エアガン

2023/05/18

ギアのノイズが大きい? 原因を解決する電動ガンメンテナンス【Armsカスタムガレージ】

 

 ここでは、電動ガンのメンテナンス方法の一例をご紹介していこう。お題は、昨年の年末に編集部スタッフが購入したCYMA製M16A4。メンテナンスしようと考えたのは、先日サバイバルゲームで使用してみたところ、ややギアノイズが大きいような印象を受けたからだ。集弾性や射程距離といった性能は問題がなく、音の問題だけが気になったので、電動ガンの核となるメカボックスを開け、シム調整とモーターの交換を行ない様子を見てみることにした。

 

※トイガンを分解すると、メーカー保証や修理を受けられなくなります。分解する場合は自己責任の下に行なってください。

 


 

ベースガン

 

 

CYMA

M16A4 M5RAS

フルメタル電動ガン

  • 全長:1,000mm
  • 重量:2,640g
  • 装弾数:300発
  • 価格:¥38,500

 

 

分解・メカボックスの取り出し

 

CYMA製M16A4はスタンダードM4系と同じような構造となっている。分解も簡単なモデルであり整備性に優れている。まずはピンポンチでアッパーレシーバーピンを叩く

 

ピンにはストッパーが付いており完全には抜けないのでスライドさせるだけでよい

 

アッパーレシーバーピンがレシーバー右側面に出きったら、アッパーレシーバーを銃口側にスライドさせて取り外す。この時、ダストカバーが開いているとロアレシーバーと干渉することがあるので、ダストカバーは閉めておこう

 

お次はストックを取り外す。ストックエンド部に大きなマイナスネジの頭が2本見えているので上のマイナスネジだけを緩める

 

ネジが外れたらストックをゆっくりと動かし、バッテリー配線のタミヤコネクターを外す

 

ストックを外すとかなりコンパクトな状態になった。残るはモーター関係とロアレシーバーの脱着だけだ

 

モーターとグリップを取り外していく。まずはグリップエンド部のプラスネジを2本外し、グリップエンドプレートを外す

 

グリップ内部にはモーターとモーター用の配線が入っているので、配線の取り回しを覚えておくために写真を撮っておくとよい

 

モーター端子から配線のピンを抜き、モーターを取り出す。モーター本体は固定されておらず指で引っ張り出せるが、ギアの位置によっては出てきにくいこともある。そういった場合はモーター本体を左右に揺らしてみると外れやすくなる

 

長いプラスドライバーでグリップ内部のプラスネジ2本を取り外す。ネジはロアレシーバーとグリップを結合しており、対角上に配置されている

 

グリップ内部のプラスネジ2本を外すとグリップがフリーな状態になるので、慎重にモーター配線をグリップから抜き出す。これでモーターとグリップの分解は完了だ

 

レシーバーからトリガーピンを抜く。トリガーピンには抜け防止加工が施されており、一方からしか抜けない作りになっているのでよく観察しよう

 

今回のM16A4では左側面にギザギザの抜け防止加工があったので、反対側の右側面からピンポンチで打って外した

 

マガジンキャッチボタンにはトルクスネジが使われており、トルクスドライバーでこれを外す

 

マガジンキャッチは写真のような構造となっており、トルクスネジを外すとすべての構成パーツが抜き取れるようになる。スプリングの紛失には注意

 

ボルトカバーを閉じる機能が備わっているボルトキャッチレバーはメカボックスと干渉しており取り外す必要がある。固定ピンを銃口側から細いピンポンチで押し出してやると抜き取れる

 

メカボックス右側面の銀色パーツを優しく押し込みながら、ボルトキャッチレバーを引き抜く

 

ロアレシーバーピンをピンポンチで叩いてスライドさせる。アッパーレシーバーピンと同じく、完全に抜けることはないので注意。セレクターはセーフティとセミオートの中間あたりに動かしておくとメカボックスを取り出しやすい

 

ストック側のメカボックスとロアレシーバーの間には樹脂製のスペーサーが挟まっているので、これを前方へスライドさせる。セレクターをセーフティとセミオートの中間あたりに動かしておき、メカボックスを少し持ち上げてから銃口側へ引き抜くようなイメージで取り外す

 

Ver.2タイプメカボックスだ。取り外したメカボックスの外側には小さなスプリングが付いている。なくさないようにメカボックスの取り扱いは慎重に行なうほうがよい

 

メカボックスの分解

 

メカボックスの右側面にはボルトキャッチを閉じるための部品が付いている。バネが飛ばないように金属部分を軽く押さえ、プラスネジ(赤丸部分)​​​​​を取り外す

 

メカボックスを開ける前に逆転防止ラッチを解除してメインスプリングの力を弱めておく

 

写真は撮影の都合上逆転防止ラッチが起き上がっている。実際はもう少し下のほうにあるので針金を動かして探ってみてほしい

 

ストックを固定していた長いネジが噛み合う穴に長めの六角レンチなどを入れておく。こうすることでメカボックスを開ける際にスプリングが飛び出してくることを予防できる

 

メカボックス右側面のプラスネジをすべて外す。ネジは合計10本、ギア周りの部分には長いネジが使われている。ネジを挿す位置を間違えないように写真を撮っておくとよい

 

メカボックスを開くときのコツは焦らないことだ。差し込んだ六角レンチを押さえながら、シリンダーを押し込み、少しずつ開けていく。固い場合はマイナスドライバーで合わせ目を慎重にこじる。ただし力尽くでは駄目、優しくやろう

 

メカボックスを開いたら最初にメインスプリングを引き抜き、ノズルとシリンダー周りを分解する。タペットプレートがスプリングで固定されているので小さなマイナスドライバーなどで取り外す

 

シリンダー周りが取れたら、逆転防止ラッチや各種ギアとトリガーを引き抜く。逆転防止ラッチとトリガーには小さなスプリングが付いているので飛ばさないように注意。スイッチ周りはプラスネジ1本とスプリングを解除すると外すことができる。セーフティレバーもついでに外す

 

メカボックス左側面のセレクタープレートには小さなスプリングがあるので、爪楊枝など先が細いもので取る。プレートは前方に押し込むと外れ

 

 以上でメカボックスの取り出しと分解が完了だ。次回はいよいよノイズの原因を解決するべくメカボックス内の調整を行なっていく。

 

続きはこちら

 

TEXT:津軽太郎

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年5月号に掲載されたものです。

 

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