2020/08/17
力作のドレスアップカスタムガンをご紹介!【第1回 アームズマガジン ガンスミス・コンテスト】
アームズマガジン編集部が主催する、トイガンをドレスアップしてその出来映えを競い合う「アームズマガジン ガンスミス・コンテスト」。近々、今年も同コンテストの開催が「月刊アームズマガジン」誌面上で発表されるかもしれない…!? そこで今回は、記念すべき第1回開催の結果を振り返り! 「月刊アームズマガジン」読者力作のドレスアップカスタム入賞作品をご紹介する。
※応募は2019年7月29日~10月26日の期間に「Arms MAGAZINE WEB」内で実施され、計83作品が寄せられた! 選考は、本誌編集部とトイガンカスタムを得意とする本誌ライター陣の写真審査により選出
第1回「アームズマガジン ガンスミス・コンテスト」の受賞作品は全部で5つ。「ライフル・長物部門賞」「ハンドガン部門賞」「SFガン部門賞」「U18部門賞」「大賞」の順に受賞作品を紹介していく。
【ライフル・長物部門 受賞作品】
イギリス軍 サブマシンガンL19 (サバゲーマニア さん)
ベースガン:東京マルイ スコーピオン Vz.61
応募点数がもっとも多く激戦区となったライフル・長物部門の受賞作品がこちら。イギリス軍の現用SMG、という架空設定でL85のようなブルパップデザインとし、外装にはMP5のパーツなども使用。そしてメカは東京マルイの電動コンパクトマシンガン、スコーピオンVz.61のものが搭載されている。とりわけ、リアリティの演出が審査員の高評価を得た作品となった。
受賞者コメント:サバゲーマニアさん
イギリス軍の制式サブマシンガンはスターリング以来新規採用がないので、「もしイギリス軍が制式サブマシンガンを開発したら」と想像で作ってみました。
a:9ミリカート用のシンプルなストレートブローバック。
b:予算をかけず(国が色々と大変なので)L85A1の部品を加工して使って組み上げる(アッパーフレーム、ロアーフレーム、グリップ周り、ストック等々)。
c:HKがイギリスメーカーの傘下にあるのでMP5の部品を使う、マガジン、マグキャッチ等々。
ブルパップ、マガジンとグリップが近いが左右にスイングして構えやすくなっている(ブッシュマスターのマネ)、左利きにも対応したボルトキッャチや頬当ての左右入れ換え(FA-MASのマネ)など開発費を抑えつつもアイデアが込められている、という設定です。
【ハンドガン部門 受賞作品】
グロックG34カスタム (北のグロック職人 さん)
ベースガン:東京マルイ グロック34
東京マルイのガスブローバックガン、グロック34 をベースにカスタマイズを施した作品。グリップを作者の手に合わせて加工して機能性の向上を図りつつ、アクセントに赤いカラーリングを加えるなどセンスの良さが光り、ハンドガン部門賞を受賞した。
受賞者コメント:北のグロック職人 さん
純正品を加工してオリジナルデザインのフレームを製作しました。ノーマルのグリップは自分の手には合わないので大幅に形状変更。グリップ後部を一度切り取って合わせ目を削り、ABS粉末をハンダゴテで溶かしながら溶接してストレートに加工しています。フレームサイドのアクセレーターカットはダブルで入れることでどちらでも指を乗せやすくして、トリガーガードのアンダーカットとあわせてデザイン上のアクセントになっています。スティップリング加工はファウラーインダストリーズのグロックによく見られるタイプを実銃画像を参考に再現。スライドは前端下部に斜めカットのみ入れています。カスタムパーツはV-TACタイプのハイブリッドサイト、ZEVタイプのマグウェルとマガジンバンパー、 C&C製のカスタムトリガーでドレスアップしました。
【SFガン部門 受賞作品】
XM516Mod0ほむほむ (じゃなくて高橋 さん)
ベースガン:東京マルイ H&K MP5K A4 PDW/東京マルイ コルトM16A1
SFアクション映画に登場するような架空のオリジナルガンを創造するSFガン部門では、こちらの「XM516Mod0ほむほむ」が部門賞を受賞した。2つの銃を組み合わせたこの合体銃は、機能性はともかく見た目のインパクトは抜群で、いかにも敵のクリーチャーやメカを倒せそうな凄みを放っている。
受賞者コメント:じゃなくて高橋 さん
東京マルイのMP5K A4 PDWとM16の連結銃です。まずMP5のフレームを自作のアルミ材で前に延長。フォアグリップの前にM16の発射スイッチを配置し、これで2挺同時もしくは個別で撃つことができます。M16のセレクターはフルに固定し、バレルはMP5Kのバッテリースペースを通しました。バッテリーは銃右側の自作ケースに収納。AKとG3のマガジンはそれぞれMP5とM4のマガジンパーツを使いそれぞれのマグウェルに対応させています。パーツはライラクス製クルツ用トップレール、M4A1RIS用バッテリーケース、ハイマウント、LS製L85のバットプレートとチークピース、MMC製L85のフォアグリップを装備。さらにMP5Kのマズルには逆ネジアダプターを介してスチールハイダーを装着し、ロアレシーバーにアームズマガジン付録のUIDコードを貼り付けました。
【U18部門 受賞作品】
10禁LMG『ミニミニミ』 (ヴァージンイェーガーのマエストロ さん)
ベースガン:東京マルイ M4 CQB
10歳以上18歳未満の方が応募できるU18部門では、10歳以上用の東京マルイ製電動ガンLIGHT PROシリーズ M4 CQBをベースに、ミニミのような外観にカスタムしたこちらの作品が部門賞を受賞した。高校生のためできるだけ低予算で、とのコンセプトでジャンクパーツやホームセンターで入手した素材を駆使し、ここまでカッコよく仕上げた発想力と技術力のすばらしさで、審査員の高評価を得ている。
受賞者コメント:ヴァージンイェーガーのマエストロ さん
LMGが撃ちたいのに10禁のLMGが存在しない! だったら作ってやろう! と思い、LMGのようなM4を考案。まだ高校生なので予算も少なく、フリマアプリを駆使したり、ホームセンターや家にある物を使ったりすることで、本体は5,000円程度でカスタムできました。ベースガンはジャンク品のライトプロM4で、入手したミニミのハンドガードとバイポッド、Mk2ストックをパイプ固定パーツやアルミパイプ、1インチ対応のマウントリング等で組み上げています。ストックの固定には悩まされましたが、アルミプレートで本体左側面とストックをネジ留めして固定。これによりセーフティレバーが使えないため、ストックにセーフティを新設しました。ハンドガードはマウントリングでアンダーレールに1インチアルミパイプを取り付け、そこにバイポッドやフロントサイト等を載せた上からハンドガードを被せ、ボルトとナットで固定しています。
【大賞 受賞作品】
Caliber.45EX (山下ヨシタカ さん)
ベースガン:東京マルイ コルト ガバメント マークIV シリーズ'70
本コンテスト大賞受賞作となったこの「Caliber.45EX」はハンドガンの王道ともいえるガバメントをチョイスし、丁寧な仕上げやディテールアップへのこだわりなど、まさに本コンテストのテーマ「ドレスアップ」を体現した作品といえる。セミオートピストルの場合、ベースとなるパーツには樹脂製フレーム&スライドを使用しなければならないという制約がある中で、架空の設定ながらいかにも実銃が存在しそうな雰囲気に仕上げているところに、作者のセンスが感じられる。さらに、本コンテストが「写真審査」である点にも配慮され、作品の出来映えを判定しやすい、クオリティの高い写真で応募された点も好印象となった。
(※大賞受賞作品のみ編集部にお送りいただき、掲載写真を改めて撮り起こしています)
東京マルイのガスブローバックガン、コルトガバメントシリーズ'70 にライラクスのノスタルジックカスタムスライドを組み合わせ、キャロムショットのブルースチールスプレーで全体を塗装し、ポリッシュ仕上げしている
刻印は手彫りでレーザー彫刻のような正確さはないが、作者オリジナルの設定で独特な雰囲気を放っている
キャロムショット製カラーシームハンドルを赤系ニスで塗ったグリップがアクセントに
受賞者コメント:山下ヨシタカ さん
この度は栄誉ある賞を賜り、大変うれしく思います。巷には他の方がもっと出来よく作られた作品がたくさんあるかと思いますが、拙いながら自分が好みとこだわりをこめてカスタムした作品が評価いただけたのはとてもありがたく、感謝しています。
この銃は友人とインドアサバゲーで遊ぶ際に自分の愛着ある1挺を、と製作しました。自分が好きなコルト1911とブローニングハイパワーを合体させたようなイメージでパーツをチョイスし、仕上げていきました。
スライドの刻印は拙いながら手彫りですが、左面の表記は「1970~80年代にFNやブローニングが(パテントとかは置いといて).45口径を出していたら…」という妄想です(笑)。右面の表記は、自分の名前の母音を記号風にしたものと、ペットネームとして「Melusine(メリュジーヌ)」という名を彫りました(コルトのリボルバーに倣って蛇にまつわる名前です)。
とにかくソレっぽくなるパーツを掻き集めて好き勝手に合わせた物ですが、やっぱり鋼色の銃身と木製グリップが自分の一番の好みなのだと再確認しました。
以上、ここでは受賞した5作品をご紹介した。「月刊アームズマガジン2020年2月号」では、さらにノミネートされた全作品を一挙に掲載している。第1回に参加された方も次回参加しようと考えている方も、全国のガンスミスによる力作をぜひともご覧いただきたい。
月刊アームズマガジン 2020年2月号
巻頭特集は「第1回 アームズマガジン ガンスミス・コンテスト結果発表!!」。トイガンをドレスアップしてその出来映えを競い合う「アームズマガジン ガンスミス・コンテスト」。今号はその記念すべき第1回の結果を発表。今回紹介した栄えある5挺の受賞作をはじめ、掲載応募作品の数々に込められたアイデアや情熱を感じ取れる作品が集結している。これを見れば内なるカスタム熱を呼び覚ますこと間違いナシ!
第2特集では「メーカーコンプリートカスタムガン」と題し、国内外のメーカーが開発した究極のカスタムガンを一挙掲載。実銃を忠実に再現したものがトイガンの本領であり面白さでもある一方、特に海外メーカーを中心に実銃にはないオリジナルのデザインのエアガンが人気を博している。そこで、アームズライター陣がメーカーコンプリートカスタムガンを徹底的にインプレッション。
さらに、特別付録として小冊子「トイガン解体新書Best Selection」が付いている。これは、月刊アームズマガジンから発刊されているMOOK『トイガン解体新書』シリーズに掲載された「東京マルイ 次世代電動ガン SOPMOD M4」をはじめ、人気機種13挺の分解・組立方法をまとめて掲載している小冊子だ。分解時の注意点やコツ、ポイントなどを詳しく解説しているので、ぜひ参考にされたい。