通称「デルタフォース」と呼ばれるCAG（Combat Applications Group）は世界中でも最強クラスの特殊部隊になる。前回はその装備を再現したスタイリングを紹介したが、今回はそのスタイリングを元に装備について解説しよう。

 

「Combat Applications Group」スタイリング解説はこちら

 

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BELT KIT

 

　ベルトキットは腰回り装備の呼称で、いかなる作戦でも活用される重要な装備だ。CAG隊員は、迅速で正確な射撃技術が求められるシューティングマッチを訓練に取り入れており、ホルスターと予備マガジンポーチ、メディカルキットを組んだベルトキットへのこだわりも強い。会敵したとき、いち早く無力化できるように迅速にハンドガンを標的に撃ち込めるセットアップを常に構築している。

 

 

 

 

 

HEAD GEAR

 

　暗所強襲作戦を行なう際、現代の戦闘ではナイトビジョンが必要不可欠だ。そのため、ナイトビジョンを装着するためのバリスティックヘルメットとそこに装着する各種アクセサリーは特殊部隊装備において必須である。バリスティックヘルメットは、最新素材による本体の軽量化とインナーの品質向上のおかげで、装着時の不快感や疲労が軽減されている。

 

 

　ヘルメットの頭頂部か後頭部部分にあるのはストロボライトだ。これが点滅することで味方の識別表示をすることができる。またヘルメットライトは前方を明るく照らし、襲撃後の敵拠点で押収作業を行なう際に便利だ。どちらもナイトビジョンでだけ識別可能なIR（赤外線照射）機能が付いており、強襲部隊に共通するアクセサリーといっても過言ではない。

 

 

 

LVAW
（Low Visibility Assault Weapon）

 

　現在の特殊部隊の戦争は、敵に気取られることなく迅速に敵を無力化することが重要視されている。そんな状況下で戦うアメリカ軍特殊部隊が採用したのが LVAW（Low Visibility Assault Weapon）だ。

　LVAWは海外のアメリカ軍司令官視察の際、護衛を務めた特殊部隊隊員の手にあったことから陸軍デルタフォースや海軍特殊部隊各部隊に運用されていることが推測できる。使用されている銃器は、SIGのアサルトライフル「MCX」をベースとしており、サプレッサーの上に長めのハンドガードを被せることで短銃身に抑え、拡張性と取り回しを両立している。口径はSMGの9mm口径ではなく、300ブラックアウトというサプレッサー使用時に効果を発揮するとされる種類もある新型弾薬を使用。サプレッサーが付いたLVAWは、消音で強力な弾薬を撃ち出すことができるのだ。

 

 

　AIMPOINT T-2はすでにマウントがついているが、さらにマウントを装着することで、顔を下げることなく視界にドットサイトがくるように高さを調整することができる。また、L3Harris Next Generation Aiming Laser（NGAL）はナイトビジョン装着時にIRレーザーで狙いをつけることができ、SUREFIRE M600は強力な光を放つことができる。暗所での強襲作戦ではこれらが充分な機能を発揮するのだ。この3つのアクセサリーは、特殊部隊の必要不可欠なアイテムだ。

 

 

 

この記事は月刊アームズマガジン2022年1月号　P.128～133より加筆・再編集したものです。