装備

2019/02/14

タイガーストライプのコーディネイトを解説【Tactical Gear Laboratory】

 

Tactical Gear Laboratoryでは魅力的なタクティカルギア(装備)を調査、研究していく。サバイバルゲームをより深く楽しむために、装備そのものだけでなく装着方法も紹介していこう。

 

Tiger Stripe Patterns

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

 

 Crye Precisionタイプのコンバットアパレルにロービジスタイルのアイテムを装備した、諜報機関員による強襲作戦をイメージしたスタイリング。普段私服で活動する諜報員は、作戦によって装備を変えることは少ない。使い慣れた装備にタイガーストライプを着用して作戦に赴く状況を想定している。
 タイガーストライプは、横に筆を走らせて描いたような緑と茶色の細いストライプと、オリーブやカーキといった明るい色合いの幅広なストライプを組み合わせた特徴あるカモフラージュパターンだ。代表的なカモフラージュパターンの1つとしても認知されている。ベトナム戦争時の南ベトナム軍が、ジャングルでの近接戦闘向けの迷彩パターンとして開発したもので、虎の身体の模様に似ていることからその名前が付けられた。バリエーションも多く存在しており、開発された初期段階でも19種類があった。これらバリエーションの差異は、カラーやデザインがどう違ったのか、ロットによる違いなのかなど、詳細が明らかになっていない。タイガーストライプには解明されていない部分が数多くあり、それが多くのコレクターや研究者を魅了している。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

米陸軍開発研究機関であるナティックの技術を用いて開発された特殊素材を用いて作られているTEAM WENDY EXFIL CARBON BUMP HELMET。ライナーとチンストラップは頭部を保護するだけでなく、快適な着用感を提供する。3-HOLE NVG取付ホールにWilcox NVGマウントを標準装備しており、NVGの装着が可能だ。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

独創的なデザインのサイドレールシステムは、MAGPUL MOE 20mmレールが標準装備されている。同社の専用アクセサリーを用いてヘッドセットを装着できるなど、拡張性に優れている。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

従来のMOLLE/PALSシステムとの互換性を残したまま、軽量化を主眼に開発された、First SpearのFirst On Carrier 6/12 Only M/Lプレートキャリア。フロントに装着したMultiMag Rapid-Adjust Pocketは、ダイヤルでマガジンの保持テンションを変えられるため、マガジン以外に無線機やマルチツールを収納してもいい。ベルトキットとあわせ、全体にスリックでミニマルなデザインなので、ロービジスタイルに仕上がっている。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

必要最小限とされるハンドガンやライフルの予備マガジン、メディックキット、無線機、ホルスターをベルトキットに装備できるDirect Action FIREFLY LOW VIS BELT SLEEVE。コンシールド任務でも同じものを用いることでマッスルメモリーを活用できる。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

グローブはMECHANIX WEAR M-pact Glove。銃や装備を触るために使いやすさは重要だが、色も考慮すべきだ。迷彩効果だけでなく、武器を手にしたグローブの色で敵味方を識別することもあるからだ。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

低反発のソールは着地の衝撃を軽減するだけでなく静音性も高いUNDER ARMOR TACTICAL ストライカーブーツ。移動時に起きる音にも配慮して選びたい。

 

Desert Tiger Stripe

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

 

 デザートタイガーのコンバットアパレルにハーネスとベルトキットを組み合わせた砂漠地域での野外作戦をイメージ。空爆要請のための誘導任務、偵察任務においてバックパックを背負うことや暑さを考慮してのハーネス装備だ。汎用性の高い大型ポーチは、任務内容に応じて中身を替えられ、大型ライフルの予備マガジンも収納可能だ。
 タイガーストライプパターンは、ベトナム戦争以後もアフガニスタンやフィリピンなど各国軍の正規及び非正規戦部隊で使用されている。米軍でも非正規戦部隊での使用例はあり、また2000年代に米空軍がグレーを基調としたタイガーストライプパターンである「Airman Battle Uniform (ABU)」を採用。しかしABUは2018年から2021年までに陸軍のOCP(Operational Camouflage Pattern)と呼ばれるマルチカムのBDUに切り替わる予定だ。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

TYR COMA Sniper Harnessのウエストパネルとショルダーバックパネルにさまざまな作戦に対応できるよう大型のポーチを装着。腰のユーティリティポーチには、ハーネスを外した際に使用する緊急時用のアイテムを収納することが多い。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

アメリカ海兵隊フォースリーコンが支給品のガナーポーチにARマガジンを収納していたのが有名だが、前面に装備した2個のDirect Action SAW 46/48 POUCHも同様で、付属のインサートを用いればARマガジンを6本収納できる。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

TAYLOR&STONER FUNNY PACKには状況によって緊急離脱する必要に迫られ装備の大部分を廃棄した際に必要になるアイテムとメディックキットを収納しておく。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

PIG Full Dexterity Tacticalは、銃の操作がしやすいように指の縫製を立体的にし、指先をタッチパネル対応にするなどタクティカルユースを意識したグローブだ。

 

タイガーストライプのコーディネイトを解説 Tactical Gear Laboratory

アウトドアブランドSALOMONのトレッキングシューズ、SALOMON FORCES QUEST 4D GTX FORCES BURRO BLACKは特殊部隊員にも愛用されている。ロープロファイルなミリタリーカラーモデルもラインアップに並ぶ。

 


 グリーンとブラックを基調としたオリジナルタイガーストライプ以外にも、夜間戦闘や市街地を想定したブラックとグレーを基調としたアーバンカモタイガーや砂漠地帯を想定したデザートタイガーが開発されている。中東やアフリカで非公式の軍事作戦を行なう特殊部隊がデザートタイガーのBDUを使用しているようだ。これは瞬時に味方と認識するための効果もあるからで、迷彩効果と部隊識別という意味もあって、今後もタイガーストライプは使用されていくだろう。

 

撮影協力(各装備)

※各アイテム毎のお取扱い店については本誌記事にてご確認ください

 

MODEL:Carlos
TEXT:Ghost(Ghost in the Dark)
PHOTO:黒田 敏之

 


この記事は2019年3月号 P.142~145より抜粋・再編集したものです。

 

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