2022/01/15
名銃もとい“迷銃”。究極のコレクションモデル「リバレーター2022モデルガン」
「粗製乱造」ゆえに後世まで名を残した珍品
第二次世界大戦中、ドイツ軍の後方を攪乱するレジスタンスを支援するためにアメリカ軍が空中投下を計画・生産したのがこのFP-45、通称「リバレーター」である。工業大国アメリカの民間企業によってわずか3カ月の間に100万挺というスピード(1挺あたり数秒のペース)で生産されたのはあまりに有名な話だ。
性能は言わずもがな、お粗末なものだった。装弾数1発、射程距離は10メートルほど、耐久性にいたってはせいぜい10~20発程度。
それもそのはず、そもそも正規軍が使うものではないし、もっとちゃんとした武器はこれを使って敵から鹵獲すればいいだろう、というトンデモなコンセプトの銃だったのだ。そのためか米軍の指揮官は計画を嫌い、ヨーロッパ戦線ではほとんどばら撒かれることなく、結局一番多く出回ったのは中国大陸だったようだ。しかも大半は使用されないまま戦後に廃棄あるいはスクラップされたという代物である。
究極のコレクションモデルが新たな仕様で再登場
ハートフォードは2012年、このリバレーターをビンテージ・レプリカ・モデルガンシリーズの第3弾として発火式モデルガン化し大好評を博した。今回、ハートフォードは再生産に当たって、無塗装、ナチュラル仕様でリリースすることにした。元の素材はHW樹脂なので、磨き上げることによって金属の質感が出せ、好みでガンブルー仕上げにすることもできる。もちろんキャップ火薬1発で豪快なファイアリングを楽しむことも可能だ。
実銃は決して名品と言えるものではない。しかしコレクションモデルとしては非常に興味深く、究極の珍品といえるリバレーター。持っていない人はもちろん、もう持っているという人も、この特別仕様の1挺をぜひ手に入れておきたい。
ハートフォード
リバレーター2022モデルガン
DATA
- 全長:141mm
- 全高:125mm
- 全幅:29mm
- 重量:490g
- 価格:¥17,600(2022年1~2月発売予定)
- お問い合わせ先:ハートフォード
TEXT:アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2022年2月号 P.95をもとに再編集したものです。