2020/10/05
いまさら聞けないメンテナンスの基本! ~部位別メンテナンス法~
ひとことでメンテナンスと言っても、部位ごとに清掃や注油など適した処置を行うのが望ましい。ここではガスブローバックガンを例に、各部位ごとに適したメンテナンスとその理由を見ていこう。
■インナーバレル
インナーバレルは発射されるBB弾が加速する重要なパーツだ。ダストや結露、サビが内部にあるとBB弾の加速の抵抗になったり、ホップ回転を阻害して命中精度の低下を招いてしまう。BB弾もわずかに削れ、そのダストが蓄積するので除去しなければならない。
■シリンダー/ピストン
シリンダーとピストンは発射の度に激しく前後動する。シリンダー内壁にゴム製のOリングやピストンカップが接触した状態で気密をとっているので、もし気密漏れが発生すれば大きく性能が低下する。ダストによってOリングやカップが破損する場合もあるので、定期的な注油による潤滑と洗浄が必要な部分だ。
■リコイルスプリングガイド
こちらも常に激しく前後動をする部分なので潤滑が必要だが、こびりついたダストはスムーズな作動の妨げになるので、特にダストの発生や蓄積に注意したい。また、他のパーツと比べて重量のある部位を動作させるので、その分負担も大きくなる。定期的なメンテナンスの中でパーツの破損チェックも行なおう。
■スライドのレール
スライドのレールはフレームのレールと噛み合って作動する部分。他の部分と違って多少の隙間が空けられている部分でもあるのでダストが侵入しやすい。洗浄して抵抗を減らすのは重要だ。また塗装が剥がれ、剥がれた塗料が付着することもあるので要注意である。
■フレームのレール
スライドと違い、金属製のパーツとしてフレームに配されている場合が多い。また金属には塗装が施されている場合が多いので、剥がれた塗料の洗浄は特に注意すべき点だ。摩耗はスライドよりも顕著だが、それがスムーズな作動に寄与することもあるので、スライドのレール同様洗浄をして抵抗を減らすとよい。
■シア&ハンマー周辺
シアやハンマーといったパーツは金属製であるのが一般的だが、スプリングの圧縮を支える部分なので強い力で接触して少しずつ摩耗していく。摩耗で発生するダストの除去、接触部分を保護するための注油が必要だ。メンテナンス前後のフィーリングの違いを覚えることで銃のコンディションを把握するというのも大事だろう。
■ガス放出バルブ(マガジン)
気化したガスが放出される部分で、気密性やバルブそのものの作動性を確保するための注油が重要となる。同心円上に放出バルブとスリット、Oリングが配されているので、それぞれがスムーズに動作するよう注油を行なう。特に、気化する前の液体ガス(いわゆる生ガス)が放出された際は要注意。結露によって水分が付着してサビの原因になったり、液体ガスが油分を除去してしまうこともあるのでこまめな注油を意識したい。
■マガジンのBB弾が装填されるスリット部分
外部に露出している部分であるBB弾スリット。そのためここにはダストが溜まりやすく、またマガジンが急激に冷えて結露した場合、このスリット部に水滴ができダストが集まってしまう。それが弾に付着することでチャンバーやバレルにダストを移してしまうのだ。バレルやチャンバーを守るためにもこの部分のクリーニングは意外と重要である。
TEXT:モロ☆/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2020年11月号 P.52~53より抜粋・再編集したものです。