エアガン

2026/04/09

オールド・モデルガン・アーカイブ:サブマシンガン対決「第2ラウンド シカゴ・タイプ・トンプソン」

 

今回は、モデルガンの黄金時代、真っ向勝負の競作となったサブマシンガンをピックアップしてご紹介しよう。

 

 前回の記事はこちら 

 

 

第2ラウンド

シカゴ・タイプ・トンプソン対決

 

MGC
トンプソンM-1921(1970年)

 

MGC製 トンプソンM-1921

 

ドラムマガジン一気撃ちも可能にした快調ロングセラー!

 

 1960年代は第二次世界大戦を舞台にした戦争映画がたくさん作られ、またTVドラマの『コンバット』(1962〜1967年)も放送されたことから、ミリタリー人気が盛り上がっていた。特に『コンバット』のサンダース軍曹が使うトンプソン・サブマシンガンは、ガンファンの間で人気が高く、MGCでもトンプソンをモデルガン化する話が持ち上がった。
 するとアメリカのMGCモデルガン代理店のコレクターズ・アーモリー社から、シカゴタイプのM1921にして欲しいという要望が入ったという。当時は海外輸出も好調だったことから、その要望が入れられることになった。さらにコレクターズ・アーモリー社の要望で、ドラムマガジンも作られることになった。
 設計を担当した小林太三さんは、MP-40のときと同様、渡米してコレクターズ・アーモリー社の社長のコレクションの実銃トンプソンM1921を取材した。
 最初に発売されたのはカッツコンペンセイターとバーチカルフォアグリップが装着されたシカゴタイプ。ところがサンダース軍曹が使っていたトンプソンは水平のフォアグリップが装着されたミリタリータイプだったことから、それを求める声が多くなり、水平フォアグリップも別売りすることにし、それを装着したミリタリータイプも発売することに。するとミリタリータイプの人気のほうが上回るようになり、1974年頃にはカタログのトンプソンの写真がシカゴタイプからミリタリータイプに入れ替わってしまう。
 リアルな外観はもちろんのこと、快調なブローバックも大人気の理由の1つだった。ドラムマガジンを使えば、フル装弾39発の一気撃ちも可能で、.45口径の大きな反動をたっぷりと堪能できた。1977年の第二次モデルガン法規制も生き残り、最後にはキャップ火薬1発で作動するCP方式に変更され、最後まで快調ブローバック・サブマシンガンとしてMGCのラインアップに君臨した。

 

実銃の50連を参考に製作された39連ドラムマガジン。内部の収弾路を1列に減らすことで収弾数が減ったものの、実銃以上の快調さを見せた

 

細部まで細かく作り込まれ、まるでフルアジャスタブルのように見えるが、実際には起倒だけが可能で、調整できない

 

ボルトコッキング位置の合成。コック位置はやや短く設定されている。また初期型は、実銃にはないレシーバー固定用のねじが上面にあった

 

重くて大きなカートリッジを弾き飛ばすため、エジェクターは変形しやすかったことから、交換が簡単な板状のものをねじ留めする方式にされた

 

 DATA 

主材質:亜鉛合金ダイカスト
撃発機構:オープンボルト、セミ/フル切替式
発火機構:前撃針(のちにカートリッジ内発火)
作動方式:デトネーター方式(のちにCP方式)ブローバック
カートリッジ:オープンタイプ(のちにCP方式)
使用火薬:平玉紙火薬(初期はスタート用紙雷管、のちに7mmキャップ)
全長:830mm
重量:4.3kg
口径:.45
装弾数:20発
発売年:1970年
発売当時価格:17,000円
 (20連ボックスマガジン、カッツコンペンセイター付き〈後に別売〉)
 (カーリッジ別売)
オプション:

 カートリッジ1発50円、トンプソンスリング600円、
 ミリタリーフォアグリップ1,200円、39連ドラムマガジン3,500円、
 カッツコンペンセイター500円、バーチカルフォアグリップ1,500円

 

※販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。

※実銃のMP40をシュマイザーと呼ぶのは間違いとされていますが、ここでの表記は当時のモデルガンの商品名に従ったものです。

 


 

国際産業
トンプソンM1928A(1971〜1972年)

 

国際産業製トンプソンM1928A

 

六研カスタムを量産化したトンプソン!

 

 1971年は最初のモデルガン法規制が施行された年で、10月20日以降はすべての金属製拳銃型モデルガンは銃口を閉鎖し、表面を白または黄色(例外的に金色も可)にしなければならなくなった。かろうじて長物(ながもの)は規制対象外となったため、おのずとメーカー各社は新製品に長物を選ぶようになっていった。
 そんな流れの中で、トンプソンM1928Aも作られた。最初、製造元が国際ガンクラブで、発売元は国際出版の通信販売部とされたが、実際に製造を担っていたのは桜邦産業というところだった。それが、1973年に国際ガンクラブと桜邦産業が合併し、国際産業としてスタートを切ることになる。その時点ですでに製品は何種類かあったが、長物の第1号となったのがトンプソンM1928A だった。
 設計は、中田商店から独立して六研を立ち上げていた六人部登さんに依頼された。六人部さんはMGCとのバッティングを避けるため、自社のカスタムで1970年に発売していたトンプソンM1928をベースに、細部をアップグレードした原型を完成させた。モデル名はオートオードナンス社の市販モデル、カッツコンペンセイターなしのモデル1928Aから取られている。
 ところが、このトンプソンは六研のトンプソンカスタムと同じ製作方法で、仕上げに多くの機械加工を必要とした。それに対して国際産業は新たにスタートを切ったばかりで、機械加工に慣れていなかった。その結果、外注作業が増えるなどして製作に時間と予算がかかってしまったらしい。しかも、新たに自社設計で30連マガジンを作ることになり、それにも苦労した。30発フル装填すると上手く作動せず、装弾数20発として出荷することになったという。
 外観ではとても凝ったものであったものの、ブローバック作動に関しては快調とは言いがたいものだった。そのためMGCトンプソンの陰にかすむような形となり、大きく注目されなかったのは残念だ。

 

国際産業のリアサイトは起倒のほか、左右調整と距離調整も可能。ただ倒した時のノッチだけが切られていなかった

 

エジェクターは、棒状のものをレシーバーに押し込んでプレートで押さえ、それをねじで留めている

 

実銃のピボットプレートを微妙にアレンジしてフレームのピンを留めている

 

ボルトコッキング位置の合成。コック位置は実銃どおりかなり後方寄りで、ストロークが長い

 

 DATA 

主材質:亜鉛合金ダイカスト
撃発機構:オープンボルト、セミ/フル切替式
発火機構:前撃針
作動方式:ブローバック
カートリッジ:オープンタイプ
使用火薬:平玉紙火薬5〜6粒
全長:82cm
重量:4.7kg
口径:.45
装弾数:20発
発売年:1971〜1972年
発売当時価格:

 18,500円(ブラック)、21,500円(クロームメッキ)。
 カートリッジ10発、布スリング付き

 

※smG規格(1977年)以前のモデルは販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。

 


 

※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。

 

 

TEXT&PHOTO:くろがね ゆう

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年5月号に掲載されたものです。

 

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