装備

2021/10/16

軍用スマートフォンケースの開発の舞台裏【KÄGWERKS】

 

最強スマホケース開発の舞台裏


 「KÄGWERKSカグワークス」が開発するスマートフォンケースはアメリカ軍の耐久基準をクリアした軍用スマートフォンに相応しい製品だ。だが、その開発の過程には多くの挫折とそれを乗り越えるための並々ならない努力があった。今回はその開発の背景に触れながら、一般ではまだ発売されていない最新のケースのレビューをお届けする。

 


 

About KÄGWERKS

 

 

 2015年に創業されたカグワークスは、アメリカ軍退役軍人と各ジャンルの専門家によって組織された会社で、プロフェッショナル向けに製品と技術を提供している。
 現社長のギャレット・スウィンデルはカグワークスの創設者として成功を収めることができたが、その裏側には数多くの失敗と見えない努力があった。10代の彼はとても品行方正とはいえず、荒れた青春時代を送っていた。それを反省し正しく生きるために軍へと入隊。厳しい訓練をこなした彼はアメリカ陸軍のレンジャー隊員としてアフガニスタンとイラクへの派遣を2度経験した。その後、3度目の海外派遣を目指すが、コントラクターとして働く仲間たちの誘いを受け、彼もコントラクターとして活動。負傷するまで彼は精力的に活動し続けていた。

 負傷を機に地元へ帰った彼はレンジャー部隊のときの旧友からアメリカ銃器メーカー「ソードインターナショナル」のトレーニング部門への誘いを受ける。その仕事に就いた彼が耳にしたのは軍用スマートフォンを必要とする現場の意見だった。そのケースを作ろうと思い立ち、彼はカグワークスをスタートさせたが、その開発は難航。想像を超える困難と失敗によって彼は経済的に困窮してしまった。

 だが、同じ死線をくぐり続けた仲間たちは彼を助け、また多くの失敗がさらに彼を強くしていた。彼は新たに専門家の意見を取り入れ、素材の変更を行なう。他にも失敗から得た教訓をもとに改良を重ね、毎日18時間の作業を繰り返す。その開発期間はなんと2年間にも及んだ。その彼の努力がついに実を結び、堅牢なスマートフォンケースが完成したのだった。
 彼の血と汗と涙、そして仲間たちの強い絆で生み出されたカグワークスの製品はアメリカ特殊部隊に採用され、多くの戦場で兵士たちの活動を助けている。

 

「Never a fair fight.」

 

 これはカグワークスの標語であり、個人が仲間のために勝つためには何が必要かということを意味している。カグワークス社員全員がこの言葉をタトゥーとして身体に刻み込み、いつもそのことを忘れないようにしている。また、ギャレットが脳腫瘍の診断を受けたときもまた、この言葉が彼に大きな意味を与えてくれた。仲間の助けで復活を遂げた彼は、今日もまたさらなる飛躍に向けて仲間たちと共に戦い続けている。

 

 

訓練中のアメリカ空軍特殊部隊PJ隊員の胸に装着されたカグワークスのスマートフォンケースとマウント。マウントの正面部分にベルクロを貼ることができるようにカスタムされている。作戦時にはコールサインや星条旗パッチなどを貼るのだろう


Apparel and Soft Goods

 

 カグワークスはスマートフォンケースの開発以外にも、退役軍人のインストラクターによる高度な技術を用いた各種タクティカルトレーニングを行なっており、その受講者向けにアパレルやパッチなどオリジナルアイテムを販売している。

 

肌触りの良いスウェット生地のパーカは、スタンダードフィットでアーマーをストレスなく着用できるフィット感だ

 

タクティカルギア界隈で流行のレザーパッチと、立体的なデザインが特徴的なPVCパッチも発売している

 

KÄGWERKS 
IPHONE 12/12PRO OPERATORS KIT

 

 

 カグワークスの製品は、アンドロイドモデルのケースがメインだが、需要に合わせて新しいバージョンも開発した。その商品であるKÄGWERKS IPHONE 12/12 PRO OPERATORS KITは、iPhone用ケースとマウントがセットとなるオペレータキットだ。写真のIPHONE 12/12 PRO CASEは、Galaxy S20 Operator Kitと同様の防護能力持つスマートフォンケースだ。未発売のモデルだが、本記事掲載のために特別に送ってもらった。

 

ケース上部を折り曲げてスマートフォン本体を内部にスライドすることで、収納することができる

 

マウントはアーマーの場合は胸部のアドミンパネル部分、チェストリグの場合はセンタ―パネルの前面部に装着することが多い

 

パネル開口部のフックは迅速に解除できる。もちろんグローブを装着した状態でも問題ない

 

アドミンパネルの位置は人によっては高い位置に感じるかもしれないが、実際に操作をしてみると、その視認性と操作性は驚くほど良好なのだ

 


 

Accessories

 

 これらの製品の性能を引き出すアクセサリーは日本でも発売されている。スマートフォンをサバゲーでも利用したいと考えている方はぜひチェックしていただきたい。

 

x115xTAYLOR
JUGGERNAUT BASE

 

 

 x115xTAYLORが製造販売するJUGGERNAUT BASEは、胸部にベルクロがあるアーマーに適応できるパネルだ。胸部にMOLLEがなくとも、このアクセサリーを利用することで装着できる。

 

 

REALMENT
FERRO Concepts ADAPT MOLLE Panel

 

 

 REALMENTが扱うFERRO Concepts ADAPT MOLLE Panelは、同社のスリックスタープレートキャリアの胸部ベルクロに貼り付けることでMOLLEを追加できるのだ。

 

  • 価格:\5,830
  • お問い合わせ先:REALMENT

 

TEXT:Ghost(Ghost in the Dark)
Special Thanks:KÄGWERKS

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年11月号 P.126~131より加筆・再編集したものです。

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