現代のコンバットハンドガンに欠かせないアクセサリーのひとつであるウェポンライト。明るさはもちろん、サイズや操作性など各社の工夫が凝らされている。そこでハンドガン用ウェポンライトの違いを探るべく実銃用として有名な4メーカーのウェポンライトをピックアップ。各部の特徴を徹底比較してみた。意外と知っているようで知らないウェポンライトの常識が明らかになる。
現代のタクティカルウェポンの必須アクセサリーであるウェポンライト(ウェポンマウントライト)。その歴史は約40年前の1986年にシュアファイアの前身であるレーザープロダクツが発売したガバメントとショットガンに装着するウェポンライトに遡る。実はウェポンライトは懐中電灯(ハンドヘルドライト)型のフラッシュライトよりも数年早く登場している。ライトを実装した銃が実戦投入されたのは1989年、ラリー・ヴィッカーズを筆頭にした23人のアメリカ陸軍デルタフォースの隊員が実行した「Operation Acid Gambit(アシッドガンビット作戦)」と呼ばれる作戦だった。この時に使われたライトはスキューバダイビング用ライトだった。ちなみに彼らはライト以外にドットサイトも装着しており、現代のタクティカルウェポンと同じ装備をいち早く導入していた。この時代はまだレールシステムやピカティニーレールは開発されておらず、ウェポンライトは専用のマウントベースを使って銃に装着されていた。
そんな流れに変化が訪れたのが、1991年にUSSOCOMの依頼によって作られたヘッケラー&コックMk23(いわゆるソーコムピストル)と、1993年に登場したヘッケラー&コックのUSPであった。Mk23は専用のLAM(レーザーエイミングモジュール)、USPは専用のウェポンライトが装着できる独自規格のアンダーレールが採用された世界初の量産ハンドガンであった。そして1998年、グロック17の第3世代(サードジェネレーション)が登場。このモデルは「ユニバーサルグロックレール(ユニバーサルレール)」と呼ばれるアンダーレールが初めて採用された。
これらのハンドガン用レールと同時期に1994年にコルトM4A1カービン、そして1990年代後半にナイツアーマメントによって開発された「レール・インターフェイス・システム(RIS)」が登場。本格的に「ピカティニーレール(1913 rail/MIL-STD-1913 rail)」がアメリカ軍によって運用され始め、イラク・アフガニスタン戦争を契機に銃器やアクセサリー類が一気に進化することとなる。USPやグロックピストル以降、アンダーレール付きのハンドガンが主流となり、ウェポンライトはシュアファイアやITI(インサイド・テクノロジー)といったメーカーを中心に発展していく。ちなみにユニバーサルレールとピカティニーレールは微妙に寸法が違うので、自分の銃がどちらの規格なのか確認してから装着することをお薦めする。
1990年後半から2000年代半ばにかけてハンドガン用ウェポンライトの傑作と呼ばれるシュアファイアX200やITI M3が登場。2000年代後半からマウントベースを介さずにレールシステムに装着できるライフル用ウェポンライトが登場した。
2010年代に入り、それまでのキセノンバルブからLEDが使われるようになり、明るさや寿命の向上、省電力化、小型化を実現。LEDを採用することでキセノンバルブモデルよりもコンパクトで明るく軽量なモデルが登場し、種類も増加した。さらにバッテリーも従来のCR123Aだけではなく単三や単四といった乾電池が使えるもの、充電式(リチャーチャブル)のCR123Aや、バッテリーを取り出さなくてもケーブルを繋ぐだけで充電できるモデルが登場するなど著しく進化している。
このように進化を続けるウェポンライトは明るさや利便性。コストに目が行きがちちだが、重要なのは実銃のハードなリコイルショックに耐えられて、銃本体にしっかりマウントできることである。シュアファイアやここで紹介するストリームライトのウェポンライトはそのへんが長けており、実戦を経てバトルプルーフされたきたものばかりだ。価格はやや値が張るものの、それを補って余りある性能を有している。
数あるハンドガン用ウェポンライトの中から、シュアファイアとストリームライトの製品をサイズ別に2種類をピックアップ。各部の特徴や明るさを比較してみた。
シュアファイア X300U-A/ストリームライト TLR-1 HL
シュアファイア XC1-B/ストリームライト TLR-7A
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