2026/02/08
オールド・モデルガン・アーカイブ:基準を作った金属リボルバー6選【前編】
基準を作った金属リボルバー6選
モデルガンの歴史の中で、それ以降の流れを変えてしまうような画期的な製品が発売されることがある。するとその製品は新たな基準(スタンダード)となる。今回はそんな新たなスタンダードとなったモデルを、過去の金属製リボルバーの中から6機種選んでみた。
中田 エンフィールドNo.2 Mk.I(1968年)
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中折れ式リボルバーのスタンダード!
実銃の世界では、中折れ式リボルバーがたくさん作られた時期もあったようだが、かつてのモデルガンの世界では、中折れ式リボルバーはあまり人気がなかった。
しかし中田商店は第二次世界大戦時の各国の軍用銃をモデルガン化することを目標に掲げていたことから、人気モデルではないイギリス軍の軍用拳銃、エンフィールドリボルバーも作らなければならなかった。
原型製作を手がけたのは、六人部 登(むとべのぼる)さん。ほぼ実銃に準じたメカニズムで、中折れにすると勢いよくカートリッジが排莢された。発売されると、そのメカニズムが面白いと人気になり、バリエーションのウェブリーも作られることになった。
当然、これ以降に発売される中折れ式リボルバーはこれと同等か超えるものでなければならなくなった。しかし1977年の第二次モデルガン法規制で規制対象となり、姿を消すことになってしまった。
次の中折れ式リボルバーが現れるのはプラスチックモデルガンが主流となってから。それまでは唯一無二の存在。記憶に残るモデルガンだった。
DATA
主材質:亜鉛合金ダイカスト、ABS樹脂(グリップ)
撃発機構:シングル&ダブルアクションハンマー
発火機構:シリンダー内前撃針
カートリッジ:ソリッドタイプ
使用火薬:平玉紙火薬1〜3粒
全長:267mm
重量:780g
口径:.38ブリティッシュ
装弾数:6発
発売年:1968年
発売当時価格:3,800円(カートリッジ6発付き)
※販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
※このモデルガンの写真はすべてPHOTO BY Keisuke.K
マルゴー デテクティブ(1968年)
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コルトのダブルアクションスタンダード!
コルト・ディテクティブのモデルガンは、最初にMGCから1967年に発売された(MGCの当時の表記はディティクテヴ)。実銃同様の操作と作動が楽しめることから人気となっていたものの、メカニズムは実銃と大幅に違うモデルガン独自のものだった。実銃のコルトのダブルアクション機構は、かなりタイトな製造公差でないとスムーズに作動しないとされ、当時の量産モデルガンの精度ではそのまま再現できなかった。
一方、マルゴーでも同じ頃ディテクティブ(マルゴーの表記はデテクティブ)のモデルガン化が進められていた。原型製作を手掛けたのは六人部 登さん。できるだけ実銃と同じメカニズムを再現するため、モデルガンではなくても差し支えない安全機構のセーフティを省略し、ハンマーノーズがレストポジションでカートリッジに当たらないようにするリバウンド機構も省略した。コアな部分だけを残したのだが、それでもシリンダーの回転を止めるボルトの作動タイミングや、シリンダーを回転させるハンドのタイミングや回転量の調整は難しく、原型でどうにか達成できても量産品で実現するのはさらに困難で、発売は大幅に遅れた。それでMGCに先を越されることになってしまったわけだ。
結局、シリンダーの回転量不足の傾向は完全には解決しなかったため、ダブルアクションでもシングルアクションでも、勢いを付けて素早く操作するというのが当時のモデルガンの常識となった。
しかし、ほぼ実銃のメカニズムに準じた作りというのは多くのファンに高く評価された。その後MGCが発売したコルト・パイソンでもほぼ同様のメカニズムが採用されている。続く他社も同様だった。マルゴーのデテクティブがコルト・ダブルアクションのスタンダードとなったのだった。
DATA
主材質:亜鉛合金
撃発機構:シングル&ダブルアクションハンマー
発火機構:シリンダー内前撃針
カートリッジ:ソリッドタイプ
使用火薬:平玉紙火薬
全長:17.5cm
重量:520g
口径:.38スペシャル
装弾数:6発
発売年:1968年
発売当時価格:3,500円(カートリッジ6発付き)
※4インチ銃身のポリス・ポジティブもあり 3,500円
※smG仕様以前のモデルは販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。
※拳銃型の金属製モデルガンは、1971年の第一次モデルガン法規制(改正銃刀法)以降に販売されためっきモデルであっても、経年変化等によって金色が取れると銀色と判断されて規制の対象となることがあります。その場合は黄色や白色、または金色の塗料を塗るなどの処置が必要です。
TEXT&PHOTO:くろがね ゆう
この記事は月刊アームズマガジン2026年3月号に掲載されたものです。
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