エアガン

2024/03/08

ワルサーの傑作コンパクトオートがガスブロで登場「マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック」

 

グリップ厚の薄いPPKを新規金型で巧みに再現

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック

 

 映画『007』シリーズの主人公、ジェームズ・ボンドが愛用するオートマチックピストルとして知られているワルサーPPK(以下PPK)。実銃のPPKは1929年に登場したモデルPPを小型・軽量化したモデルで、1931年に登場した。

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
誕生から90年が経った現在でも基本的なメカニズムやデザインを変えずに製造が続けられている。まさに名銃中の名銃だ

 

 ちなみにワルサーPPK/Sはインターアームズがアメリカの輸入規制にあわせてPPKのスライドにPPのフレームを組み合わせたものである。口径は.32ACP、ストレートブローバック式でシングル/ダブルアクショントリガー、当時としては最新のデコッキング機能が搭載され、工具を使わずにフィールドスリップが可能だった。ワルサーのオートマチックピストルを象徴する1挺であり、直線と曲線が融合した優美なフォルムは今見ても新鮮だ。知名度はあるもののトイガン化されることが少ない銃のひとつであるPPKを、マルゼンはガスブローバックガンで再現した。

 

 

ワルサーとの正式契約により抜群のリアリティ

 

 マルゼンが選んだPPKはベークライト製のブラウングリップが付いた戦前型ではなく、ジェームズ・ボンドが手にしていたブラックグリップのついた戦後型(1950~1960年代製)をチョイス。同社のロングセラー商品であるガスブローバックガン・ワルサーPPK/Sをベースに、ワルサーとの正式契約のもと実物図面データを参考にしながらフレームやグリップを新規金型で製作。

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
マルゼンのワルサーPPK/S(写真上)と比較したところ。同じように見えるが、スライドの長さは同じだが、グリップ/フレームの長さが異なる

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
グリップの長さを比較したところ。左がPPK、右がPPK/S。PPKはPPK/Sに比べてフィンガーレスト約1個分短い。長さだけではなくフレームやグリップの形状も異なる

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
スライド前方下部とフレーム先端正面の合わせ目がピッタリあわせてあり美しいマズルフェイスを作り出している

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
トリガー前方の面取りカット形状はトリガーガードとトリガーの曲線が自然とつながるように再現されている

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
グリップは実物図面データを参考に新規金型で製作。背面のカーブやチェッカリングの形状がリアルに再現されている

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
スライド後部にはコッキングインジケーターがモールドで再現されている

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
携帯に適したロープロファイルなフロント/リアサイト。フラットなスライド上面には反射防止の波型の溝が施されている

 

 グリップの厚み幅の薄さが特徴のPPKを再現すべくフレーム内部のパーツ固定方法をPPK専用のグリップウエイトと兼用することで、パーツ点数を減らしつつ実銃に近いグリップの厚み幅を実現している。グリップ下部のランヤードリングはフレーム後部の溝に引っ掛けて固定し、かつハンマースプリングの受けも兼ねるという実銃の装着方法に近づけている。

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
グリップ/フレームの厚みを比較したところ。左がPPK、右がPPK/S。PPK/Sは左右のグリップパネル分だけ厚みが増している。PPKはスライドの厚みとほぼ同じ

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
グリップはチェッカリングのない部分は型の表面を磨いて成型品に艶が出るようにして、ワルサーバナーの中はシボ加工が施されている。グリップスクリューは実銃同様貫通式

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
フレーム内部のパーツ固定と重量増を兼ねてフレームとグリップの間にはグリップウエイトが設けられている

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
軍用銃として開発されたPPKの特徴のひとつであるフレーム下部のランヤードリング

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
ランヤードリングは実銃に近い方法で固定されている。ちなみにPPK/Sではフレーム内部にハンマースプリングは内蔵されておりグリップを外しても見えない

 

 ワルサーバナーをはじめとして各部にリアルな刻印が施されている。フィンガーレストが付いたマガジンはPPK専用となり空撃ちポジションを追加。内部メカはPPK/Sから継承されたマルゼンオリジナルのアドバンスシュートシステムを搭載。ホップアップは固定式で安定した弾道が得られる。

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
ワルサーとの正式契約によりワルサーバナーはもちろん刻印の書体に至るまでリアルに再現されている

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
スライド右側はシリアルナンバーのみですっきりしており、チャンバーにはプルーフマークが打刻されている。ワルサーのライセンス刻印はフレーム右側に施されている

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
PPK/S(写真左)ではJASGとワルサーのライセンス刻印はスライド右側にあるが、PPK(写真右)はライセンス刻印はフレーム右側、JASG刻印はチャンバー左側に移されている

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
スライド後方左側に設けられたセーフティ/デコッキングレバー。写真はハンマーをデコッキングした直後。レバーを戻すとトリガーも一緒に戻る

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
トリガーそのものがテイクダウンラッチになっており、トリガーガードを外してスライドを後方まで引き持ち上げるとフレームからスライドが外れる

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
ブローバックエンジンはワルサーPPK/Sと同じマルゼン独自のアドバンスシュートシステムを採用

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
小さいフレームの中にデコッキングメカやガスブローバックガンとしての機能が凝縮されている

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
ワルサーバナーと左側に弾数確認用ホールをモールドで追加されたPPK専用マガジン。装弾数は18発

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
マガジンを比較したところ。左がPPK、右がPPK/S。PPKは弾数確認用ホールが追加されているのがわかる。BB弾の装弾数はPPKは18発、PPK/Sは22発

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
撮影した日は気温が低かったが、小さいマガジンながら18発全弾を撃ち切れた。ガスブローバックガンとしての実力も高い

 

 ワルサーPPK/Sと比較するとフレームとグリップが薄くて短いためか想像以上に小さく感じる。手のひらサイズのコンパクトオートながら小気味よいキレのあるブローバックアクションが体感でき、実射性能も申し分ない。見た目はもちろん操作性、撃ち応えともにパーフェクトなマルゼンのワルサーPPK。買って損はない1挺だ。

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック
小柄なボディからは想像できないほどスピーディーなブローバック。フルサイズハンドガンにはないコンパクトオートならではの魅力が詰まっている

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック

 


 

マルゼン
ワルサーPPK ブローバックブラック

 

DATA

  • 全長:158mm
  • 全高:116mm
  • 全幅:27mm
  • 重量:370g
  • 装弾数:18発
  • 価格:¥14,080
  • お問い合わせ先:マルゼン

 

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック

マルゼン ワルサーPPK ブローバックブラック

 

※記事中の価格表記は掲載時点でのものであり、特に記載のない限り税込みです。また、物価や製造コストの上昇、為替レートの変動により記事中に記載の仕様、価格は予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

 

TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部

 

この記事は月刊アームズマガジン2024年4月号に掲載されたものです。

 

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