2020/08/29
発火式モデルガンの扱い方 ~発火式オートマチックピストルの後片付け編~【毛野ブースカのトイガン基礎知識】
銃本体やカスタムパーツ、アクセサリー、ギアに至るまでトイガンに関わる基本的な知識や扱い方を、本誌編集ライターの毛野ブースカが解説していく「毛野ブースカのトイガン基礎知識」。「発火式モデルガンの扱い方」と題して前回は「リボルバーの発火準備」を解説した。6回目は発火式オートマチックピストルの後片付け編(銃本体、カートリッジの掃除)を解説する。
■手入れ・片付けこそモデルガンの醍醐味⁉
第2回目で発火式モデルガン「3」の法則を紹介したように、発火後の手入れ・片付けには3時間かかると述べた。3時間は大袈裟かもしれないが、準備や発火に比べれば時間と手間がかかるのは確かだ。手入れ・片付けはエアガンでは体験できない発火式モデルガンならではの楽しみである反面、決して難しい作業ではないのだが、ここで挫折してしまう方も多い。発火式モデルガンと長く付き合っていくためには、手入れ・片付けは避けて通れない。特にガンガン発火させる方ならなおさらだ。今回は発火式オートマチックピストルの手入れ・片付けの仕方を解説しよう。
発火直後のカートリッジを分解したところ。1発撃っただけなのでトップ以外はそれほど汚れていないが、そのまま放置しておくと汚れが取れなくなってしまう
洗面器や調理用ボールなどを用意して、その中に分解したカートリッジを入れる。キャップ火薬の撃ちガラ(緑色の小さなキャップ)はあらかじめ捨ててもよい
カートリッジを入れた洗面器に水を浸し、中性洗剤を適量垂らす
洗面器の中でカートリッジを攪拌し、泡立たせて汚れを浮かす。汚れがひどい場合は浸け置き洗いする。ただし長時間浸すとカートリッジが変色する恐れがあるので1~2時間程度にしよう
カートリッジを繰り返し洗って表面の汚れと中性洗剤を落とす。この時ざるがあると水切りしやすく、トップやアンビルといった小さなパーツの紛失が防げる
表面の汚れと中性洗剤が落ちたらウェスやフキンの上にカートリッジを広げて水気を切って乾かす。ドライヤーなどを使って乾かす必要はなく自然乾燥で充分だ
表面の汚れは落ちても内部の汚れは落ちにくい。そこで便利なのがKM企画の「日本綿棒社製クリーニングコットン棒」(10本入り¥1,000、20本入り¥1,800)だ。一般的な綿棒より先が硬くて段々状になっているので汚れが落としやすい
カートリッジヘッド内をKM企画のクリーニングコットン棒を使ってキレイにする
ライナー内側も汚れが落としにくいのでクリーニングコットン棒を使って装備する
掃除が完了したカートリッジ。これで次も安心して発火できる
フロントファイアリングピン(デトネーター)はバレルに装着したまま水で洗い流して汚れを取る。チャンバー側、マズル側の両方から水を流そう
洗ったら水気を切って乾かす。フロントファイアリングピンの汚れがひどい場合は取り外して掃除しよう
カートリッジとバレルの掃除が終わったところで銃本体のお手入れだ。まずはウェスや不要にTシャツにシリコンスプレーを塗布する
スライドやフレームを軽く拭いたのち乾拭きする。ヘビーウエイト樹脂製のパーツはキャップ火薬の成分に影響で酸化して変色する恐れがあるので、発火後は必ずシリコンオイルを塗布したウェスや不要になったTシャツで拭き上げる
錆を防ぐためにマガジンリップとマガジン全体にシリコンオイルを吹いて拭く
スライド内側のフレームと接触する溝を綿棒を使って汚れを落とす
フレーム側のスライドと接触する溝も綿棒で汚れを落とす
リコイルスプリングガイドにシリコンオイルを塗布する
スライド内部のフレームと接する溝やファイアリングピンブロック、ハンマーやシア周辺に軽くシリコンオイルを塗布しておこう。塗布し過ぎると逆に汚れが付きやすくなってしまうので、2~3マガジン分撃つごとに塗布すればよい
次回は発火式リボルバーの後片付け編(カートリッジと銃本体の掃除)を解説予定なので、ぜひチェックしてほしい。
TEXT:毛野ブースカ
撮影協力:タナカ