エアガン

2021/11/21

忠実に再現されたライセンスドモデル「MP7A1 電動ガン」【トイガン・マスターピース・ファイル Vol.06】

 

 人気モデルやロングセラーのエアガン、モデルガンの特徴を探るこのコーナー。今回はVFCの電動ガンHK MP7A1だ。

 

第5回「東京マルイ M45A1 CQB PISTOL」はこちら

 


 

VFC/Umarex
HK MP7A1電動ガン

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン

 

PDWとして優れた設計を誇るMP7A1

 

 ヘッケラー&コックのオフィシャルライセンスドエアガンを続々ラインアップしているVFC。その中でもMP7A1電動ガンはエポックメーキングな製品として発売以来、人気が衰えることがない。実銃のMP7A1は4.6mm×30弾というBB弾よりも直径が小さい小口径高速弾を使用するPDW(パーソナル・ディフェンス・ウェポン)として開発された。コントロールレバー類はアンビ化され、フォールディングフォアグリップ、各種光学機器が搭載可能なトップレール、フリップアップサイト、ピカティニースペックのサイドレール、リトラクタブルストックなど合理的なデザインはいかにもヘッケラー&コックらしい。

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
コントロールレバー類はすべてアンビタイプなのでショルダースイッチしても操作に支障はない。コンパクトなボディだが巧みにデザインされたフォアグリップ、ストックのおかげで構えやすい

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
真横から見るとマガジンハウジングを兼用したグリップがボディのほぼ中央にあるのがわかる。セレクターレバーやマガジンキャッチ、ボルトストップなどトリガーとグリップ周りに集中させることで直感的に操作しやすく、合理的で均整の取れたプロポーションとなっている

 

電動ガンでもライセンスドモデルとして余すところなく再現

 

 VFCからはガスブローバックバージョンもリリースされており、同じくボディはリアルスケール(1/1)で再現。各部の形状や刻印はヘッケラー&コックとの正式契約により実銃同様となっている。特徴的なアンビコントロールレバー類、フォールディングフォアグリップ、4ポジションリトラクタブルストック、フリップアップサイトなどすべてライブとなっている。

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
専用の着脱式サプレッサーが装着可能なスチール製フラッシュハイダー

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
KSK 4ポジションタイプのリトラクタブルストックとバットストック。リリースボタンを押すと引き出しやすい位置まで迫り出す機能が再現されている

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
フォールディングフォアグリップはMP7の特徴のひとつ。実銃同様に展開・収納できる。両側面には専用のピカティニーレールが装着可能

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
フリップアップタイプのフロントサイトは中期型を再現。フロントサイトポストは上下調整可能

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
フロントサイトと同じく中期型を再現したリアサイト。ノッチサイトとピープサイトがそれぞれ付属している

 

MOSFET標準装備の新型マイクロギアボックスを採用

 

 このモデルの最大の特徴は独自開発のマイクロギアボックスだ。コンパクトなボディのMP7A1を電動ガン化するにあたり、VFCはスタンダード電動ガンのギアボックスを巧みにアレンジしたオリジナルのマイクロギアボックスを開発。コンパクトなボディを犠牲にすることなく、かつMOSFETを標準装備したうえでバッテリーの収納スペースを確保することに成功した。

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
1/1フルスケールのレシーバーからギアボックス/バレルアッセンブリーを取り出したところ。本体前部にバッテリーが収納できるスペースを残しているだけで、ほぼギッシリ詰まっている(写真はバージョン1)

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
ギアボックス/バレルアッセンブリー前部に基盤とバレル下部にMOSFETが収められている。複雑に配線されており、少ないスペースを最大限活かして設置されているのがわかる

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
ボディ前部にあるフロントキャップを引っ張るとバッテリー収納スペースにアクセスできる。バッテリーは写真のOPTION No.1製7.4V900mAhリポバッテリーなど細身のリポバッテリーが収納可能だ

 

徹底解剖!マイクロギアボックス

 

 実際にレシーバーからギアボックスを取り出してみると、見事としか思えないほど完璧にデザインされている。8mmベアリング軸受、ハイスピードギア、ハイトルクモーターを用いるなど電動ガンとしての機能が充実している。各部のパーツはクオリティの高いものが使われており耐久性は申し分ない。無論、マイクロギアボックスを取り出してのメンテナンスはあまりお薦めしない。

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
ギアボックス上部を見るとモーター、逆転防止ラッチ、ベベルギアなどが見える。ギアとシリンダー/ピストンの配列が一般的な電動ガンとは上下逆にセットされている。かなりコンパクトなサイズのモーターは後向きに設置されている

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
マイクロギアボックスを分解したところ。8mmベアリング軸受が採用されており、上にギア類、下にピストン/シリンダー、スプリング/スプリングガイドが設置されている。構造自体はシンプルだ

 

リアルなリロードアクションも楽しめる機能を搭載

 

 エポックメーキングなのはマイクロギアボックスだけではない。マガジン内の残弾がなくなると作動が停止、新しいマガジンを入れると作動可能になる機能を搭載。さらにマガジンセーフティが導入されており、マガジンを抜くと作動が停止する機能も追加されている。空撃ちはできないが、マガジン内の残弾がなく、かつマガジンを抜けば作動できないので、機能上チャンバー内にBB弾が残るもののかなり安全に配慮した設計となっている。

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
残弾が確認できるセミシースルータイプのマガジン。装弾数は110発。最後まで撃ち切ると作動が停止する機能が追加されている

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
マガジンフォロアー先端に磁石が埋め込まれており、マガジンフォロアーが露出するとチャンバー左側に設置された端子が検知して作動が停止する。メカニカルではなく電子的に作動のオン/オフを切り替えている

 

さらなる進化も! マイクロメカボックスの優れた実射性能

 

 7.4V900mAhのリポバッテリーを用いて実射してみると、MOSFETが搭載されているためセミオートは非常にキレがあり、ダブルタップも余裕でこなす。一方、フルオートは実測したところ毎分約970発(秒間約16発)と必要にして充分なハイレートとなっている。マイクロギアボックスを見るとVFCのコダワリがヒシヒシと伝わってくる。

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン
グリップが中央に位置していることと前後バランスがよく、重量もさほど重くないため片手でも撃ちやすい。設計当初から片手撃ちは想定していたのだろう。シチュエーションに応じて様々な使い方ができるのがこの銃の特徴だ

 

 現在は内部パーツを中心にマイナーチェンジが施されたバージョン2がラインアップされており、実射性能がさらにアップしている。コンパクトな電動ガンが欲しい方はぜひ手に取って完成度の高さを体感してほしい。

 

VFC/Umarex HK MP7A1電動ガン

 


 

VFC/Umarex
HK MP7A1 電動ガン

 

DATA

  • 全長:415mm/638mm(ストック伸長時)
  • 重量:1,310g
  • 装弾数:110発
  • 価 格:¥58,300
  • お問い合わせ先:VFC-JP

 

TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
PHOTO:須田壱(スタジオゼット)
撮影協力:サバイバルゲームフィールドシールズ

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年12月号 P.140~143より抜粋・再編集したものです。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×