エアガン

2021/01/06

カラシニコフ社が手掛ける2020年最新銃器【後編】

 

 新進気鋭の銃器を開発する「カラニシコフ」社は今年8月開催された「アルミヤ2020」で巨大な専用ブースを構えて新作の発表やメディア向けの試射イベントを開いた。今回はそのレポートの続きをご紹介しよう。

 

 


 

AM-17

 

 

  • 口径・使用弾薬:5.45mm×39 7N6 / 7N10 / 7N22 / 7N24
  • 全長:740mm(折りたたみ時490mm)
  • 銃身長:230mm
  • 重量(弾薬なし):2.5kg
  • マガジン・装弾数:30 発
  • サイクルレート:毎分700 ~ 800 発

 

小型軽量なカービンモデルAM-17

 

 2017 年の「アルミヤ」で発表されたモデルであり、5.45mm 口径ながら全長わずか740mmと非常にコンパクトで、“小型アサルトライフル”と呼べるモデルだ。今回、メディア向けに初めて試射の機会が設けられ、私も参加した。リコイルは素直でコントロールしやすく、100~ 150m 先の標的に立て続けに命中させることができた。バレル長を考えれば最大で300 ~400m の距離で活躍するだろう。テイクダウンピンを介して上下にレシーバーを分割する構造はAKシリーズではなく、AR-15 に近い。アンビデクストラ(両利き対応)なセレクターレバーの操作感もAKシリーズとはまったく異なるものだ。
 サイズや重量、操作性から、連邦軍・法執行機関におけるAKS-74Uを代替する目的で開発されたモデルと見ていいだろう。AM-17 のメカニズムは1970 年代に開発されたドラグノフMA小型ライフルの機構をベースとしているが、かつてドラグノフMA がAKS-74U と採用を競い敗れたことを考えると、とても興味深い銃器と言えるだろう。

 


 

AMB-17

 

 

  • 口径・使用弾薬:9mm×39 SP-5 / SP-6 / PAB-9
  • 全長:850mm(折りたたみ時600mm)
  • 重量(弾薬なし):2.9kg
  • マガジン・装弾数:10/20/30 発
  • サイクルレート:毎分700 ~ 850 発

 

特殊弾を使用する消音ライフルAMB-17

 

 AM-17 の派生モデルだが、特徴・機能・タスクなどの面で明確に異なるコンセプトに基づいている。この銃は9mm×39 口径「SP-5」・「SP-6」弾を使用する。この弾丸は特殊用途のために生み出された弾丸で、AK-47 などで使用される7.62mm×39 弾をベースに9mm 弾にネックアップしたものだ。高威力と貫通力を保持しつつ、弾丸が重くなったことで亜音速となり、サプレッサーが一体化したAMB-17 で使用したとき顕著に発射音が減衰される。
 消音ライフルAS Val に代わる存在と言えるが、現時点では軍・法執行機関での採用に関する情報はない。

 


 

MPYa
Yarigin Pistol[Modernized]

 

 

  • 口径・使用弾薬:9mm×19 Parabellum / 7N21
  • 作動方式:ダブルアクション
  • 全長:198mm
  • 銃身長:112mm
  • 重量(弾薬なし):950g
  • マガジン・装弾数:17 発

 

 9mm×19 パラベラム弾を使用する拳銃として知られるPYa ヤリギン・ピストル(MP-443)が現代的にモディファイされた。もっとも大きな点はフレームがマズルまで延長され、ピカティニーレールを標準装備としたことだろう。これによりレーザーやライトなどのデバイスをアダプター無しで搭載できるようになった。また、グリップまわりも変更されたようで、握ってみるとわずかに薄くなったように感じたほか、スライドの上部が削られ、セレーションも大きくなった。射撃してみると、以前のものより射撃時のバレルの跳ね上がりが抑制されているように感じられた。フレームの延長により前方に重量が増したことなどが理由ではないだろうか。

 


 

 こちらで紹介した銃の他にも「アルミヤ2020」ではさまざまな新作が発表されていた。月刊アームズマガジン2021年1月号の特集ではその新作の詳報はもちろん、カラシニコフのエアガンなども紹介しているのでぜひご覧いただければ幸いだ。

 

AMB-17 を試射する筆者

 

Photo & Report:Konstantin Lazarev

Translate & Edit:Takayuki Ayabe

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年1月号 P.32~39より抜粋・再編集したものです。

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