2019/10/20
TVアニメ 『ライフル・イズ・ビューティフル』独占インタビュー【後編】
本日23時より第2話が放送されるTVアニメ 『ライフル・イズ・ビューティフル』。
Arms MAGAZINE WEBでは、前回に引き続き「ライフリング4」のみなさんに行ったインタビューを公開。原作を通じて初めて知ることになったという 「ビームライフル競技」というテーマと、この作品に対する彼女たちの思いを語っていただいた。
『ライフル・イズ・ビューティフル』についてはコチラの記事をチェック!
―――来年の東京オリンピックではライフル射撃競技もありますから、それに伴って本作品の注目度も高まることと思います。公益社団法人日本ライフル射撃協会公認宣伝大使として大会の応援活動もされたということですが、競技を実際に見ての感想などはありますでしょうか。
Machico:競技は静かな雰囲気なのかと思っていたら、掛け声があったり本番前の試射では賑やかな音楽が流れたりしていたのが意外でした。本番では静かになる局面もありつつ、2人の選手が接戦になるシーンなどもあって、緊迫感がすごかったですね。「みんな勝って!」という気持ちになりました。どういう気持ちで仲間を応援し、自分と戦い、試合に挑むのか。本物の空気感に触れられた、貴重な体験でした。
熊田:私も学生時代は部活動をやっていたのですが、競技を見てその頃の気持ちを忘れていたことに気付きました。選手のみなさんは1発1発魂を込めて撃っていて、同点で緊迫したシーンはうるうるするぐらい胸にくるものがあって。「勝って!」と周りで応援する人たちの仲間への想いを肌で感じることができ、これが「絆」に繋がってるんだなって思いました。私たちが受け取った想いを演技に活かさなければと、バトンを渡されたような気持ちになりましたね。
八巻:まっちゃん(Machicoさん)が言っていたように、音楽が流れていたことが印象的で。無音の中で撃つのもそれはそれで緊張すると思うのですが、音楽が流れている中では選手の皆さんがどういう気持ちで撃っているのか気になりました。音楽で射撃のリズムを合わせるとか、そういうのがあるのでしょうか。いずれ機会があったらぜひ聞いてみたいです。
南:競技では時間内に決められた弾数を撃ちますが、速く撃つ方もゆっくり撃つ方もいて、タイミングは人それぞれです。撃ち終えた時に自分の順位は決まっていて、その場で「残念でした」と言われ脱落してしまう選手もいます。私なら「悔しい!」と声に出したり泣いたりするだろうと思いますが、選手のみなさんは静かに一礼して後ろの椅子に座るんですよ。中学生も高校生も、男の子も女の子も。その心意気や動作が本当に素敵だな、と思いました。八巻:それはビームライフル競技をやっているからこそ精神力が鍛えられ、穏やかで落ち着いた気持ちになるのかな。南:悔しい気持ちはあるはずですが、それを表に出さないのは、格好いいと思います。
―――実際の射撃競技を体験されているとのことで、身体の動きが制限される射撃ジャケットを着て重い競技銃を構えて標的を狙う、というのはかなり大変なのではないかと思いますが、いかがでしたか。
Machico:原作でも射撃ジャケットは固いって描かれていましたが、実際には一人では着られないぐらいに固くて。関節を曲げられないから、座ったり靴も履けない。「こんなに固くて大丈夫なの?」と思いました。でも、ライフルを構えて狙ってみると自分はこんなに震えているんだ、と感じました。標的を狙う時にミリ単位で合わせていくのはとても難しくて、周りに格好いいところも見せたいし…、などと思ううちにどんどん揺れちゃって。この射撃ジャケットの固さはその揺れを少しでも抑えるためのもので、理にかなっていますね。
八巻:それほど身体を固めて撃っても私は外してしまいました。撃っているうちに集中力は途切れるし腕も疲れて、ブレブレになって点数が下がっていくんです。重いライフルを構えるので、物理的に身体を固めるだけでなく、その重さに耐えられるよう筋力や精神力を鍛えるなど、色々な要素が必要なのですね。大会では撃っているうちに点数が上がっていく選手もいて、おそろしいほどの集中力を必要とする競技なんだ、と身をもって体験できました。
熊田:射撃ジャケットを着た時、絶対動けないと思いました。重さは5kgぐらい。それって、お米の袋の重さじゃないですか(笑)。ただ、その重量感も撃っている時には忘れてしまいます。高得点を取りたくて、小さな標的の中心を狙うのにいっぱいいっぱいで、それが集中力になっていたのですね。撃ち終えて銃を降ろした時、すごい疲れが襲ってきて。精神力、脳の糖分を取られました(笑)。これを中学生や高校生がやってるんだ、と思うともう尊敬しかないですね。
南:ユニフォ-ムって、袖を通した瞬間にパワーをもらえるようで気分が上がりますよね。物理的な固さもありますが、気持ち的にも背筋がピンとします。あと、自分でカラーリングやデザインをオーダーできるんですよ。自分だけのカスタマイズされた射撃ジャケットを作れるのは、ライフル競技の特権だと思います。だから特に女の子にはもっともっとライフル競技のことを知ってほしいと思いました。オシャレな部分もあるんだよーって(笑)。
―――最後に、本作品の魅力についてお話いただけますでしょうか。
Machico:大人になって忘れていた、何かにガムシャラになる楽しさを、この作品から感じていただけたらと思います。ライフル競技というと堅苦しく聞こえるかもしれませんが、女の子がこんなにも熱中できて、しかも格好いい競技なんだということを知っていただけたらうれしいです。射撃部のみんなは仲間でありライバルで、一番のライバルは自分です。色々な気持ちを抱えて、プレッシャーを克服して1発1発を決めていく、というのは私が今まで出会ってきた競技にはなく新鮮でした。ちなみに私は広島県出身ですが、恥ずかしながらこの作品を通じてライフル射撃競技の聖地(つつがライフル射撃場)が広島県にあることを初めて知りました。ですからぜひ広島に聖地巡礼していただけたらうれしいですね。そしてビームライフル射撃競技は年齢や性別を気にせず入っていけるので、この作品が実際に始めていただくきっかけになればとも思います。
八巻:原作を読んでみると、基本的にコメディタッチなので真剣な試合の間にもギャクが挟まれたりして、そのテンポ感が心地よかったですね。その一方で、4人の主人公をはじめ登場人物1人1人の射撃に対する思いがすごく丁寧に描かれています。日常のほわっとしたノリのいい部分があるからこそ、ビームライフルにかける情熱を描くシーンもまた際立つのではないでしょうか。そんな熱い気持ちを、作品をご覧になる皆さんに感じていただけたらいいですね。
熊田:これまでライブで歌ってきた「Bright day,Stand up!」という歌の中に「高めあう奇跡」というフレーズが出てくるのですが、4人の主人公にしっくりくると思います。中には不器用な子もいますが、お互いのことを思っているからこそ支え合い高め合っていける。原作を読んでいくと言葉通りの意味だなって思える瞬間があり、そんな「青春」を誰もが感じられるところがこの作品のすばらしいさだと思います。私が演じる泉水には、できないことがあって悔しくても周りに気を使ってそういう面を見せないようなところがあって、とても共感できました。この作品を見ていただければ、4人の主人公のどこかに自分と近い、共感できる部分があると思います。ほかにも色々な登場人物が出てきますがそれぞれ魅力的なので、きっと推しキャラができるはずですよ。
南:ガムシャラに何かを追いかけてきた経験のある方には、この作品を見てぜひ自分と重ねあわせていただけたらうれしいですね。そういう経験がなかった方は、この機会にビームライフル射撃競技を始めてみてはいかがでしょうか。ガムシャラになるのは、今からでも遅くはありません。この作品がそんなきっかけになればいいなと思います。
Profile
渋沢泉水 役
熊田茜音(Kumada Akane)
東京都出身(誕生日は2月3日)。主な出演作はTVアニメ『転生したらスライムだった件』(2018年)エレン役、TVアニメ『キラキラハッピー★ ひらけ!ここたま』(2019年)七瀬千春役など。また、ソロアーティストとして2020年1月にデビュー予定。
小倉ひかり 役
Machico
広島県出身(誕生日は3月25日)。主な出演作はゲーム『アイドルマスター ミリオンライブ!』(2013年)伊吹翼役など。また、ソロアーティストとしてTVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』(2016年・2017年)のOP / EDテーマ、TVアニメ『りゅうおうのおしごと!』のOPテーマなどを担当。
姪浜エリカ 役
南 早紀(Minami Saki)
大分県出身(誕生日は11月19日)。主な出演作はTVアニメ『BanG Dream!』(2017 年)大湖里実役、TVアニメ『ベイブレードバースト 超ゼツ』(2018年)芦田ハヤオ役、TVアニメ『八月のシンデレラナイン』(2019年)野崎夕姫役など。
五十嵐雪緒 役
八巻アンナ(Yamaki Anna)
鳥取県出身(誕生日は10月15日)。主な出演作はTVアニメ『火ノ丸相撲』(2018年)天王寺咲役、ゲーム『アイドルマスターシャイニーカラーズ』(2018年)白瀬咲耶役、TVアニメ『ソラとウミのアイダ』(2018年)田霧姫役など。
© サルミアッキ/集英社・千鳥高校射撃部
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