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2025/01/15

書籍『刃物の街・関から世界へ ナイフ作家・松田菊男』書評 なぜ世界随一のナイフ作家になれたのか

 

ナイフ作家・松田菊男

 

 日本のほぼ真ん中に位置し、豊かな山々と清らかな川に育まれ、文化や産業が息づく関市。『刃物のまち』と呼ばれる関市は、「世界三大刃物産地」の一つである。そんな関で生まれ育ち、ナイフ作家として世界から認められる人物がいる。

 

 KIKU KNIVES(キクナイフ)創業者、松田菊男である。

 


 彼の自伝ともいえる書籍『刃物の街・関から世界へ ナイフ作家・松田菊男』が2024年12月5日から発売された。

 

“自分の作品で勝負がしたい”


 町で一番の研ぎ職人からナイフ作家として自らブランドを立ち上げ、現在も活躍する松田菊男。その激動の半世紀。

 

 本書はそんな松田の「これまで」を紐解き、彼のメソッドへ迫っていく。

 

KIKU KNIVES(キクナイフ)の工房風景。松田の実家の敷地から始まり、岐阜市内に設けた工房を経て、2018(平成30)年に関に戻ってきた形となる。「故郷で仕事したかったんや」と松田は笑う 写真:加藤晋平

 

2007(平成19)年にブレードショー・アワードの年間最優秀コラボレーション賞を受賞した「SOG KIKU by SOG Specialty Knives and Kikuo Matsuda」 のスペシャルモデル。
●美澤 潔コレクションより 写真:玉井久義(ホビージャパン)

 

 研ぎ職人である父から技術を学び、時には米国のメーカーの仕事を手がけながら腕を磨いていく中で「自分の名前でナイフを作りたい」とナイフ作家として歩み出した。その道は多くの人に支えられ、現在では松田を筆頭にその息子と孫をはじめ、家族たちが仕事に携わっている。

 

 父の代から続く、関の刃物産業の根幹を支え続けてきたという自負。そしてナイフ作家であり経営者として、次の世代に「ものづくり」の伝統を引き継いでもらいたい、という強い願い。

 

KIKU KNIVES(キクナイフ)で。松田菊男、息子の昌之、孫の聖也がブレードの削りを行う 写真:加藤晋平

 

 引き継がれていくのは技術だけではない、

「うちのナイフを手にすることで皆が喜んでくれる。そうしたら俺は嬉しくなって、またもっとええのをつくりたくなる。その繰り返しよ」と本書で松田は語っている。

 

 ナイフだけに留まらず「ものづくり」の根底ともいえるこの言葉は、多くの人と関わってきた彼を体現している。

 

「喜んでもらえるものを、つくる」

 

 ナイフ作家として「ものづくり」に関わる松田菊男。彼の人柄の良さやナイフに対する情熱が随所から伝わってくる一冊だ。

 


 

書籍『刃物の街・関から世界へ ナイフ作家・松田菊男』

 

 

定価: 2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN978-4-7986-3655-9
A5判 170ページ
服部夏生・著 ホビージャパン・発行

 

*ナイフはルールを守って安全に使用しましょう。

 

TEXT:アームズマガジンウェブ編集部

 

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