2023/05/28
コルトの傑作リボルバーがR-modelにバージョンアップ「タナカ コルト ポリスポジティブスペシャル4インチ サードイシュー “R-model” ヘビーウエイトモデルガン」
20世紀初頭に不動の地位を獲得した「コップガン」
現在まで続くコルトのダブルアクションリボルバーの原点といえるのが、1907年に登場したポリスポジティブだ。このモデルが登場する前、1889年に世界で初めてスイングアウト式のシリンダーを採用し、ダブルアクションリボルバーの基礎を作ったモデル1889が登場。さらに1898年には軍用に相応しい耐久性・汎用性を備えたニューサービスが登場し、コルトはダブルアクションリボルバーの市場をリードしていた。それをさらに決定付けたのが、スモールフレームのポリスポジティブである。
ポリスポジティブはニューヨーク市警のリクエストで開発された.32口径仕様のニューポリスをベースに、トリガーを引いた時以外はハンマーをブロックする画期的な安全機構「ポジティブロック」を初めて搭載。.32口径以外に.38スペシャル弾仕様の「ポリスポジティブスペシャル」もリリースされ、のちにDフレームと称されることになるコルトポケットサイズリボルバーの中でも約75万挺という生産記録を打ち立てている。高い安全性に加えて軽量でコンパクトなポリスポジティブスペシャルは、バリエーションであるディテクティブスペシャルとともに「コップ(Cop=警察官)ガン」と呼ばれ、20世紀初頭における警察官用リボルバーとして不動の地位を獲得した。
コルトの傑作リボルバーがR-modelにバージョンアップ
タナカはディテクティブスペシャルに続いてポリスポジティブスペシャル4インチも再現性、耐久性、作動性を向上した“R-model”としてバージョンアップすることとなった。従来品で指摘されたトリガーの動きとシリンダーの回転とのタイミングが変化する「シリンダーロックアップ問題」を、スチールプレス製とダイキャストの2ピース構造を導入したリバウンドレバーの採用により解消。長期にわたってタイミングのズレを防止。さらに内部パーツのフィッティングも見直され作動性が向上している。
ディテールは1960年前後に製造されたサードイシューをチョイス。フロントサイトやフレーム上面の反射防止のセレーション、グルーブ入りのトリガーなど忠実に再現されている。サービスサイズのグリップ内にはプレス製のウエイトが追加。
実際に手にしてみると、想像よりもスリムでコンパクトなことに気づかされる。スミス&ウェッソンのリボルバーでいえばJフレームとKフレームの中間くらいのサイズといえばわかるだろうか。.38スペシャル弾が6発装填できて携帯しやすい絶妙なサイズだ。フレームやグリップにウエイトが追加されたことで手にした時の重量感も申し分ない。コルト特有のシングル・ダブルアクショントリガーフィーリングが体感でき、メリハリのある動きを実現している。もちろん7mmキャップ火薬を使って発火が楽しめる。
曲線基調のオールドテイストな外観と伝統のダブルアクションメカニズムが魅力のポリスポジティブスペシャル。リボルバー好きならぜひとも手に入れておきたい1挺だ。
タナカ
コルト ポリスポジティブスペシャル4インチ サードイシュー “R-model” ヘビーウエイトモデルガン
DATA
- 全長:241mm
- 全高:120mm
- 全幅:35mm
- 重量:500g(カートリッジ含む)
- 装弾数:6発
- 価格:¥38,280
- お問い合わせ先:タナカ
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
MODEL:一條麗(Ichijyou Urara)
PHOTO:須田壱
HAIR & MAKE UP:伊達美紀
衣装提供:十一屋たけちゃん
この記事は月刊アームズマガジン2023年7月号に掲載されたものです。
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