2018/08/21
東京マルイ 次世代電動ガン AK47 TYPE3 製品レビュー 【2018年1月号掲載】
東京マルイ
次世代電動ガン AK47 TYPE3
2018年9月末の第57回全日本模型ホビーショーで突如発表された東京マルイの新製品AK47 TYPE3に、多くの方が驚いたことであろう。新システムが内蔵されたというこのAK47 TYPE3にはどんな特徴、そして魅力があるのだろうか。
リアルな操作感を追及したAK47
東京マルイは期待の新製品、次世代電動ガンAK47 TYPE-3を発売する。従来の次世代電動ガンAK74シリーズとは一線を画する機構をいくつも取り入れたほとんど別バージョンといえる存在でだ。東京マルイがAK47(最初はAK47Sだった)を世界で初めて電動ガン化したのが1994年のことであるから、それから23年の時を経たことになる。
AK47 TYPE3は従来の樹脂からアルミダイキャスト製のレシーバーに変更。AK47の削り出しレシーバーを再現するために、デフリックコート(固体潤滑処理)が施され、重厚な質感を放っている。AK47であればやはり、この削り出しレシーバーの質感は外せない部分だ。またハンドガード、グリップ、そしてストックは木目調仕上げとなっており、とても樹脂製とは思えない。AKMやAK74シリーズよりもちょっと斜めに取り付けられたストックもAK47の大きな特徴のひとつだ。このリアルさはどこから来るのか調べてみると、1993年にまでさかのぼれる。その年の5月に行なわれた第32回静岡ホビーショーで、東京マルイは開発中の新製品としてG3A3 / A4とAK47S / AK47を発表しているが、ここで無可動実銃を展示していた。これを採寸してスタンダード電動ガンのAK47SやAK47を製品化したわけだから、リアルさでは群を抜いていたわけだ。今でもこの無可動実銃が東京マルイにあるかは分からないが、この時の採寸データなどを元にさらにリアルなものに昇華させたということは想像に難くない。
内部に関しては、AK74のものをベースにさらに各部を最適化させ、リコイルショックと実射性能を向上させている。しかしAK47のハイライトはリアルな操作感にこそあるのだ。トリガーを引くと激しいリコイルショックと連動して実銃同様にボルトが前後動する。このボルトの前後動は次世代電動ガンAK74シリーズにはなかった機能である。そして残弾がなくなるとボルトが閉じた状態でオートストップ。フレッシュなマガジンを装填し、さらにボルトを引かなければ発射ができないという、超リアルな操作が必要とされるのだ。東京マルイは次世代電動ガンM4シリーズやSCARシリーズなどでオートストップを実現していたが、同社のAKシリーズとしては初めて。このオートストップの秘密はマガジンにある。
アームズマガジンでもっともAKが似合う男ボスゲリラ
従来のAK74シリーズ、ならびにスタンダード電動ガンのAK47とは別の新規マガジンを採用。残弾がなくなるとマガジン前方に突起が出てきて、それがレシーバー内のスイッチを押し、作動がストップするのだ。何度も試射したが残弾がなくなったあと1発の空撃ちもすることなく、オートストップ機能が確実に作動した。もちろんマガジンのスライドスイッチを操作すれば空撃ちモードにすることもできるので、BB弾を撃たずにリコイルショックだけを楽しむことも可能だ。
マガジンといえば、従来のスタンダード電動ガンAK47用のものが装着できるアダプターが1つ付属する。このアダプターを介することで、通常の強制給弾式マガジンのほか、多弾マガジンも使用可能だ。AK用多弾マガジンといえば、別売のツインドラムマガジンや電動ドラムマガジンを除けば、東京マルイ電動ガン史上最大の装弾数(600発)を誇ることで知られている。激しいリコイルショックを感じながら装弾数いっぱいを連射するなんて、本当に魅力的ではないだろうか。ただアダプターはマガジンではなく銃本体に取り付けるため、一度装着してしまうと次世代電動ガンAK47用のマガジンは装着できない。またオートストップ機能もオミットされてしまうという欠点はある。こればかりは機構上仕方がない部分だろう。なお次世代電動ガンAK74用のマガジンをAK47に装着することはできないので注意が必要だ。
AK47は今まで不遇な銃だった。それは国内外で製品化されるAKファミリーのトイガンのほぼすべてが、プレスレシーバーのAKMやAK74系がほとんどであったからだ。東京マルイが次世代電動ガンとしてリアルなAK47を製品化したというのは、AK好きには本当に喜ばしいことではないかと思う。リアルさ、実射性能、撃ち応え、すべてにおいてパーフェクトなAK47の決定版がここに誕生したのだ。
ストックとグリップは従来のスタンダード電動ガンAK47のものよりもリアルさを増すため仕上げを見直している
アウターバレルやガスブロック、スリングスイベルは金属製。クリーニングロッドも別パーツでリアルに再現している
フロントサイト基部はAK74系とはまったく異なる、AK47独自のものを再現。フロントサイトポストは別パーツだ
ガスチューブは星型に絞った形状だ。ガス抜き用のポートもしっかりと再現している
ハンドガードも木の質感を上手く再現した樹脂製のものが付属。ここにバッテリーが収納されるため、スリットは塞がっている
アッパーハンドガードとガスチューブは、実銃同様にハンドガードラッチを跳ね上げることで外せる。内部にはミニSバッテリーが収納可能
リアサイトは実銃同様に800mまで対応できるタンジェントが搭載されている。エレベーション調整ボタンは左側のみ押し込める
タンジェントサイトをもっとも上げた状態。ホップアップの付いたエアガンではあまり効果を感じることはないが、リアル派の方には嬉しい仕様だ
マガジンキャッチはレバー式だが動きは非常にカッチリしている。AKはマガジン装填が難しいイメージがあるが、AK47 TYPE3は簡単かつ確実にカチッとはまる
コッキングレバーを1番後まで引っ張った状態。引くのには多少力が必要になる。中にはホップ調整用ダイヤルがあり、撃ちながらでも微調整可能
レシーバーやトップカバーにはこだわりの刻印が入れられ、雰囲気を高めてくれる
トップカバーはAK74などと異なりリブのないシンプルなデザインだ。もちろん金属製となっている
ボルトカバーは金属製でシルバー仕上げ。コッキングレバーまで一体なので強度は抜群だ。このボルトカバーは発射のたびに前後に激しく動く
フィールドインプレッション by 毛野ブースカ
※実射シーンとインプレッションはこちらの動画をご覧ください。
本体中央付近にメカボックス/リコイルウエイトやバッテリーなどのマスが集中しているためか前後バランスがよく、AK47が持つ取り回しやすさが実感できる。
各部のセッティングが見直されたことで、歯切れよい作動感とキレのあるリコイルショックが体感できるようになった。撃っていて気持ちいい
ダミーボルトはBB弾の発射に合わせて激しく前後動する。見た目にも作動感が楽しめるのが次世代電動ガンAKシリーズの特徴だ
次世代電動ガンAK47の最大の特徴であるオートストップ機構。AKマニアなら誰しもがやってみたいリロードアクションが楽しめる
20m先にあるターゲットにセミオートで10発撃ったところ。次世代電動ガンらしくストレートな弾道を描いてBB弾はターゲットにヒットする。この距離ではほぼピンポイントで狙うことができる
次に同じく20m先のターゲットにフルオートで一気に全弾撃ち込んでみた。リコイルシックで激しくブレるが、ターゲットを外すことはなかった。かなり濃い弾幕を張ることができる
最後に30m先にあるターゲットにセミオートで10発撃ってみた。M16系に比べるとラフなサイトなので、あまり精密射撃向きではないが、この距離でも外すことはなかった
TEXT:毛野ブースカ
撮影協力:ユニオンベース
ボスゲリラのちょこっとインプレッション
今回、AKシリーズをこよなく愛するボスゲリラにインプレしてもらった
「次世代電動ガンになってリアルになったし、剛性もバッチリだね」
「リコイルショックはガシガシくるし、ダミーボルトも動くしイイね! BB弾の飛びもいいし、東京マルイらしく当たるね~」
「このAK47は買いだぜ!」すっかりお気に入りのボスゲリラは買う気満々。
DATA
- 全長:875mm
- 全高:255mm
- 全幅:66mm
- 重量: 3,155g
- 装弾数:90発
- 平均値:94.4m/s(0.89J)※G&Gアーマメント0.2gバイオ弾使用
- 集弾性: 75mm(20m)
- 価格:¥49,800(税別)
- お問い合わせ先:東京マルイ
初速(m/s) | |
1発目 |
94.8 |
2発目 |
94.6 |
3発目 | 94.3 |
4発目 | 94.6 |
5発目 |
94.3 |
6発目 | 94.4 |
7発目 | 94.0 |
8発目 | 94.5 |
9発目 | 94.3 |
10発目 |
94.5 |