2025/03/15
陸海空ねこの自衛隊日記 第5回「自衛隊の学校長の感動と爆笑のロングインタビュー!?」【02】
自衛隊をネコの目線から取材!
ある日、とある防衛施設に3匹の猫が迷い込み、そこで面倒をみてもらうことになりました。それぞれ「りくお」「うみすけ」「そらた」と名付けられた猫たち。お守り役の陸上自衛官「陸辺 周彌」海上自衛官「海瀬 旭傳」航空自衛官「空本 祐宇」を振り回しながら、お気に入りの装備品や手拭いを身に付け、今日も元気に施設を駆け回る日々を過ごしています。
そんなお気に入りのそれぞれのアイテムを身に着けた「じえねこ」が、今回アームズマガジンの「ねこライター」に就任!
ねこライター目線での自衛隊に関するレポートをお楽しみください!
りくお
66式鉄帽がお気に入りの少し丸めなねこライター。真面目な性格。陸上自衛隊を担当
うみすけ
水兵帽(猫サイズ)がお気に入りのもふもふなねこライター。マイペースな性格。海上自衛隊を担当
そらた
鷲の目型航空眼鏡(猫サイズ)がお気に入りの長身細身なねこライター。考えるより先に手が出る。航空自衛隊を担当
アームズマガジン読者の皆様、こんにちは! じえねこの「りくお」「うみすけ」「そらた」と言います! これからぼくたちが「ねこライター」として自衛隊について、ねこ目線でお伝えしていきますのでよろしくおねがいします!
第5回 Part2
防大を記念受験!?
自衛隊に入ろうと思ったきっかけを教えてください。
語れるほど長くできないのですが、一言で言うと「たまたま」なんですよ。
なんですとぉ!?
たまたま!?
過去に取材した横田東京地本本部長も同じことをおっしゃっていましたが、そういう方が多い気がします(笑)。
いやーそうですよね。僕らの世代は大学受験生が史上最高と言われたぐらい多かった時代で、大学を受験するにあたって選択肢というのがあると思うのですけど、私は関西の国公立を第1志望にしていて勉強していました。
たまたま、教室の黒板の下に防大の受験案内が山積みになっていたのですよ。
東京の私立大を第一志望にしていた私の友達がそれを見つけて、面白そうだから受けてみようという話になりました。
でも彼も行く気はないのですよ(笑)。
面白そうと思って受験ですかぁ!?(笑)
第一志望は他にあるから当然合格したとしても行く気はないのですよね(笑)。
行きたい学校があるならそうですよねぇ(笑)
行く気はないのですけど面白そうだから記念受験のような感じで受験をしました。1次試験を二人とも合格して、2次試験が面接試験でした。彼は行く気がないのですけど、面接官から「合格したら来ますか?」と言われて「絶対に行きます」と言ったらしいのですよ、後から聞いた話だと。
私は馬鹿正直なので、来ますかと聞かれて「第一志望が落ちたら考えさせていただきます」と言ったのですよ。
それでふたを開けてみると、彼は落ちて私は受かったという(笑)。
ドラマのような展開ですね!(笑)
わかんないものですよね(笑)。
そして防大に行くことになったということは第一志望には落ちたということなのですけど(笑)。
私は第一志望に落ちて、彼は第一志望に受かっていました。
第一志望の受験結果は逆になったのですね・・・
逆になりましたね(笑)
実は、そこで選択肢として地元の公立大学には受かっていたのですけど、どっちに行くかとなったときにどうしても家が出たい、このまま自宅から通学となると自分がだめになってしまうのではないかという気がしていました。
だったら家を飛び出して衣食住の面倒を見てくれる防大ってとても魅力的だなと思いましたので防大に行くことになりました。
そういえば、ご出身はどちらですか。
歌の「S・A・G・A、SAGA!」で有名な佐賀県です(笑)
オーあの有名な!!
関西の駐屯地で駐在されていたことが多いから関西出身なのかと思っていました!
防大に入ることから自衛隊に関わることとなったと思いますが、入隊前と後で自衛隊に対する印象は変わりましたか。
実はですね、入隊前の印象がないのですよ。正直に申し上げると、そもそも自衛隊に触れたことがないですし、駐屯地など行ったことがないです。
地元は佐賀県の鳥栖なので、近くに目達原駐屯地(※7)があります。
そこは航空の部隊がいるのですが、凄く高いところを飛んでいるのを見るぐらいしか存在をいらない状態なので、印象というものがそもそもなくて防大を選んだのも衣食住の面倒を見てくれるからということで、そこでお小遣いももらえて勉強もさせてもらえるなんて最高!という感覚でしかないので、ホントに入ってからですね。
免疫が無かったから、そこにギャップが無かったですね。
知らないからこそ全く違和感がなかったのですね。
そうですね、すんなり入りましたね。入った後に「あーこれが・・・まぁそういうものなんだぁ」って感じでしたから(笑)
ポジティブな考え方が凄い!(笑)
結構厳しかったと思うのですが、そのあたりはどうでしたか
そうですね、厳しいし時間にタイトな要求をされますけど、まぁそういうものだなぁと。
まぁそういうものだなぁ、なのかぁ(ポジティブだぁ)。
「まぁまぁそうだろうね、自衛隊らしいし」という感じでしたね。
そういう気持ちで入ったからこそ、あ―こういうものだよねと考えられたのですかね
そうですね、吸収力は高かったのではないかと思います(笑)。
自分のイメージとギャップがあって、そこに苛まれるという同期もいたのですけど、それがそもそもないので、「何をそこで悩むのかな」という感じでした。
ある意味で、そういうのは良かったのかなとは思っています。
自衛隊に入って良かったことを教えてください。
これは本当に何というのですかね・・・(自衛隊に)入っていない自分を想像できないぐらい良かったと思っています。
妄想として九州の大学に行っていたらどうなっただろうかということは感じることはありますが、今となってしてみればこの道に進んで本当に良かったなと思います。
本当に自分を成長させてもらえました。いろいろな人にも出会えましたし、そういう人たちの助けもあってですね、今自分がいることを実感させてもらえています。
奥さんとも結婚できましたし、子供をしっかり儲けることができてですね、本当にありがたい組織だなという風に思っています。
自衛隊に入って大変だったこと、苦労したことはありますでしょうか。
これはですね、学生にも聞かれるのですよ。
学生さんは、先生の事は知りたいものですからね。
「今までの経験で大変だったことは何ですか」と聞かれますが、質問されて初めて考えるのですが・・・
いまがいちばんたいへんです!
(大爆笑)
わかりやすい!
納得です!
今です!今が大変です(笑)
今が一番大変ですかぁ!
はい、振り返ると体力的にも精神的にもしんどかった時期はあると思いますが、常に大変ですね。常に今が大変ですし一生懸命ですね(笑)。
常にその時の業務に全力で向かっているからこそ大変なのですね。
はい、大変ですね。あの時より楽だな、っていうのがほとんどないのですよ。今が大変ですね。
あの頃は大変だったなぁ、じゃなくて今が大変なのですね!
今が大変です、ずっと大変です(笑)。
と言いつつも楽しみながらやっています、楽しいですし(笑)
いま感じている大変なことって具体的にはどういうことがありますか。
情勢も混沌としていますし、そうした中で自衛隊ってほんとに運用できる組織になっていかないといけない。今ももちろんできるのですけど、より効果的に効率的になっていかないといけない中で弊害がたくさんあると個人的には感じていますが、若い隊員が困っているのは良くないですよね。連隊長時代にもたくさん経験しましたけども、この話はエピソードを交えても良いですか?(笑)
もちろんです、ぜひ!!
辞めたいという子がいたのですね。
「じゃあ、大隊長に言って1回話をしようやぁ」
って、連れておいでって言ったのですよ。
連隊長室でお茶を出して飲みながら「やめたいのか」と聞いたら「やめたいです」というのですよ。その子は整備大隊の整備員だったのですけど、「何がいやなんや?」と聞いたら「全部が嫌なのです」というのですよ。
「全部か」
「はい。わたしそもそも機械を弄るとか車とか好きじゃないのです」
おー・・・
整備員ですよ、整備員として3、4年やっているのですよ。好きじゃないのですというのですよ。
「ああそうか、整備員なのに好きじゃないのか」と。
でもその子の手を見たら機械油で真っ黒なのですよ。
それ見たらちょっと何も言えなくなりますよね。
そんな嫌いだって言っているのにそんなになるまで仕事をしてくれているのだなっていうのを身につまされて思いましたね。
そんな子に辞めたいと言わせちゃあだめですよね。
管理者として責任を感じますよね。幹部自衛官として、そういう風なことが陸上自衛隊で起こっちゃだめだし、起こしちゃだめだし、起こっているならばなんとかやっていかないといけないなという風な気持ちですね。
質問なんでしたっけ?
(大爆笑)
いいお話がふっとんだぁ!
ぼくの感動を返せぇ!
いまご苦労されていることは何ですかという質問でしたが、素晴らしいお話が聞けたのでOKです(笑)
若い隊員さん達が働きやすい環境を作るというご苦労をされていることは伝わりました!
そうですね、充実して勤務をしてほしいです。
ココに行きたいっていう要望を全員が叶えるのは難しいですよねぇ。
そうですね、それは難しいですね。
お話の頑張っている隊員さんも嫌だって思いながらも手を真っ黒にして働いてくれているのですね。
私はここで30年以上勤務していますので、懐の深さを僕らの視点から言うとものすごく懐の深い組織ですし、受け入れてくれる良い組織だと思います。
だけど、やっぱり現場で勤務していると今やっていることがすべてに見えてしまうのは仕方ないことだと思います。
むしろそうじゃないとダメな部分もあるからですね。
だからそこを一生懸命にやるというのは、必要なことなのですけど、見渡した時に「ああ、こういう選択肢もあるのだ、こういう道もあるのだ」というようにそれぞれが思える環境がないとダメなんじゃないかなと思います。
そういう意味でうちの学校は人事だったり法務だったりいろいろありますので、そういう選択肢はまだまだあるのだよっていうようには伝えていきたいですよね。
よく募集対象者の子でもですね、「え、自衛隊って会計ってあるのですか」って言われますしね(笑)。
自衛隊の業種がわからない、職種がこんなにもたくさんあるのを知らない方が多いですよね。
一般の方は体力勝負で匍匐前進をして泥まみれになるだけじゃなく後方支援の職種もあるということを知ってもらって、自衛官になりたいという方が増えてもらえたらと思います。
そこはそう思います。うちの学校は実は防衛省事務官(※8)の教育も行います。
陸採用された事務官はすべてここで教育を受けるので、事務官の母校でもあります。
その子たちも今やっている仕事がすべてだと思うことが無いようにしてあげていこうとは思います。
これから先まだまだ楽しいこともしんどいこともあると思いますけども、今やっていることが全部じゃないですし。
防大に入学されましたが、その際に関わられた地本やお世話になった広報官さんはいらっしゃいますか。
実はですね・・・ないのですよ(笑)
これはなんか申し訳なさもあるのですが、担任の先生と広報官は私の知らないところでやり取りがあったと思うのですが、1次試験が合格した時に1回電話がかかってきて「2次試験を受けてください」「受けますよ」というやり取りをしました。
2次試験を受験して合格通知が着て「ぜひ行ってください」と言われた時に、第1志望をまだ受けてもいなかったので、「第1志望がダメだったら考えさせていただきます」とバカ正直なのでまた同じように言いましたが、母親にすごく怒られました。
「おまえはバカ正直がすぎる」と怒られましたね(笑)。
結局、防大に行こうと決めて着隊しますという書類を提出しましたけど、その時も直接やり取りが無かったです。
先生を通した感じですか。
先生を通しているのと郵送で書類を出すという手続きをやっていたので。
なので、地本・・・担当広報官がどなただったのかというのは、名前さえも覚えていないという。申し訳ない話ですけど、手のかからない子だったなということですね(笑)。
地本の事務所に行って面接の説明を聞きに行かなかったのですか。
全くないですね。
最近は地本事務所では説明をしてくれますよね。
そうですね、「こんなことを聞かれるのじゃないの」という説明を広報官がしてくれるので、受験する際には地本事務所に顔を出す方が良いですね。
広報官と一緒に頑張って入るパターンもあれば、個人で頑張って入るパターンもあるということですね。
どんな形で着隊しても頑張ることには変わりないね!
…次回へ続く
注釈
※7 目達原駐屯地は、佐賀県に唯一所在する陸上自衛隊の駐屯地である。
※8 防衛省の事務官は主に総務・人事・会計・厚生・補給などの一般事務を、技官は施設整備・建築設計・システム維持などの専門的知識・技術を要する仕事を担当。ちなみに事務官と技官は、自衛官のような戦闘訓練をすることはない。
ねこライター情報
陸上自衛隊 小平駐屯地
陸上自衛隊 小平駐屯地は、旧陸軍経理学校跡地に創設された自衛隊の警務や会計及び人事等実務全般にわたる幅広い教育を行う小平学校と、語学教育等を担任する情報学校第2教育部が主に所在し「実学の府」として全国の自衛隊員を対象に教育が行われている。小平駐屯地の駐屯地司令は、陸上自衛隊小平学校長が兼務されている。小平駐屯地では、駐屯地開放が行われて内部を見学できる機会もあるので公式Xからの情報を確認してみよう!
TEXT:じえねこ
TEXTサポート:Ghost(Ghost in the Dark)
イラスト:御山堂
協力: 陸上自衛隊 小平駐屯地
HP:https://www.mod.go.jp/gsdf/kodaira/index2.htm
公式X:https://x.com/jgsdf_kodairapr
住所:〒187-0044 東京都小平市喜平町2丁目3−1
TEL:042-322-0661
※当サイトで掲示している情報、文章、及び画像等の著作権は、当社及び権利を持つ情報提供者に帰属します。無断転載・複製などは著作権法違反(複製権、公衆送信権の侵害)に当たり、法令により罰せられることがございますので、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。