2024/04/28
ヘッケラー&コック 新旧銃器電動ガン対決 ~サブマシンガン編~
S&T UMP9 G3電動ガン
vs
東京マルイ 次世代電動ガン MP5A4
誕生から60年近く経った今なお現役のMP5シリーズ。その後継機種としてG36アサルトライフルと同時代に開発されたのがUMP(ユニバーサル・マシン・ピストル)である。フォルムや操作方法など似ているものの発射方式や使用素材など大きく異なる。
ここでは固定ストック仕様のMP5A4と9mm×19弾仕様のUMP9の比較を通して両銃の特徴を探っていく。
S&T
UMP9 G3電動ガン
DATA
- 全長:450mm/685mm(ストック展開時)
- 重量:2,630g
- 装弾数:100発
- 価格:¥27,500
- お問い合わせ先:UFC wholesale@ufc-web.com
アメリカ市場向けに.45ACP仕様だったUMP45の9mm×19弾バージョンがUMP9である。UMP45とは口径以外にマガジンが異なる。S&TはUMP45に加えてUMP9も電動ガンで再現。レシーバーの素材はナイロンファイバー樹脂を使用。ハンドガードにはアクセサリーレールが装備されており、フォールディングストックは実銃同様に折り畳み可能。ダミーカートが配されたマガジンの装弾数は100発。最新のG3電子トリガーシステムが搭載されている。
東京マルイ
次世代電動ガン MP5A4
DATA
- 全長:680mm
- 重量:2,790g
- 装弾数:72発
- 価格:¥71,280
- お問い合わせ先:東京マルイ
MP5の固定ストック仕様を次世代電動ガンで再現したこのモデル。ストックは新規設計されており実銃から採寸し一体成型で再現。素材はハンドガードと同様の強化ナイロン樹脂を使用。実銃の表面に見られるザラっとした質感はシボで再現されている。A5のバッテリーコンパートメントはハンドガード内だったが、A4は固定ストック内に設けられており、シリーズ初の後方配線式が導入されている。その他の特徴はA5から継承されている。
■オーバービュー
全体のフォルムは似ているが、発射方式はUMPはシンプルブローバック方式、MP5はローラーディレイド方式。レシーバーはUMPは強化樹脂製、MP5はスチールプレス製となっている。
■マズル周り
UMPはラグは備わっていないものの、どちらも専用のサイレンサーに対応している。MP5は特徴的なトライラグタイプ。ちなみにS&TのUMP9のマズルは14mm逆ネジ仕様となっている。
■フロントサイト
フロントサイトはH&Kの伝統といえるラウンドタイプのガード付き。写真右のMP5はフロントサイトブレードが交換できるが、写真左のUMPは交換できないもののフロントサイトそのものが外せる。
■ハンドガード
UMPはG36と同様にピカティニースペックのアクセサリーレールが左右下に装着できる。MP5はレールなどが備わっていないワイドフォアアームタイプ。誕生当時はかなり先進的だった。
■マウントベース/リアサイト
UMPはハンドガードのアクセサリーレールに加えてスコープマウントベースも標準装備となっている。リアサイトはMP5はドラム式だがUMPはM16のようなL字型ブレードを採用している。
■コッキングハンドル
ボディ左側に設けられているコッキングハンドルはどちらも引いた(ボルトがホールドオープンした)状態でロックすることが可能。操作性の共通化が図られている。
■レシーバー
レシーバーの素材はMP5は同時代のG3と同じスチールプレス製、UMPはG36と同じ強化樹脂製。UMPにはレシーバー左側にM16のようなボルトキャッチが備わっている。
■トリガーグループ/ロアレシーバー
トリガーグループの素材はどちらも強化樹脂製。UMPはトリガーガードがかなり広いのがわかる。また、グリップの形状はアメリカ市場を意識してM16タイプとなっている。
■エジェクションポート
UMPはMP5に比べてエジェクションポートが広げられている。UMPのエジェクションポート前方にあるフック状のパーツは折り畳んだストックを固定するためのもの。
■マガジンキャッチ
写真右のMP5はボタン式とセンターレバー式の併用だが、写真左のUMPはセンターレバー式のみとなっている。UMPはマガジンウェルが広げられてマガジンが装填しやすくなっている。
■セレクターレバー
両銃の違いがはっきり出ているセレクターレバー。写真右のMP5はセーフからフルに切り替えるのに操作角度が大きいのに対して、写真左のUMPは操作角度が小さいため素早く切り替えられる。
■ストック
UMPのフォールディングストックはA4の固定ストックに形状が似ており、固定ストック同様の構えやすさを備えながら折り畳むことができる。バットプレートとチークパッドはラバー製。
■マガジン
マガジンもレシーバーの素材と同様、UMPが残弾確認孔が追加された強化樹脂製、MP5がスチールプレス製。UMP9はMP5のような湾曲型、UMP45はストレート型。実銃の装弾数はどちらも30発。
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TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2024年5月号に掲載されたものです。
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