エアガン

2018/08/21

タナカ SIG P220 IC 陸上自衛隊ブローバックガスガン 製品レビュー 【2018年5月号掲載】

タナカ

SIG P220 IC 陸上自衛隊ブローバックガスガン

 

※実射シーンとインプレッションはこちらの動画をご覧ください。

 

ハイスペックな実射性能を実現したインテグレーテッド・シャーシ・システム(IC)を採用

 

自衛隊マニア必携のアイテムであるタナカのSIG P220陸上自衛隊ブローバックガスガンが「SIG P220 IC」という名を得て生まれ変わった。タナカのSIG P220陸上自衛隊は1997年に発売開始され、マグナブローバックメカを搭載し、自衛隊制式採用の9mm拳銃を唯一トイガン化したモデルとして人気を博した。その後Rタイプマガジンの採用やVer.2モデルの登場、発火式モデルガンも発売されたタナカを代表するトイガンである。タナカは近年、ペガサス式ガスリボルバーのリニューアルを敢行しており、発売から20年以上経つP220陸上自衛隊についても、リニューアルが期待されていた。

 

 

そんな中で登場したP220 ICは、従来型を超える実射性能を得るために、タナカはすべての金型をリメイク。最大のポイントは、銃の名称にあるIC(Integrated Chassis system /インテグレーテッド・シャーシ・システム)と呼ばれるフレーム先端まで一体化された金属製シャーシを採用したことだ。これにより、ブローバック時のフリクションロスが低減され、ブローバックスピードの向上を実現した。ブローバックエンジンは従来同様、マグナブローバックメカを搭載。可変ホップアップはホールドオープン状態で工具を使わずに調整が可能。マガジンの装弾数は12発から20発に大幅に増加。給弾しやすいようにマガジン前部のスリットに給弾口が追加された。各部のディテールで特に変更されたのが刻印類。フレーム右側の製造年月日が「1986.11」(従来型は1983.11)になり書体も変更され、スライド右側とフレーム右側に刻まれたシリアルナンバーも「08782」(従来型は699112)となった。また、スライドとフレームの素材による色の違いも再現されている。

 

 

実射してみると、私をはじめとした従来型を撃ったことがあるスタッフ全員が驚きを隠せなないほど、シングルカアラムマガジンながらスピーディーでキレのあるブローバックアクションと、ビシッとくるリコイルショックを発揮。さらにロングレンジでの命中精度も大幅にアップ。従来型とは一線を画す高い完成度を有している。リアルさに加えてハイレベルな実射性能も併せ持つタナカのSIG P220 IC陸上自衛隊。価格、発売日は未定だが、自衛隊マニアなら絶対手に入れたい1挺だ。

 

ディティール

 

ライフリングが再現されたマズルと面取りされたスライド前面。左側の「P」の刻印の位置が従来型よりも前に移された

 

従来型ではフロントサイトの付け根にテーパー状の段差があったが、P220 ICではなくなってフラットになった

 

9mm拳銃を象徴するスライド左側の刻印。「NMB」は製造元であるミネベアミツミ(Nippon Miniature Bearing)の略称である

 

従来型から変わったのがスライド&フレーム右側の刻印。製造年月は「1986.11」になり、シリアルナンバーは「08782」に変更された

 

シグP220シリーズの特徴であるバレルがエジェクションポートに噛み合うティルトバレル式のショートリコイルシステム

 

バレルのチャンバーカバー右側には「P」の刻印が刻まれている

 

スライドをホールドオープンさせたところ。エジェクションポート周辺の複雑なカットが見事に再現されている

 

スライドはP220はプレス製だったが、9mm拳銃では切削加工製へと変更。スライド
後部のピンは実銃ではファイアリングピンを固定するためのもの

 

トリガー前面のアール部分にはピッチの細かいセレーションが施されている。タナカはそれをしっかり再現している

 

アール部分のセレーションだけではなく、現在のP220シリーズとは異なる裏面の形状もリアルに再現されている

 

P220シリーズの特徴であるフレーム左側グリップ上部に集中したデコッキングレバーとスライドストップ。もちろん実銃同様にハンマーをデコック可能

 

スパーハンマーをコックすると、スライド後面にはファイアリングピンがイメージしたモールドが伺える

 

現在のP220シリーズと同じシンプルなデザインのリアサイト。フロントサイトはホワイトドット、リアサイトはホワイトラインのコンビネーション

 

マガジンキャッチはフレーム下部にあるヨーロピアンタイプ。その左側には9mm拳銃特有のランヤードリングが追加されている

 

チェッカリング入りのグリップはシングルカアラムマガジンながらやや太めなのはP220が.45ACP弾を前提にデザインされたため

 

 

装弾数が20発へ大幅に増加されたマガジン。マガジン前部のスリットには給弾口が追加されて装填しやすくなった

 

メカニズム

 

 

実銃同様にスライドをホールドオープンさせた状態でテイクダウンレバーを下方に90度回すとフレームからスライドが分離できる

 

アウターバレル、インナーバレルともに従来型とは共用できない。チャンバー左側に突起が追加され、その突起がショートリコイル時にアウターバレル左側の切り欠き部分に収まることで、アウターバレルがポジティブにティルト(下降)できるようになっている

 

完全新規に設計されたチャンバー部分と可変ホップアップ。ホップアップはチャンバー後部のダイヤルを回して調整する

 

従来型同様、ブローバックエンジンにはマグナブローバックメカがチョイスされている

 

今回のP220 ICの名称になっている金属製シャーシ。スライドとのフリクションロスを徹底的に低減することで、作動性を向上させることに成功した

 

金属製シャーシ前部を見たところ。よりスムーズに作動させるために段差を設けるなど、細部に渡って工夫が施されている

 

シアやノッカーなどのメカニズムが集中しているフレーム後部。従来型に比べて作動性・耐久性が向上している

 

実射インプレッション

 

従来型がまったくの別物と感じるほどブローバックフィーリングは劇的に向上した。リコイルショックも手首にビシッときて気持ちいい

 

 

スタンディングポジション(立射)で直径15cmのプレート(赤色のターゲット)を10mと20mから10発ずつ撃ってみた。10m先ではもちろん全弾ヒット。20m先でも80%以上の確率でヒットできた。弾道はストレートでサバイバルゲームでも充分使える。ホップ調整もしやすいので実用性も申し分ない

 

DATA

 

  • 全長:208mm
  • 全高:141mm
  • 全幅:36mm
  • 重量:740g
  • 装弾数:20発
  • 平均値……67.3m/s(0.45J)
  • 集弾性:68mm(8m)
  • 価格:¥24,800(税別)
  • お問い合わせ先:タナカ

 

 

初速(m/s)
1発目

67.4

2発目

67.4
3発目 67.6
4発目 67.6

5発目

67.5
6発目 67.4
7発目 67.4
8発目 67.1
9発目 67.1
10発目 67.0

 

TEXT:毛野ブースカ
MODEL:かざり
撮影協力:東京サバゲパーク

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