エアガン

2023/12/03

正しい装着で命中率アップ!! ライフルスコープの装着方法【解説】

 

遠くのターゲットも狙えるライフルスコープ

 

 ドットサイトとともに命中精度を上げるために欠かせないのがライフルスコープだ。照準するためだけではなく、相手との距離を計測したり、周囲の状況を確認することにも用いられる。ライフルスコープは正しく装着すれば命中精度を高められるが、装着方法を間違えると単なる望遠鏡になってしまう。ここではライフルスコープの特徴と正しい装着方法をご紹介しよう。

 

 

ライフルスコープの特徴

 

ライフルスコープは対物レンズ(ターゲット側のレンズ)が大きいスタンダードタイプと、対物レンズが小さくて全長が短いショートタイプに大別できる。かつてはショートタイプの光学性能は低かったが、近年は光学技術の発達で差がなくなってきている

 

ライフルスコープのチューブ径は一般的に1インチ径(写真左)と30mm径(写真右)に分類される。実銃用として33mm径や34mm径などイレギュラーなサイズもある。装着時にマウントリングが必要なので、自分のライフルスコープの直径を把握しておこう

 

銃に装着する際に注意したいのが対物レンズ径だ。対物レンズ径が大きくなると低いマウントリングでは装着できないので装着に制限が出る可能性がある

 

マウントリングの違い

 

ライフルスコープを装着するのに欠かせないのがマウントリング。1インチ用(写真右)と30mm用(写真左)がある。自分が所有するライフルスコープのチューブ径を必ず確認しよう

 

マウントリングの高さの比較。左からロー、ミドル、ハイ。対物レンズ径やマウントベースの長さや位置で使用すべきマウントリングの高さが変わる。また、低すぎると狙いづらくなり、高すぎると頬付けが甘くなるので注意が必要だ

 

M4カービンにライフルスコープを装着する時に、ややマズル寄りにライフルスコープを装着したい時に便利なオフセットタイプのマウントリング。これにも高さがある(写真左がハイ、写真右がミドル)

 

装着時の注意

 

対物レンズ径が大きく、かつこの銃のようなロングレングスのマウントベースの場合、マウントリングが低いと対物レンズが干渉して装着できない

 

ロングレングスのマウントベースの場合、高さのあるマウントリングを使用する、もしくは対物レンズ径の小さいライフルスコープを選ぶことで装着できる

 

ライフルスコープを低くマウントしすぎると、ボルトハンドルが接眼レンズ部分に干渉するおそれがある。マウントリング選びは慎重に行なうこと

 

 

ライフルスコープの装着方法

 

エジェクションポートが右側にあるボルトアクションライフルの場合、マウントリングはロックナットのあるほうを左側にして装着する

 

マウントリングにライフルスコープを載せて、マウントリングの高さが正しいか確認し実際に構えてライフルスコープを覗きながらおおむねの前後位置と垂直を出す

 

ライフルスコープのアイレリーフやストックの長さ、さらに頬付けした時の覗きやすさを考慮しながら固定する位置を決める。ちなみにアイレリーフの平均は10cm前後だ

 

このマウントリングは2つのネジで上下が固定されている。それぞれを均等に締め込むために、対角線の順番でネジを仮締めしていく

 

完全にネジを締め込む前に、垂直が出ているかどうかしっかり確認する。この際、平行な机の上などに銃を載せたほうが垂直が確認しやすい

 

残りのネジを締め込んですべてのネジを本締めする。ネジはできるだけ均等に締め込むようにする

 

ライフルスコープの高さ

 

ライフルスコープは装着した時の高さが重要になる。ライフルスコープの場合はドットサイトと違い、アイレリーフや銃本体の特徴による制限が多くなるので高さのセッティングはシビアだ。まずはVSR-10にローマウントリングで装着したところ。パララックスは抑えられるが、ボルトハンドルの操作に支障をきたす恐れがある

 

次にミドルマウントリングで装着したところ。パララックスの影響が少なく、ボルトハンドルが操作でき、頬付けもしっかり行なえる。VSR-10の場合はバランスが取れているが、銃によってはセオリーどおりにはいかないことを念頭に置いておこう

 

そしてハイマウントリングで装着したところ。ライフルスコープの位置がかなり高くなっているのがわかるだろうか。この状態でも撃てるが、VSR-10の場合はしっかり頬付けして狙うことはできない。またパララックスの影響も大きくなる

 

VSR-10よりもストックの位置が高い(バレルの中心線とストックの中心線が同じ直銃床型)M4カービンにそれぞれの高さでショートスコープを装着してみた。まずはローマウントリングで装着したところ。これだと低すぎて狙うことができない

 

ミドルマウントリングで装着したところ。マウントベースからレンズ径の底面までの距離が25mm。ドットサイトの項目で出てきた1/3コウィットネスに近い高さだ。パララックスへの影響が少なく、頬付けもしっかりできて程よくバランスが取れている

 

そしてハイマウントリングで装着したところ。マウントベースからレンズ径の底面までの距離が34mmとなっており、ミドルに比べて1cm近く高くなっている。しっかり頬付けするにはちょっと高く、パララックスへの影響が起こりうる

 

TEXT:毛野ブースカ

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年12月号に掲載されたものです。

 

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