モデルガンを組み立てると銃の基本的な構造を覚えられる!
ハートフォードはモデルガンの組み立てキットをラインアップしているメーカーのひとつだ。同社の組み立てキットの中でもM19やスマイソンを再現したスミス&ウェッソンKフレームリボルバーシリーズは再販と同時に売り切れるほど人気がある。
かつてはMGCを中心にマルシン、ハドソンといったモデルガンメーカーから組み立てキットが数多くリリースされていたが、メーカーの廃業やモデルガンからエアガンに時代の流れが変わるとともに組み立てキットは少なくなり、今ではハートフォードとマルシンの2社のみとなった。組み立てキットは完成品より価格が安いことからヤングユーザーには手頃に入手できるモデルガンとして、ハイエンドユーザーには自分で組み立てる楽しさとカスタムガンのベースとして重宝された。
組み立てキットと聞くと、特に完成品のエアガンしか触ったことがない方や、エアガンやモデルガンを分解・組み立てしたことがない方には敷居が高く感じてしまうかもしれない。しかし、組み立てに必要な工具は100均ショップで販売されているもので充分。付属の説明書をもとに落ち着いて作業すれば初心者でも難しくない。
ここではハートフォードのスマイソン3インチモデルガン組み立てキットをもとにキットの特徴や組み立て時の注意点とコツを前編・後編の2回にわけて解説する。
パーツ展開
ハートフォードのスマイソン3インチのパーツを展開したところ。リボルバーはオートマチックピストルに比べて動きはシンプルだが、パーツ点数は意外と多い。特にトリガー/ハンマー周りに細かなパーツが集中している。作業時、そうしたパーツを紛失しないように注意しよう
シリンダーの組み立て
説明書通りにまずはシリンダーから組み立てていこう。シリンダー周りのパーツ構成はこのようになっている。スプリングが2本あるので飛ばしてなくさないように注意する
エキストラクターの軸部分に刻まれた溝と、シリンダーのエキストラクターの軸が収まる穴の内側にある突起をあわせてシリンダーにエキストラクターを入れる
エキストラクターが回転しないように指で押さえつつセンターピンにエキストラクターロッドカラーとエキストラクタースプリングを通し、エジェクターロッドをセンターピンに差してエキストラクターにねじ込む
エキストラクターはカートリッジを2本使いながら押さえると回転しにくい
組み立てたらエジェクターロッドを押してエキストラクターがせり出すか確認する
完成したシリンダー周り。フレームに組み込む前にセンターピンなどに注油しておこう
ハンマーの組み立て
次にハンマー周りを組み立てる。表面から見ているとパーツが少なそうだが、小さなスプリングやピンなどが多く使われているのがわかる
まずハンマーノーズにハンマーノーズスプリングを乗せるのだが固定されるわけではないので、グリスなどをスプリングの先端に塗布して落ちないようにする
ハンマーノーズにスプリングを乗せた状態でハンマー上部に入れ込み、ハンマーノーズリベットでハンマーに固定する。ハンマーノーズリベットは先端をよく見るとテーパーがかけられている側があり、テーパーがかけられている側をハンマー側にして打ち込む。ハンマーノーズスプリングがズレやすいので、ピンを打ち込むのとは反対側にクリップなどから作った小さなピンを差してハンマーノーズを固定すると作業しやすい
次にシアとシアスプリングを組み込む。このスプリングも外れやすいので、グリスなどを用いて落ちないように固定する
シアを押さえながらシアピンを差し込む。穴があわせにくい時にはクリップなどから作った小さなピンをガイドにして差し込む
ピンが差し込めたらシアを指で押して可動するか確認する
ハンマー下部にステアラップピンを用いてステアラップを固定する
完成したハンマー周り。小さなスプリングやピンが多く、どれも組み込みにくく紛失・破損しやすいので焦らず慎重に組み込もう
トリガーの組み立て
ダブルアクションリボルバーの要であるトリガー周り。パーツ点数は少ないものの固定位置がわかりにくいので、説明書をよく読んで作業を進めよう
まずはシリンダーハンドトーションピンをいちばん前側の穴に差し込む
シリンダーハンドトーションピンを差し込んだところ
次にシリンダーハンドスプリングの短いほうを前側、長いほうを後側にしてシリンダーハンドスプリングピンで固定する。シリンダーハンドスプリングピンはシリンダーハンドトーションピンの斜め右上にある穴に差し込む。またスプリング前側の先端がシリンダーハンドトーションピンの上にくるようする
トリガーレバーをトリガーレバーピンを用いて固定する
キットに付属する抜き棒を用いてシリンダーハンドスプリングを押し上げながらシリンダーハンドを組む
シリンダーハンドが可動し、後ろに押すとスプリングテンションがかかっているか確認する
トリガーレバーが可能することも確認しておこう
完成したトリガー周り。シリンダーハンドスプリングの向きやスプリングの先端を引っ掛ける箇所を間違えなければ、それほど組み立てに手間はかからない
リアサイトの組み立て
スマイソンにはいわゆる「Kサイト」と呼ばれるアジャスタブルリアサイトが装着されている。パーツ点数はそれほど多くはないが、ウインデージスクリューとエレベーションスクリューにリアサイトプランジャーとプランジャースプリングが付属しており、特にウインデージスクリューを組み込む際に紛失・破損しやすいので注意する
まずはリアサイトスライドにウインデージスクリューをねじ込む。最後までねじ込まず、写真のようにネジの頭部分とブレード部分に1㎜ほど隙間を開ける
リアサイトスライドをリアサイトリーフに入れ、ウインデージスクリューの穴にリアサイトプランジャーとプランジャースプリングを差し込む。各パーツが脱落しないようにグリスなどを軽く塗布しておく
リアサイトプランジャーを指で押さえながら回してリアサイトリーフにウインデージスクリューを組み込む。ウインデージスクリューとは反対側(左側)にウインデージナットを入れて押さえながらウインデージスクリューをドライバーで回してリアサイトスライドが中心にくるようする
エレベーションスクリューにリアサイトプランジャーを入れて、リアサイトプランジャーを指で押さえつつリアサイトリーフに差し込む
各パーツを組み込んだリアサイト周り。。エレベーションスクリューはリアサイトリーフに完全に固定されているわけではないので、フレームに組み込む時にリアサイトプランジャーを飛ばさないように注意する
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