エアガン

2020/12/17

カラシニコフの歴史が詰まった博物館【カラシニコフ博物館】

 

 前回までのレポートではソ連のアサルトライフルの歴史についてご紹介してきた。これらの貴重な銃を展示しているのは、ロシアにある「カラシニコフ博物館」である。今回のレポートはこの博物館を紹介しよう。

※このレポートは月刊アームズマガジン2020年5月号に掲載されたものを再編集したものです

 

 


 

カラシニコフ博物館

 

 

 カラシニコフ博士の業績を称えるカラシニコフ博物館は、旧イズマッシュ社(現カラシニコフ社)の拠点であり、ロシア兵器産業の一大拠点でもあるイジェフスク市にある。市の中心である聖ミハイル大聖堂とともに、同市の観光名所として、多くの見学者で賑わっている。

 この博物館が2019年のカラシニコフ博士生誕100周年を記念して、大幅にリニューアルされた。私はたびたび博物館を訪れたことがあったが、内装が一新され現代的で明るい雰囲気となり、また展示も工夫されてたいへんに見やすくなっていたことに驚かされた。

 

カラシニコフ博物館の入り口。この日は休館日だったが、特別な許可を得て取材をさせてもらった

 

博物館の内装は一新され、明るく現代的な雰囲気に変わった。展示物もとても見やすく、また貴重な銃器が豊富に陳列されている

 

 博物館は第2次世界大戦にさかのぼる博士の軍歴や晩年の活動に関する展示、また併設された地下射撃場での射撃体験(CO2を利用したガスガンを使用)など、豊富な内容を誇っている。そしてもちろん、これまでのレポートでご覧いただいたように、カラシニコフ博士の手によるAKシリーズや、その派生モデルの展示も数多く行なっている。レポートでのご紹介は試作アサルトライフルに絞ったが、制式採用品のバリアントなども豊富に揃っている。また機関銃や消音火器などの特殊用途銃まで展示されていた。

 

カラシニコフ博士の軍歴を紹介する展示。博士は第2次世界大戦に戦車兵として従軍した

 

銃器デザイナーとして世界各地を訪問した写真のなかには、リビアの独裁者カダフィ大佐との写真もあった

 

 できればこの建物すべてをご紹介したいところだが、限られた取材時間のなかで全てを回り、説明を聞くことができなかったのは残念でならない。だが、これで再びイジェフスクを訪問する目的が生まれたとも言える。最後に、私はカラシニコフ博士の遺影に再訪を誓い、博物館を後にした。

 

 

Report:笹川英夫

Special thanks

  • Ms.Dilya Khaliullina
  • Mr.Anton Kislyakov

 


 

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この記事は月刊アームズマガジン2020年5月号 P.124~131より抜粋・再編集したものです。

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