装備

2025/10/31

最適なアイウェアで快適な視生活を過ごそう「耐衝撃遠近両用レンズ」

 

最適なアイウェアで快適な視生活を過ごそう

 

 

 

使わないと損をする視界向上アイテム

Photo by DOD

 

 自衛隊の隊員は、射撃時の標的目視と照準器確認だけでなく地図や無線機の確認作業など、遠近距離を交互に見る作業が増えている。
 著者は、それがベテラン自衛官の目に大きな負担になっている話を聞いたことがある。そういう方々にこそ遠近両用レンズが推奨されるが、遠近両用=シニアレンズという誤解が広まっていることで着用に踏み込めない方もいる。遠近両用レンズは、快適に遠くから近くまで見たい方や目に負担を掛けたくない方向けの高性能レンズである。
 自衛官の定年延長も考え、今後のプロフェッショナル必須アイテムになる耐衝撃性能を持つ遠近両用レンズとそれに合うおススメのフレームをご紹介しよう。

 

Photo by DOD

 

視力補正用レンズ

 

 アイウェア用レンズは、視力補正のためにそれぞれ特徴を持つ3種類のレンズ「単焦点レンズ」「アシスト設計レンズ」「遠近両用レンズ」がある。
 単焦点レンズとは、レンズの焦点が1つ(見える距離が一定の幅に合わせている)の近視、遠視、乱視、老眼鏡など一般的なレンズの事である。
 アシスト設計レンズは疲れ目をサポートする新機能レンズ。遠近両用の初心者用レンズで、近くを見る時に使う眼のピント調節力をサポートする。
 遠近両用レンズはメガネ1本で遠くから近くまで境目がなくスムーズに見えるレンズである。
 より快適な視界で生活を送るためにアイウェアを使うことをお勧めするのは、用途やそれぞれの視力に適合するレンズが用意されているからだ。

 

レンズの中央~上半分くらいで遠いところを見て、近いところはレンズの下部分で見ることで使い分ける。レンズに境目はなく自然に遠近を見ることができるがパソコン使用時の視界距離となる中間部分や近くの視野が狭く、外周に歪みを感じる欠点があるので注意は必要だ

 

 

遠近両用レイアウト

 

 隠しマークには、レンズの種類、屈折率、加入度(遠くを見るための度数と近くを見る度数の差)数、累進帯長(遠くを見る部分と近くを見る部分までの距離)などが記入されている。遠用アイポイントは、メガネを掛けたときの黒目の位置に合わせるポイントである。
 遠方度数(遠くを見るための度数)部分から近方度数(近くを見るための度数=遠方度数+加入度)部分にかけて徐々に度数が変化するため、間の部分で中間距離が見やすい度数になっている。
インセット量は、遠くを見る黒目の位置と近くを見たときの寄り眼した位置の差を示す。

 

遠近両用メガネのポイント

 遠近両用レンズを選択する際に、遠くの見え方と近くの見え方と快適性の3つの要素を比較検討しながら、何を重視するかで遠用度数と加入度数が決まる。あと、各設定に選択のポイントがある。
 遠用度数設定は、快適な使用を考慮して近視は弱めで遠視は強めにする。
 近用度数設定は、度数が強いと近くは良く見えるが、強すぎると快適性を損なうので注意が必要だ。
 また、累進帯長設定は、短いとユレと歪みが強いが、近くを見るのは楽である。長いとユレと歪みが弱いが、視線移動の距離が発生する。
 遠近両用のアイウェアを作る際に、着用者に合うレンズを見つけ出すために見え方と比較体験に時間がかかるのは、これらの項目を確認する為である。

 

耐衝撃遠近両用アイウェア

 

 視力矯正者用耐衝撃レンズで日本流通しているのは主に2社の製品と言われているが、その中のひとつで耐衝撃性に優れた遠近両用レンズとしてお勧めしたいのが、アクロアーマーである。
 耐衝撃性能については、過去に著者自身が破壊テストをしたのでその性能は体感しているが、レンズメーカーの株式会社イトーレンズによって生産される国産耐衝撃レンズなので、納期一週間という速さも魅力である。

 

 

次世代電動ガンMP5から撃ち出されたBB弾がレンズに被弾してBB弾が割れた瞬間。その他に、高さ約2mから500グラムの鉄槍をレンズに2回落下させるテストを行ったが、レンズに破損はなかった。実際に行った耐衝撃テストの詳細は、こちらをご覧ください

 

 WILEY X SHADOW ALT 

 アメリカ軍公認アイウェアメーカーであるWILEY XのSHADOW(シャドウ) ALTは、耐衝撃アイウェアとして製品開発段階から日本人向けに設計され、ミルスペックMILPRF-32432準拠でANSI Z87.1(Z87+)規格認証品である。専用ガスケットを装着できるので、サバイバルゲーマーにも愛用者が多いモデル。

 

フレームは、Z87-2+マーク表示が記載された耐衝撃フレーム。耐衝撃機能は、レンズだけが重要と思われがちだが、レンズの受けた衝撃を受け流すフレームも組み合わせたアイプロテクションウェアとしてトータルで考えなければならない。その点でシャドウは、アクロアーマーとの相性が良いモデルである

 

アクロアーマーは、遠近両用レンズでも従来のレンズ同様に調光、偏光、ミラー、カラー加工も製作が可能なので、選択肢が広がるのも魅力の1つだ。アクロアーマーは、バイクや自転車に乗る方の防風用アイウェアとしてだけでなく、視力矯正用とサングラスのような日常用アイウェアとしてもお勧めしたい。危険物から目を保護できる耐衝撃性能を持つアイウェアに心強さを感じられる

 


 

 遠近両用アイウェアは、その複雑な構造ゆえに着用者に合せたフルオーダー品といってもよいだろう。事前に使用する用途と優先事項を考えてから、視力測定を行い、専門器具を用いて見え方を確認しなければならない。
 れんず屋は、それを可能にする専門知識を持ったスタッフと必要とする機材が揃っている。興味を持った方は是非お店に足を運んでほしい。

 

れんず屋https://www.lensya.com/

 

 

 

この記事は月刊アームズマガジン2025年12月号に掲載されたものです。

 

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