2026/04/08
オールド・モデルガン・アーカイブ:サブマシンガン対決「第1ラウンド シュマイザーMP40」
今回は、モデルガンの黄金時代、真っ向勝負の競作となったサブマシンガンをピックアップしてご紹介しよう。
第1ラウンド
シュマイザーMP40対決
中田 シュマイザーMP40(1968年)
日本初のサブマシンガン・モデルガン第1号!
中田商店は、当時、横田基地内にあった在日米軍の射撃クラブとコネがあり、射撃クラブの誰かがMP40を所持していたことから、実銃を取材することが可能だったらしい。そこで原型を手がけた六人部登(むとべのぼる)さんが基地まで出向いていって取材し、MP40を設計したとされる。
製作にあたり、中田商店ではモデルガン初のサブマシンガンということもあり、改造防止に万全の対策を盛り込んだ。まず素材はスチールプレスではなく、必要以上の強度がない亜鉛合金で再現することにした。さらに特に強度が必要とされるチャンバーはプラスチック製にした。
ブローバック化を担当したのは、現在ウエスタン アームズ社長の国本圭一(くにもとけいいち)さん。映画やTVで使うプロップガンのノウハウを元に、初めて量産モデルガンでブローバックを実現させたパワーシール・ブローバックを考案した。そして中田商店のMP40ブローバックモデルの製作はすべて国本さんの会社で請け負うことになった。
最初のサブマシンガンで、最初のブローバック、それが中田商店のMP40だった。
DATA
主材質:亜鉛合金ダイカスト、ABS樹脂(グリップ)
撃発機構:オープンボルト、フルオート
発火機構:前撃針
作動方式:手動/ブローバック(パワーシール・ブローバック)
カートリッジ:ソリッドタイプ
使用火薬:平玉紙火薬3粒(ブローバックも同じ)
全長:83cm(縮小時63cm)
重量:4kg
口径:9mm
装弾数:32発
発売年:1968年6月(ブローバックは8月)
発売当時価格:スタンダード9,800円、ブローバック10,800円(各カーリッジ15発付き)
オプション:
サイレンサーA 1,000円、マズルブレーキA 800円、
マズルブレーキB 800円、マズルブレーキC 800円、弾倉900円、
布ケースS 1,200円、布ケースD 1,400円、布弾倉入れ(2本)400円
※販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
※実銃のMP40をシュマイザーと呼ぶのは間違いとされていますが、ここでの表記は当時のモデルガンの商品名に従ったものです。
MGC シュマイザーMP-40(1968年)
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スチールプレスのリアルなサブマシンガン!
MGCも中田商店と同時期にMP40のモデルガン化を進めていた。1つにはアメリカのMGCモデルガン代理店コレクターズ・アーモリー社からの要請があったからで、もう1つはマガジンなど自社のプレス技術の向上のために課題を必要としていたから。当然スチールプレスで製作が進められた。安全対策は、バレル内に超硬合金を鋳込み、ドリルなどで貫通穴を開けられないようにする方法が採られた。
その当時、MGCには映画『007は二度死ぬ』(1967年)や、TVドラマ『ザ・ガードマン 東京警備指令』(1965〜1971年)などで使われた、小林太三(こばやしたぞう)さん手作りのMP-38サブマシンガンがあった。これは東芝のTVコマーシャルでも使われた伝説のプロップだ。MP38だったのは、MP40とほぼ同じ外観をもちながら、レシーバーチューブなど切削加工で作られている部分が多く、手作りするのに向いていたからだという。
そこでMP40のモデルガン化にあたり、設計を手がけた小林さんは手作りのMP-38をベースとしつつ、渡米してコレクターズ・アーモリー社の社長のコレクションにあった実銃のMP40を採寸、撮影するなどして、実寸で正確なMP-40を作り上げた。
ただ、量産モデルガンで初めて採用されたデトネーター方式ブローバックは、スプリングの強さなど発売前の調整が難しかったことから、まず手動式の無発火タイプのMP-40が発売された。ところがブローバックの調整が思ったより早く終わったため、手動式はすぐに打ち切りとなり、ブローバックモデルに切り替えられたという。つまり手動式はとてもレアということになる。
リアルで快調作動、メンテナンスも当時としては簡単だったことから大ヒットとなった。大卒の初任給が25,000円から26,000円だった時代に、13,000円もする高価なモデルガンだったが、飛ぶように売れたという。そしてその後、法規制によってスチールプレス製が禁じられる1977年まで作り続けられ、高い人気を誇った。
DATA
主材質:スチール、亜鉛合金ダイカスト、ABS樹脂(グリップ)
撃発機構:オープンボルト、フルオート
発火機構:前撃針
作動方式:手動(ごく初期のみ)/ブローバック(デトネーター方式ブローバック)
カートリッジ:9mmエキストラロング(9.5mm×27)、オープンタイプ
使用火薬:平玉紙火薬5〜6粒(ごく初期型は無発火、初期型はスタ管1粒)
全長:850mm(ストック伸展時)
重量:3kg
口径:9mm
装弾数:32発
発売年:1968年
発売当時価格:レプリカモデル7,500円、ブローバック13,000円
(カーリッジ別売)
オプション:カートリッジ20発350円、スリング400円
※販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
※このモデルガンの写真はすべてPhoto by Keisuke.K
※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。
TEXT&PHOTO:くろがね ゆう
この記事は月刊アームズマガジン2026年5月号に掲載されたものです。
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