2020/10/15
フィクションの銃を作る ~対アーマー拳銃 A2P-45~
空想銃製作指南 YURI CUSTOM WORKSHOP
本コーナーでは「ストーリーと世界観を持った空想カスタムを製作してみよう」をコンセプトに、一作品の企画から完成までを詳しく解説しています。今回は「対アーマー装備のSF拳銃」をコンセプトに作品を作る後編となります(前編はアームズマガジン10月号をご参照ください)。
近未来、兵士の防弾プロテクターや強化外骨格を兼ねたアーマー装備が一般化した世界で、それに対抗しうる性能を持ったSF系拳銃カスタム。テクノロジーで強化された敵兵を無力化あるいは能力を削ぐための機能、そのためのデザインをカスタムで表現していきます。それではいってみましょう!
スライドを完成させる
「対アーマー拳銃の強化スライド」ということで、斜め面と側面に装甲のような強化板を貼り付けます。
スライド斜め面に瞬間接着剤を付け、飾りネジをガイドにして素早く圧着。完全に固定したらフロントサイトのアリ溝部分を少し削ります
先に接着した斜め面の板をガイドにして側面の板を貼ります
ストレートトリガーを作る
厚みのあるABS板の加工は大変なので、お好みの市販トリガーパーツを使うのも手ですが、今回はノーマルのトリガーをベースにABS板を貼り付けてストレート化します。
トリガーの正面をヤスリで削り、6mm厚(3mm板2枚貼り合わせ)のABS板から切り出したパーツを接着
下部に2×3mm程の小片も接着して表面をヤスリできれいに均してやればストレートトリガーの造形完了です
塗装
下地塗装、全体塗装、マスキングを用いたライン表現、トップコートと順に行ないます。
スライド、トリガー共に染めQ「ミッチャクロンマルチ エアゾール」でプライマー塗装(20分乾燥)→ガンショップ・インディのスプレー塗料「パーカーシール」で塗装(30分乾燥)
スライドのイエローライン部分はマスキングして塗り分けます。GSIクレオス「Mr.サーフェイサー1000」で下地塗装(30分乾燥)→タミヤのスプレー塗料「TS-47 クロームイエロー」で塗装(2時間乾燥)
各ディテールの仕上げ
ディテールに細かなSF的演出を加えて、仕上げていきます。
市販デカールよりバーコードと感電注意(小)をセレクトし、左右それぞれの凹みに貼ります
一部には反射テープを貼ってSF表現。これでバレルに謎のエネルギーが通っているかのようなイメージに見えます
フレームシャーシの左面にはEMP変換装置のスイッチ(ダミー)を取り付けて演出
完成
というわけで「対アーマー拳銃A2P-45」は完成です。内容盛りだくさんでしたが、コンセプトの「対アーマー装備拳銃」に沿ったSFチックなカスタムにできました。
グリップをライラクスのハイキャパカスタムグリップに交換したことで、見た目のインパクトが向上。スティップリングや赤いレンズの追加など、細かい演出も効いている
こんな風に世界観やストーリーと結び付けて製作すると、工夫次第でとても存在感のあるオンリーワンなカスタムガンにできます。もしお家に使わずに眠っているエアガンがあれば、ちょっと想像力を広げてあなただけの「空想銃」を作ってみてはいかがでしょう? (*´ω`)。
ちなみに本作品はYuri CustomWorksのHPでもストーリー設定付きで詳しく紹介しています。よろしければご覧ください
作例製作・文:結利晴信/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2020年11月号 P.106~109より抜粋・再編集したものです。