2018/12/31
第3回 ARMOR祭【2019年2月号掲載】
旅立つ英雄を見送る仲間たちの祭典
アームズマガジンライターでもお馴染みのモエガミ氏を中心としたARMOR祭運営委員会が主催する「ARMOR祭」。とても個性的な参加者のスタイリングを中心に、イベントの様子を紹介しよう!
ARMOR祭とは、SF(サイエンスフィクション)の世界観を共有する仲間たちが全国から集まるビッグイベントだ。モエガミ氏とJack氏の2人が発起人となり、第1回では140人、第2回は200人、第3回を迎えた今回は250人もの参加者が集まった。開会式で、これまでARMOR祭に参加していた盟友の死去が伝えられた。彼は「誰かのヒーローでいたい」という信念を持ち、ARMOR祭だけでなくヒーロー姿で街の清掃なども行なっていたのだ。盟友の旅立ちに黙とうを捧げた後、開会宣言に対して仲間たちの大きな歓声が響く。
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- 日時:11月24日(土)
- 場所:Operation Freedom
- 主催:ARMOR祭運営委員会
SFアーマー勢が希少と言われるのが信じられない! ここまで個性的なスタイリングの集合はここでしか見ることができない
古今東西のSFアーマー好きの祭典。開始を告げる太鼓の音が会場に響き渡る
アーマーに陣羽織を羽織るモエガミ氏。完成度の高さは言うまでもない
ARMOR祭には基本的にはドレスコードはない。名前から推測されるSFアーマーに限定しないのには理由がある。希少種を自称するソルジャー(アーマー系の参加者)を定例会で見かけるなど奇跡に等しい。だからこそ、その奇跡の瞬間を多くの方に見てほしいためにドレスコードを設けていないのだという。安全にサバゲを楽しめるよう、節度ある行動が可能なサバゲ経験者(経験者の同伴があれば未経験者も可)であればどういうスタイルでも参加OKというのだ。
第1回~第3回まで参加した者のみが持つ、ARMOR祭記念パッチ。ひと目で違いが分かるこのパッチに羨望の視線が注がれた
フィールドにはサバゲゾーン、撮影ゾーン、コロッセオゾーンの3つのエリアが設置されたが、参加者が大勢のためどこも常に満員状態だった。サバゲゾーンではエアガン以外に、「許諾を得たNERF銃」、「許諾を得た弾弓」、「モスカート使用銃」、「バズーカ」、「迫撃砲」、「クレイモア」、「グレネード」、「戦車」といった自由度の高い武器が使用できた上、さまざまな趣向を凝らしたルールでサバゲが行なわれた。
自走する車輌やロボットも登場する。特別ルールによって、駆動部に見立てた3つの風船を破壊されると機能が停止する。ARMOR祭らしいルールだが、戦局を左右する大型機動兵器の重要度を体感できるルールだ
コロッセオはスポンジ剣を使って戦う。剣が相手に触れたら勝利だ。まさに大人のチャンバラ
多くが重装備や動きに制約のありそうなスタイルでサバゲに参加しているのだが、誰も彼もそれを感じさせないアクティブな動きをしている
フィールド内に用意された撮影可能ゾーンだけでなく、セーフティでも撮影が行なわれていた。同じジャンルの参加者同士がグループを作って集合写真を撮るなど交流していた。遠方に住んでいると、なかなか同じジャンルが集まる機会は少ない。同好の士が集まるこの日のために作品を作ってきた参加者たちは、情報を交換し、次回への創作意欲を高めていた。
お昼の撮影タイムにはベストスタイリストを決めるコンテストが開催され、多くの参加者が自慢のスタイリングを披露した
タペストリーの前で撮影すると、まるで自分が商品のパッケージになったかのように撮れるエリアも用意されていた
早朝から夕方まで会場を熱気が包み、最高の盛り上がりを見せたARMOR祭。運営のJack氏は、参加者だけではなく参加できなかった方が拡散してくれることがARMOR祭を支えていると感謝の言葉を述べた。ARMORという無機質な外観に反して人間関係が生み出す温かい交流が会場にはあった。閉会式では第4回開催も示唆された。
自由なスタイリングで参加でき、サバゲだけでは終わらないビッグイベントに興味を持ってもらえたなら、ぜひ参加してほしい。ここにはヒーローがたくさんいる。あなたもその1人になれるはずだ。ARMOR祭の関連情報はモエガミ氏の連載やtwitterで確認してほしい。
ARMOR祭の代名詞ともいえるSFのスタイリングをした参加者たち。友情を確かめ合うかのように手を重ねるこの場面は、まるで映画のワンシーンにも見える
TEXT:Ghost(Ghost in the Dark)
この記事は2019年2月号 P.170~171より抜粋・再編集したものです。