2020/12/06
ARCTURUS「MUR MOD.CライトウエイトCQB電動ガン」【毛野ブースカの今月の1挺!】
「月刊アームズマガジン」編集部の毛野ブースカがおくる『毛野ブースカの今月の1挺!』 。今月はARCTURUSの電動ガン『MUR MOD.CライトウエイトCQB』をご紹介!
海外メーカーを中心にラインアップされているスポーツライン系電動ガンは、エアガンのカテゴリーのひとつとして確立されている。スポーツラインという言葉から想像するとスポーティーでレーシーな電動ガンをイメージするかもしれないが、実際にはエントリーユーザーを対象としたリーズナブルでシンプルな構造を持つ電動ガンのことを示しており、エントリーモデルといったほうがわかりやすいかもしれない。近年、各社ともこのスポーツライン系電動ガンに力を入れており、リーズナブルな価格ながら電子トリガーやMOSFETが内蔵されるなど注目を集めている。
外観はCQB-RサイズのバレルにM-LOKハンドガード、スクエアフォルムのレシーバーなど、オリジナルながらスタイリッシュにまとめられている
今回紹介するARCTURUSのこのモデルは、スポーツライン系電動ガンにカテゴライズされながらも上位機種に負けじと劣らないスペックを有している。ARCTURUSとはMOSマニュファクチャーという香港に拠点を置くメーカーのブランドのひとつ。日本のサバゲーマーの間で近年注目を集めている。ARCTURUSの電動ガンはM4カービン系が多い中、MURシリーズは同社を代表する電動ガンだ。ストック違いでBタイプとCタイプがあり、カービンとCQBがラインアップされている。
CタイプはマグプルのMIADタイプグリップとMOE SLタイプストック、MBUSタイプサイトが付属している。スポーツライン系とは思えない充実したパーツ構成となっている
MURシリーズの特徴はスクエアフォルムのナイロンファイバー強化ポリマー製オリジナルレシーバーを採用していることだ。上位機種(E3 ARライフルシリーズ)がメタルレシーバーを採用していることから、MURシリーズはスポーツライン系にカテゴライズされている。ナイロンファイバー強化ポリマー製とは言いつつ剛性や質感はしっかりしており、プラスチッキーな感じはまったくしない。そして、このレシーバーに搭載されるコントロールレバー類はすべてアンビタイプ。これだけでもARCTURUSのこだわりが垣間見れる。
アクセサリーマウンティングシステムは現在の主流となっているM-LOKを導入されており汎用性が高められている。ちなみにカービンモデルには12インチハンドガードがチョイスされている
ナイロンファイバー製レシーバーに組み合わされる長さ10インチのM-LOKハンドガードはアルミCNC削り出しで、HAタイプⅢハードアナダイズド処理が施されている。これは上位機種にも採用されており、各種アクセサリーがしっかり装着されるだけではなく、全体の剛性向上や前後バランスの改善にも一役買っている。グリップやストック、前後フリップアップサイトはマグプルタイプで使い勝手は非常にいい。
MURシリーズの特徴であるスクエアフォルムのナイロンファイバー強化ポリマー製アッパー/ロアレシーバー。トリガーガードは一体型で剛性は申し分ない
内部を見ると、MOSFETは採用されていないもののトリガーにはマイクロスイッチが搭載され、焼結金属製ギア類、8㎜ベアリング軸受、メインスプリングはメカボックスを分解せずとも取り出すことが可能。ホップアップチャンバーは最新のメタル製ラージドラム式を採用している。スポーツライン系とはいえパーツ類はカスタムガン並みに充実している。
スポーツライン系ながらセレクターレバーやマガジンキャッチ、ボルトキャッチはすべてアンビタイプ。バッファーチューブ基部にはワンポイントスリング用にアタッチメントを装備
実射してみると、スポーツライン系と言われないとわからないくらいボディ剛性はしっかりしており、メタルレシーバー仕様の上位機種より軽量なので取り回しやすい。先ほど述べたようにコントロールレバー類はアンビなので操作性に不満はない。弾道も安定しており、箱出しのままで実戦投入可能だ。このままでもいいしカスタムのベースガンとしても最適。ARCTURUSのこのモデルはサバゲー用ウェポンを探している方にお薦めしたい1挺だ。
グリップはマグプルMIADタイプ。人気のあるグリップだけにシンプルだがホールドしやすい。バックストラップは交換可能だ
細かくホップ調整可能なラージドラム式のホップアップチャンバー。チャージングハンドルを引くとダミーボルトがホールドオープンし、ボルトキャッチを押すと解除される
ストックはスリムで構えやすいマグプルSLタイプ。ストック中央のリリースレバーを押して伸縮させる
バッテリーコンパートメントはバッファーチューブ内に設けられている。コネクターはT型だが、日本で一般的なタミヤ型に対応したコネクターが付属している
サバゲーで使いやすい装弾数300発のPMAGタイプの連射マガジンを標準装備
[プロフィール]
アームズマガジンの編集ライター。エアガンシューティング歴35年。数多くの国内シューティングマッチ入賞経験に加えて、1999年、2000年に開催されたIDPAナショナルズ参戦、シグアームズアカデミーや元デルタフォース隊員のラリー・ヴィッカーズのタクティカルトレーニングを受講するなど実弾射撃経験も豊富。今まで24年、280冊以上のアームズマガジンと関連MOOKの制作に携わる。
Twitter:@keno_booska