2026/01/02
DELTA1911 米陸軍最後の1911

1985年にM9が採用された後も、米陸軍内の一部の部隊は45ACPの威力と、その性能から様々な1911を使用し続けた。その一つが米陸軍の第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊、通称“デルタフォース”で、彼らが使う45オートは、DELTA 1911と呼ばれた。
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1911とデルタフォース
1911年、米陸軍は45ACPのセミオートマチックピストルをModel of 1911として採用した。この1911がそれから74年にわたって米軍サービスピストルの座を守り続けるとは、誰も予測できなかっただろう。第一次大戦後、M1911は細部に改良が加えられてM1911A1へと進化し、第二次大戦に投入された。M1911A1はその後の朝鮮戦争、ベトナム戦争でもずっと米軍のサービスピストルとして使用され続ける。
だが1985年、ベレッタ92FがM9として採用が決まり、老朽化したM1911A1と置き換えられることになった。それでも米陸軍内の一部の部隊は、45ACP弾の威力とその性能から、1911を手放すことはせず、これを使い続ける判断をした。その一つが米陸軍の第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊(1st SFOD-D)、通称“デルタフォース”だ。
彼らは平時・戦時を問わず、政治的、軍事的に繊細で、危険度のきわめて高い秘密作戦を行なうことを目的に組織されている。そんなデルタフォースは、秘匿して携行する事のできる銃の中で、45口径のカスタム1911が“最高のCQBウェポン”だと主張してきた。
適切にカスタムを施した1911は、25mまでの距離において、最も早く、確実に敵を倒すことのできる武器だというのだ。そのためデルタフォースは1977年の設立以来、1911カスタムを部隊の伝統として近年まで運用し続けてきた。
デルタ1911
デルタフォースの隊員には2挺の1911が支給され、自分の好みに合わせて部隊に所属する5名からなるガンスミスによって、それぞれの銃を自由にカスタムする事が許されていた。隊員は日常的に行なわれる厳しい射撃テストに合格し続けなれればならず、射撃技術の向上と、使用する銃器の管理は各隊員の義務とされている。
デルタフォースが日常的に行なう射撃テストの一つに、“700ポイントピストルアグリゲート”がある。15cmの黒点を持つB8ターゲットに対し、25mから30発を両手で、15発を右手、5発を左手、10発をニーリング、10発をプローンから時間制限の中で撃つ。満点は700点で、デルタオペレーターのスタンダードは600~630点だ。この点数は高度な技術を持つ射撃競技選手と同等で、この点数をコンスタントに出すためには、高度にカスタムされた1911が必要だ。
設立当初は、陸軍内に残っていた古い軍用M1911A1のフレームをベースにカスタム加工した物を使ったが、90年代中ごろにはその老朽化が進み、Caspian Arms(キャスピアン アームズ)製フレーム&スライド、Kart Precision Barrel(カートプレシジョンバレル)を組み合わせたフルカスタムのモデルへと切り替わっていった。
これらのカスタム1911は“デルタ1911”と呼ばれ、70年代のブルズアイシューティング競技から影響を受けた物から、2000年代前半のIPSC/USPSA競技と当時のウェポンマウントライトの進化に合わせたものまで、それが作られた各時代における最新のトレンドを取り入れた実戦的なカスタム1911として、現在のコンバットハンドガンに大きな影響を与えている。
Gun Pro Webにおける私のラストレポートは、デルタフォースが使用していたデルタ1911を参考に、カスタムビルドした1911コンバットハンドガンを紹介したい。
今回はその情報を参考に当時のデルタ1911を再現した。
但し、細かな部分で筆者の好みに合わせたセットアップとし、さらにUSPSA競技/シングルスタック部門に適合する重量に抑えるよう調整している。


