2018/11/23
ウエスタンアームズ コルトコマンダーガルシア/ヴィンテージエディション 製品レビュー【2018年12月号掲載】
名作映画に登場した銃を独自の工法で再現
一攫千金を夢見た男の血みどろの戦い
無冠の名作映画『ガルシアの首(』1974)。公開当時アメリカではすぐに上映中止になるなど評価は低く、興行的にも失敗したと言われるが、日本では高く評価されヒットとなった。監督・脚本を手がけたのは、強烈なバイオレンス描写とスローモーションで知られるサム・ペキンパー。『ワイルドバンチ』や『ゲッタウェイ』、『戦争のはらわた』などでも知られる名監督だ。監督の死後、『ガルシアの首』もようやくアメリカでも再評価されるようになったという。その『ガルシアの首』は、賞金の掛かった悪党の首を手に入れようと悪戦苦闘する、しがないピアノ弾きの男の血みどろの戦いを描く。男を演じたのは、名優ウォーレン・ウォーツ。そして、その男が選んだのがコルトコマンダーだった。
刻印は戦後コマーシャルタイプのパターンで、COMMANDERの文字がある
バレル、スライド、フレームも短いコマンダー
リングハンマーと、短く加工されたフレームとグリップセフティ
使い込まれてすり減った金属の質感を再現
WAはこの映画に登場したコマンダーを、高価なカーボンブラックベビーウエイト樹脂を使い、独自の工法ですり減った感じまで再現した。もはや樹脂とは思えないレベルの再現度。ベースはアルミ合金フレームのライトウエイトコマンダー。短いバレルとスライドに、フレームも前後を切り詰めている。ヴィンテージエディションの仕上げは、まずカーボンブラックベビーウエイト樹脂の下地表面を研磨し、ブラストショットで整えた後、黒染め処理する。それをさらに熟練スタッフが手作業で部分的に研磨することで、エッジの擦れてはがれた感じを浮き上がらせる。リアルさを出すためには高度な職人技が必要になるという。非常に手間の掛かった仕上げで、映画ファンはもちろん、1911オートファン、コルトファンにもお薦め。
メタルチャンバーカバーにはCOLT .45 AUTOの文字。使い込まれた感がスゴイ
戦後コマーシャルのグリップは一体のメダリオンと、ネジ穴と両サイドに淵がある
DATA
- 全 長:198mm
- 全 高:140mm
- 全 幅:33mm
- 重 量:830g
- 装弾数:21発
- 価 格:¥37,800(10月下旬発売予定)
- お問い合わせ先:WA渋谷店 TEL03-3407-5922
この記事は2018年12月号 P.94より抜粋・再編集したものです。