2025/01/02
モデルガンと振り返るリボルバーが主役だった時代 「アクション」 02/03
モデルガンと振り返るリボルバーが主役だった時代

若い人にはわからないかもしれない話。かつてスクリーンやTVのヒーローはみなリボルバーを持っていて、いつの間にかショルダーホルスターから抜いて、狙いを付けていた。リロードしなくても無尽蔵に弾を撃ち、スナブノーズでも遠く離れた敵を100発100中で仕留めた。サイレンサーを装着すれば撃発音は消え、強大な敵も一撃で倒した。リボルバーは無敵だった。
アクション
ウエスタンとともに人気のあったジャンルの1つがハードボイルド系だ。ギャングや探偵、刑事などが主人公のアクション映画。
定番の銃といえば、S&Wのチーフスペシャルやミリタリー&ポリス、コルトのディテクティブやオフィシャルポリスといったところ。ギャングや探偵、刑事はスナブノーズで、制服警官が4インチだった。


そのころ国産モデルガンのリボルバー第1号が発売される。チーフスペシャル・スイングアウトだ。MGCが1963年に発売した。
このチーフスペシャルは、ファンにとっては衝撃的なモデルだった。マテル改のSAAしかないような時代に、シリンダーをスイングアウトさせ、カーリッジの装填排莢ができて、しかもシングルアクションとダブルアクションによる撃発と、分解組立も楽しむことができた。

当然大ヒットとなり、コピー品までが現れた。それほどの大人気。多くの人が本格的なモダンリボルバーのモデルガンに酔いしれた。


その後もMGCはS&Wセンチニアル(1965年)、コルト・ディティクティブ(1967年)、S&Wコンバット・マグナム(1968年)、コルト・パイソン(1969年)と、続々とモデルガン化していく。他メーカーはミリタリー系が多く、マルゴーがコルト・ディテクティブ(1967年)を、国際産業がS&Wミリタリー&ポリス(1969年)を作ったくらい。
映画では、ガンファンの間で語り草になっているハードボイルド映画『殺人者たち』(1964年)で、主演のリー・マーヴィンがサイレンサー(サウンドサプレッサー)を装着したリボルバー(S&Wモデル27らしい)を使う。後になってリボルバーでは効果がないと指摘されるようになったものの、当時、これをおかしいと思った人は少なかった。カッコいいし、説得力もあったのでOK。これもまた時代だ。


このリー・マーヴィンという人は、わりと銃にこだわる人なのか、『特攻大作戦』(1967年)という戦争映画ではM3グリースガンを大々的に使ったし、『殺しの分け前/ポイント・ブランク』(1967年)ではイーストウッドより早く.44マグナムのモデル29(4インチ)を使っている。
スティーヴ・マックィーンが主演した『ブリット』(1968年)では、白いハーネスのアップサイドダウン・ショルダーホルスターがめちゃくちゃカッコ良く、それにコルト・ダイヤモンドバック(パイソンだと思った人が多かった)の2.5インチを入れていた。ダイヤモンドバックはCMCが1970年にモデルガン化している。


TEXT&PHOTO:くろがね ゆう
この記事は月刊アームズマガジン2024年10月号に掲載されたものです。
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