2023/09/30
ダブルアクションシステムを組み込んだカスタムガバメントを再現「エラン シーキャンプコマンダー」
実銃のメカニズムを忠実に再現
ミリタリーモデルからコマーシャルモデル、プロップモデルまで幅広くガバメントのモデルガンをラインアップしているエランからシーキャンプコマンダー(以下シーキャンプ)が発売される。実銃のシーキャンプ(Seecamp)はL.W.シーキャンプが開発したダブルアクションシステムを組み込んだカスタムガバメントで、1970年代半ばから1980年代前半までの間にオーダーによって1挺ずつ、ほぼワンオフで作られ、ライセンス品も含めて2,000挺ほど製作されたという。
日本で初めてシーキャンプが紹介されたのは「月刊Gun」1978年4月号だった。シーキャンプは今まで複数のメーカーからトイガン化されているものの、シーキャンプの肝であるダブルアクションシステムを忠実に再現し、かつ正確に作動するものはなかった。エランは約12年前に実銃のシーキャンプをアメリカで購入したことからモデルガン化への企画がスタート。試作を重ねてついに実銃に忠実なダブルアクションシステムを持つシーキャンプのモデルガンが誕生した。
実銃のメカニズムを忠実に再現した初の量産シーキャンプコマンダー
エランが再現したシーキャンプはコンバットコマンダーをベースにしたモデル。シーキャンプの特徴であるフレーム右側に追加されたダブルアクションシステムやトリガーは実銃を徹底的にリサーチ。素材と製法を吟味することで、実銃とまったく同じパーツ形状・寸法を持ちつつ完璧なシングル・ダブルアクションを実現している。
外観はノーマルのスタイルを生かしつつ、シーキャンプのイメージが強いラウンドタイプのトリガーガードを忠実に再現。スライド両側面のコルト刻印に加えてフレーム右側にはシーキャンプ純正を表す「LWS」のマークが施されている。
実際に作動させてみると、トリガーストロークは短いながらもトリガープルは重くなくスムーズに引ける。初弾発射後(もしくは初弾をチャンバーに送り込んだ後、ハンマーをダウンしない状態)はシングルアクションとなり、ハンマーのレッドオフをノーマルのトリガー/シアを使って行なうシステムのため、通常のガバメントとは違ったシングルアクションのフィーリングはシーキャンプならでは。ダブルアクション時はトリガーを引き切ると同時に(ハンマーにシアがかからずに)ハンマーがダウンする。フレームやスライドにタングステン高比重樹脂を使うことで実銃に匹敵する重量感を再現し、DUOカートリッジによる完璧なブローバックアクションが体感できる。
エランのモデルガンに対するフィロソフィーが体現されているといっても過言ではないシーキャンプ。ガバメントマニアならずとも手に入れて損はない1挺だ。
エラン
シーキャンプコマンダー
DATA
- 全長:200mm
- 全高:140mm
- 全幅:32mm
- 重量:960g
- 装弾数:7発
- 価格:¥319,000(限定30挺)
- お問い合わせ先:エラン
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2023年11月号に掲載されたものです。
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