エアガン

2024/04/21

トイガンをカスタムしたい人のためのQ&A ~ライフル編~

 

  1991年に電動ガン第1号機であるFA-MASが発売され、当初はあまり注目されなかったものの、実射性能の高さと使いやすさ、手頃さから徐々に人気が出始めた。そしてM16A1、MP5A5といった人気機種の登場と、可変ホップアップシステムの搭載によって電動ガンブームが起こり、BV式ガスガンは完全に衰退した。電動ガンの登場と相前後して、ハンドガンはスライド固定式ガスガンからガスブローバックガンが主流となり、時代はライフル=電動ガン、ハンドガン=ガスブローバックガンへと移行した。銃本体の性能向上に伴い、外装系カスタムパーツが人気が出始め、さらに1990年代後半にM4 A1カービンとレールシステムの登場によりドレスアップやユーザビリティの向上を目的としたカスタムがトレンドになっていく。内部カスタムも耐久性向上や効率化、命中精度の向上、ハイサイクルカスタムの登場などBV式時代とは違った方向性が見られるようになった。

 

 

 2000年代に入り、ガバメントやベレッタM92FS、M16やMP5といった定番機種だけではなく、今までならフルスクラッチするしかなかったマイナーな機種も市販されるようになり、エアガンとユーザーの嗜好の多様化が始まりつつあった。そんな中、2度にわたるモデルガン規制以来の大事件が発生する。ある事件をきっかけにエアガンの威力に対して威力上限が法律によって定められたのだ。改正銃刀法が施行された当初は業界に暗い影を落としていたが、この改正銃刀法が呼び水となり、サバイバルゲーム人気が高まり、やがて市民権を獲得していく。一方、パワーに頼らない命中精度と飛距離の向上の追求はエアガン全体の性能向上をもたらし、台湾を中心とした海外メーカーの台頭、カスタムにおいてはドレスアップへの人気が高まり、さらに多様化していく。そして2020年代に入り、国内外メーカーからエアガンやカスタムパーツがたくさん発売され、ユーザーの嗜好は多様化というより細分化してきている。

 分解すると元に戻せなくなるかもしれない。ぶっちゃけいえばカスタムしなくてもいい、カスタムする必要がないのだ。でも、自分だけの1挺が欲しいと思う気持ちはいつの時代も変わりない。そんな思いを持つ方が読んでカスタムに挑戦してくれれば幸いだ。

 

Q. ベースガンはM4カービンがお薦めですか?

 

A. 分解・組立のしやすさ、カスタムパーツの流通量の多さ、ノウハウの蓄積などを考えると、M4カービン系はカスタムしやすいと思います。自分が好きな銃をカスタムするのが理想ですが、カスタムパーツの流通量が少ないと入手は困難ですし、パーツの自作や他からの流用という手段はあるものの、自由度は狭くなります。カスタムのノウハウの多さは、分解・組立のしやすさに直結します。逆にノウハウが少ない銃は自分で分解・組立方法を模索しなければならず、その場合ある程度の経験や知識が必要となります。

 

M4カービン系は現在発売されているエアガンの中で銃本体、カスタムパーツともにもっとも販売されておりカスタムしやすい。M4カービン系のスタンダード電動ガンタイプは各社ほぼ同じ分解・組立方法を採用しており、数ある電動ガンの中でも作業しやすい

 

Q. 短い銃と長い銃、どちらにカスタムしたほうがいいですか?

 

A. 一般的に短い銃は取り回しに優れ、長い銃は精密なサイティングが可能とされています。インターフェイス面で考えると、サポートハンドに力を掛けやすい長い銃のほうが優れているといえるでしょう。また、長い銃の拡張性もポイントのひとつです。短い銃は目的がある程度限定されるともいえますが、そのストイックさが魅力です。

 

 

 

Q. スコープとドットサイト、どちらがサバゲ向きですか?

 

A. サバゲでの交戦距離(おおむね50m以内)の場合、ドットサイト、あるいは低倍率のスコープ(1~2倍くらい)がオススメです。また、ドットサイトとマグニファイア(ドットサイトの後方に装着することで、若干望遠になる)を併用する方法もあります。高倍率のスコープは遠くまで見えますが視界が狭くなり、索敵しにくいデメリットがあります。

 

一般的なズームスコープ。レンズ中央に照準のためのレティクル(十字)が見える。高倍率の場合遠くの敵は見やすいが、その分視野は狭くなる

 

ドットサイト。レンズ中央に浮かぶ赤い光点を照準に利用するため、素早くサイティングできる

 

Q. 飛距離を伸ばすには初速をアップするしか方法はないのですか?

 

A. かつてのエアガンはパワー(初速)を上げることで飛距離を伸ばしていました。しかし、BB弾に上向きの回転をかけることで飛距離を伸ばす「ホップアップシステム」が開発されてからは、初速を上げなくても飛距離を伸ばせるようになりました。また、改正銃刀法施行以降はパワーの上限が設定されたことで、ホップアップシステムの特性を生かしてパワーを抑えつつ飛距離を伸ばす方法(流速チューン、フラットホップなど)が飛躍的に進化しました。いずれにせよ、飛距離はホップのかけ方だけではなく、バレルの長さや精度、BB弾の重量や精度、銃本体の剛性など、様々な要因が関係してきます。単純に初速を上げることより、はるかにセッティングが難しいともいえるでしょう。

 

 

TEXT:毛野ブースカ

 

 

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