピース
コンパクトハンドガンの中でも異色の存在が、スライド、バレル、フレームをギリギリまで短くしたコンパクトサイズのガバメントだ。口径は.45ACPと護身用としてはパワフルだが、コンパクトなボディーから撃つためリコイルショックやマズルジャンプが大きく、コントロールしにくいのがデメリットだった。そこで登場したのが、スプリングフィールドアーモリーのV10ウルトラコンパクト(以下V10)だ。
1996年に発売され、コルトオフィサーズACPと同サイズのボディーに、左右5個ずつ合計10個のガスポートが開けられた長さ3.5インチのコーンバレルが付属している。このガスポートから弾を発射した際に生じるガスを上部を噴き出すことで、リコイルショックとマズルジャンプを抑えようというものだ。構造は単純だが非常に効果的で、3ホールトリガーやビーバーテールグリップセーフティ、ノバックサイトなどが装備されていることとあいまって人気を博した。
スライド、フレームをカットすることでほぼ手のひらサイズを実現している
左右で合計10個のガスポートが開けられたコーンバレル。インナーバレルは目立ちにくいブラックメッキ仕上げ
リングハンマー、ワンサイドサムセーフティ、ビーバーテールグリップセーフティなどカスタムガン並みのパーツを装備
ノバックとの正式契約により再現されたリアサイト。同社のマイクロプロサイトが搭載可能なマウントベースが標準装備される
東京マルイはこのV10をガスブローバックガンで再現した。スライドとフレームの側面はセミグロスシルバー、スライドトップやリーフカット、フレーム下面などはダークグレーという実銃のツートンフィニッシュを再現。3ホールトリガーやスライドストップ、リングハンマーといったパーツはシルバーメッキ仕上げで、リアルで高級感のある佇まいとなっている。
ブローバックエンジンは同社のデトニクス.45コンバットマスターからの流用ではなく、V10専用のショートストローク化された直径15mmの大口径シリンダーを採用。M45A1 CQBピストルと同様の最新のショートリコイルシステムが導入され、ブローバックアクションの向上に一役買っている。
トリガーはカスタムガバメントの定番である3ホールタイプ
チャンバーカバーには実銃同様の細かな注意書きがレーザー刻印で再現されている
スライド後面右側に露出しているエキストラクターは別パーツで再現されている
コンパクトモデルと聞くとフルサイズモデルに比べて撃ち応えがマイルドな感じがしてしまうが、実射してみると、そんな先入観を見事に打ち砕くほどハイスピードなブローバックとシャープなリコイルショックが体感できる。気化スペースが限られているコンパクトなシングルカアラムマガジンにもかかわらず連射してもダレることなく、安定した作動を見せてくれる。
もちろんデトニクス以外のM1911A1シリーズのマガジンが共用できるので、さらに鋭いシューティングが可能だ。
フルサイズモデルに匹敵するシャープでスピーディーなブローバックアクションはコンパクトハンドガンとは思えない
装弾数22発のメッキマガジン。デトニクス以外のM45A1 CQBピストルなどのマガジンが共用できる
コンパクトハンドガンの常識を超えた完成度を誇る東京マルイのV10ウルトラコンパクト。コンパクトハンドガン好きならぜひ手にしてほしい1挺だ。
DATA
- 全長:180mm
- 全高:129mm
- 全幅:35.5mm
- 重量:703g
- 装弾数:22発
- 価格:未定(近日発売予定)
- お問い合わせ先:東京マルイ
TEXT:毛野ブースカ
PHOTO:須田 壱
MODEL:青宮 鑑
HAIR&MAKE UP:西田聡子
この記事は月刊アームズマガジン2019年10月号 P.72~73より抜粋・再編集したものです。