2023/10/16
手のひらサイズの特殊なリボルバーを発火式モデルガンで初再現「ハートフォード プロテクター・パームピストル」
特異な構造のパームピストルを初めてトイガン化
今まで途中経過をお伝えしてきたハートフォードのプロテクター・パームピストルが発売された。すでにご購入された方もいらっしゃることだろう。実銃のプロテクターは、握り込むことで本体後部のトリガーが押し込まれて内部に組み込まれたシリンダーが回転、内蔵式ハンマーにより弾が発射される小型リボルバーだ。
実銃は1882年にフランスで特許が取得されて製造を開始。その後、1892年にアメリカで特許が購入され、シカゴファイアアームズで製造された。フランス版は.22口径だったがアメリカ版は.32口径だった。ハートフォードが再現したのはこのシカゴファイアアームズの7連発仕様である。
他に例のないメカニズムを余すところなくモデルガンで再現
フレームに相当するケースとキャップはヘビーウエイト樹脂(2211B)製、トリガーやセーフティキャッチは亜鉛ダイキャスト製。メインスプリングをはじめとした内部パーツはレーザーカットで再現されている。実際に手にしてみると、ちょうど手のひらに収まるサイズで持て余すことはない。さらにヨーヨーのような形状なので持ちやすい。実銃と同じ構造・操作方法を再現しており、本体を握ってトリガーを押し込むと、内蔵されたシリンダーが縦方向に回転し、同時にハンマーが起き上がって撃発される。
専用の.32口径のカートリッジは7mmキャップ火薬仕様で装弾数は7発。弾頭部分を外側にしてシリンダーに放射線状に装填される。発火させてみるとバレルが短いせいかマズルフラッシュが勢いよく出る。素早く連射するにはコツが必要だが確実に発火される。一般的な銃とは異なる操作方法と形状のためか、発火させた後、不思議な感覚が残る。当時の人はこの銃を撃ってどのように感じたのだろうか。ついつい思いを馳せてしまった。
初めてトイガン化されたプロテクター。コレクション用としてはもちろん資料的価値が高い。モデルガンファンならずとも手に入れておきたい逸品だ。
ハートフォード
プロテクター・パームピストル
DATA
- 全長:130mm
- 重量:275g(カートリッジ7発分含む)
- 装弾数:7発
- 価格:¥27,280
- お問い合わせ先:ハートフォード
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2023年11月号に掲載されたものです。
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